サステナブルビューティを考える新連載『MAQUIA CLEAN BEAUTY NAVI』。「MAQUIA」6月号では、自然の豊かさと共存するビューティのあり方 に迫ります。

自然の豊かさと共存するビューティとは? 「MAQUIA CLEAN BEAUTY NAVI」vol.2_1

短期集中連載 vol.2


私と地球に優しいビューティの新基準!

自然の豊かさと共存するビューティとは? 「MAQUIA CLEAN BEAUTY NAVI」vol.2_2

MAQUIA CLEAN BEAUTY NAVI

今月のテーマ
森林や山など、自然の豊かさと共存するビューティのあり方とは


化粧品原料のほとんどが植物由来という現実を鑑みると、私たちのキレイと密接につながっているのが、森や山といった自然環境だ。気候変動にも影響を与える重要なキーワードだからこそ意識したいのがSDGs15のLife on Land。自然を守りながらきれいを育む、CLEAN BEAUTYの理想型を探っていこう。

持続可能な開発目標(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)

2015年に国連が制定した持続可能な開発目標(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)。地球環境の保護や人類の平和に対して取り組むべき17項目が制定されている。

自然の豊かさと共存するビューティとは? 「MAQUIA CLEAN BEAUTY NAVI」vol.2_4

15のLife on Land「陸の豊かさも守ろう」は、森林や山、川、湖などの自然環境や生物の多様性を守ることを掲げている。



CASE OF YSL



イヴ・サンローラン・ボーテゆかりの地に農園を創設
イヴ・サンローランゆかりの地モロッコはアルガンやローズ、サボテンなどパワフルな植物の産地。この恵まれた自然環境を活かし、サステナブルな原料の確保と研究開発を目的に2019年にウリカガーデンを創設したイヴ・サンローラン・ボーテ。ピュアショットにはウリカガーデン産植物エキスが配合されている。

イヴ・サンローラン・ボーテゆかりの地に農園を創設

写真上から時計まわりにアトラス山脈の麓にあるウリカガーデン。ランドスケープデザイナーのオサール&モリエールが植物の育成や研究に従事。現地女性の雇用も整備。



サステナブルな活動から信頼感が生まれる時代へ



気候変動の危機が叫ばれる中、肌につけるものは口にするものと同じレベルで考えたい、そんな意識の高まりから、化粧品ブランドのサステナブルな取り組みが変化している。たとえば、イヴ・サンローラン・ボーテはモロッコのアトラス山脈の麓に、初の自社農園となるウリカガーデンを創設。植物学者でもあるランドスケープデザイナーのもと、植物由来成分をサステナブルに確保する取り組みがはじまった。また、サンローラン以前に、ブランドゆかりの地であるフランス、グランヴィルでローズガーデンを構え、独自の品種改良に成功するなど、サステナブルな成果を着実に築いてきたのがディオールだ。ほかにも、オーガニックブランドだけに留まらず、環境に最大限配慮しながら、ブランドの独自性、高機能性に積極的な外資系ブランドは増加傾向に。一方で欧米と比べ、有機栽培の歴史もSDGsの取り組みも遅いと言われる日本では、オーガニックブランドではないものの、いち早く白神山地に自社農園とラボを開設し、製品開発を続けるアルビオンの取り組みが注目されている。さらにアスレティアのように循環型農園と契約を結び、積極的に有機栽培を推進するブランドも増えているよう。森林や山、川、湖などの自然環境や生物の多様性を守りながらキレイを育むクリーンビューティのお手本となるのが、ヴェレダやジュリークなどオーガニックコスメのパイオニアたち。創設時から自社農園を運営、バイオダイナミック農法による有機栽培を続け、高品質な原料を提供するだけでなく、土壌改良や環境保護活動を続けてきた実績は高く評価されている。自然環境が厳しさを増すいま、その動向はますます注目されているようだ。SDGsにサステナブル、自然を敬いながら化粧品としての機能を追求し続ける各ブランドたち。誕生までの歴史や背景、人々の想いを考えると、もはや一滴たりとも無駄にはできない、そんなクリーンな感情さえ生まれてくるのだ。

サステナブルな取り組み

自然環境を守りながら高機能を貫く本気コスメが急増中!

自然環境への配慮に特別なルールはないが、原料そのものを自ら栽培し、研究開発を続けるブランドは増えている。化粧品の背景にある自然との共生や人々の思いが、安心感や信頼感、効果実感へとつながっているよう。

サステナブルなコスメ

A グランヴィルローズとホワイトローズ配合の美白美容液。しなやかで極上の使用感。ディオール プレステージ ホワイト ラ ソリューション ルミエール(医薬部外品)30ml ¥42000/パルファン・クリスチャン・ディオール B 10種類の植物オイル配合、セダーウッドとゼラニウムの香りが心地いいブースターの2層式オイルは、マッサージも可能。コアバランス オイル 50ml ¥5500/athletia C 白神産の5種類の植物を純白麹で発酵させた発酵液配合の化粧液。個々の悩みに対応、とろみ感も人気の秘密。フローラドリップ 160ml ¥13000/アルビオン D 過労による老化のサインに抗うナイトセラム。モロッコ産ムーンライトカクタスオイル配合の2層式。ピュアショット ナイトセラム 30ml ¥10500/イヴ・サンローラン・ボーテ E ヨーロッパの南ボヘミア地方で有機栽培された白樺の葉から抽出したエキスを配合。ひき締め効果のあるボディオイル。ホワイトバーチ ボディオイル 100ml ¥3800/ヴェレダ ジャパン F 自社農園で栽培された7種類の植物成分配合。肌を労りながらオフする美容液のようなミルククレンジング。リプレニッシングモイスト クレンジング ローション 200ml ¥3800/ジュリーク・ジャパン

MAQUIA 6月号
ロゴ/Bob Foundation 撮影/山口恵史(物) イラスト/瀧川裕恵 取材・文/安倍佐和子 構成/横山由佳(MAQUIA)



※本記事掲載商品の価格は、本体価格(税抜き)で表示しております。掲載価格には消費税は含まれておりませんので、ご注意ください。

MAQUIA書影

MAQUIA2024年4月22日発売号

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