私たちをとりまくYES!と言えないことについて、読者のリアルボイスを交えて徹底考察。今回は、心の悩みの対処法を専門家がアンサー。

〈マキア読者329人のリアルボイス〉女子力、見た目、らしさetc.…モヤモヤしたときの対処法Q&A_1

「なんだか生きづらいのはなぜ?」
私たちをとりまく
YES!と言えないことについて考えてみた。

こんなときどうする?
マキア読者が実際に経験している
“モヤモヤするあれこれ”への向き合い方Q&A


誰もが唯一無二のオリジナル。目に見えない部分だからこそ痛みや傷は無視せず、ケアの意識を。

教えてくれたのは…
みたらし加奈さん

臨床心理士

みたらし加奈さん

著書に『マインドトーク -あなたと私の心の話-』(ハガツサブックス)。パートナーと運営するYouTubeチャンネル「わがしChannel」も人気。

Q.「女子力」ってほぼ「生活力」だと思うけど、それって女性だけに求められる能力なの?

誰かのためではなく 自分のために使うもの

誰かのためではなく
自分のために使うもの

「まさに生活力ですよね。“女子力”という言葉は、男女が不均等なこの社会で、女性が自分たちを守るために生まれた側面もあると思います。自分が心地よくいるためではなく、誰かのためや周囲のジャッジを気にして使ってしまう女子力には、もうさよならしてもいいのでは」

Q.見た目のことをからかわれるたびに、自分が女性としての能力に欠けた役立たずのように感じてしまいます。
自分を責めずに距離をとって
悪気なく相手を傷つける言動=「マイクロ(小さな)アグレッション(攻撃性)」は、気づくと刺されている蚊の不快感に喩えられることも。「一見ポジティブに思える話でも、心地よくない言葉を投げてくる人とはできるだけ距離をとりましょう。自分を責める必要はまったくありません!」


Q.スカートやワンピースが好き&ロングヘアというだけで、「女性らしさをアピールしている」という勝手な印象を持たれがち。好きな服を着ているだけなのに……。
「あなたの中ではね」と呟いてみて
自分の“好き”を否定する権利は誰にもない。「価値観の押し付けには『あなたの中ではね』というマインドを頭の隅に置いておくことが大切。直接言えなくてもいいので、心の中で思ってみてください。自分のせいだと考えずに、呪いの言葉をかける人とは距離をとってみて」


Q.家事は夫婦で分担していますが、夫はやらない日が多く、指摘すると「そもそもお前の仕事じゃん」と。家事は女性の仕事という思い込みを軌道修正する方法はあるのでしょうか。
話し合いはタイミングが重要です
話し合いは、一方が“責められた”と感じた瞬間に成り立たなくなってしまうもの。「相手の価値観を変えることが難しいケースもあるので、大切なのは事前にサインやルールを決めておくこと。お互いの機嫌がいいタイミングで、『疲れている時はサインを出してお互いに手伝おう』といった対処法や希望を伝え合うのがベストだと思います」


Q.後輩が有休も使って産休に入った時、独身の自分には縁のない福利厚生を活用する姿に嫉妬しました。既婚者の家族話にもイライラ。そんな時、自分がとても小さく感じます。

自分をいたわりながら、 カウンセリングを試して

自分をいたわりながら、
カウンセリングを試して
「まず、負の感情と向き合われているのはすごいことだと思います。負の感情は、自分の傷が癒えていないことから生まれる場合もあるので、まずは自分を受け入れた上で傷口をケアすることが大切です。1人で苦しまず、ぜひ専門機関でカウンセリングを試してみてください」

Q.ジェンダーやフェミニズムについて調べていると、自分も何気ない言動で誰かを傷つけているのではと不安になります。コミュニケーションで心がけるべきポイントを知りたいです。

背景は人それぞれ。 枠にあてはめすぎは禁物

背景は人それぞれ。
枠にあてはめすぎは禁物
「一人ひとりの背景はまったく違うので、カテゴリの枠にあてはめすぎないこと。もし相手を傷つけてしまっても、自省や謝罪をして、相手の言葉に耳を傾け、学ぶことで十分にリカバーできます。恐れすぎずに関係性を築いてほしいと思います」

MAQUIA9月号
イラスト/eve 田中麻里子 取材・文/国分美由紀 構成/横山由佳(MAQUIA)

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