アニメやゲームを題材にしたステージで強い存在感を放っている2.5次元俳優の方々にご登場いただく企画がスタート! 2次元さながらの麗しいビジュアルに、3次元ならではの躍動感がある身のこなし。双方の魅力を備えた圧倒的なパフォーマンスで熱狂の渦を生み出す彼らの、輝くばかりの美の秘密に迫ります。
第三回目は、2.5次元舞台『あんさんぶるスターズ! THE STAGE』の鬼龍紅郎役や、『刀剣乱舞』の同田貫正役など、数多くの人気キャラクターを演じている武子直輝さん。キメの整った肌やポジティブな考え方、忙しい日々の中でもベストコンディションをキープし続けられているのはどうやら自炊生活の賜物のよう。そんな彼の、無意識に習慣化して得た健康についてや、芝居に対する想いについて伺った。
- 前向きな気持ちでいられるのも、肌荒れしないのも全ては自炊をするようになってから!
- ストレス発散&趣味は「デジモン」のカードゲーム
- 多忙の日々の肌ケアに欠かせない愛用品
- 最初は舞台俳優になるのが怖かったし、できるわけない! と思っていた
- 演劇界の若手⻤才クリエイター陣×多彩な俳優陣が結合。5/7から “新時代”を宣言する2.5次元舞台「Experimental Theater『結合男子』」に出演
東京都出身。子役として芸能界デビュー。以降、CMや映画、ドラマに出演し、近年は映画『牙狼』シリーズ劇場版4作目にあたる『絶狼<ZERO>-BLACK BLOOD-』や『女子高』、ドラマ『ハンサムセンキョ』、『トラジットガール』、『牙狼-魔戒列伝-騎士道』、舞台『ハイキュー!!』、『刀剣乱舞』、『あんさんぶるスターズ! エクストラ・ステージ』、『サンリオ男子』、『Paradox Live on Stage』、『僕のヒーローアカデミア』『ブラッククローバーthe Stage』など多数の作品で活躍。また舞台『魁!男塾』や『東京カラーソニック!!』では主演を務める。6月11日(火)に『ACTORS☆LEAGUE in Games 2024』に出演予定。
前向きな気持ちでいられるのも、肌荒れしないのも全ては自炊をするようになってから!
遠くからスタジオに向かって歩いてくる武子さんを目にしたスタッフ一同。サングラス越しでもはっきりと分かる美しく整った目鼻立ちに、華やかなオーラ。颯爽と歩いてくる姿に、ちょっと怖そうな……近づきにくい人なのでは? と身構えましたが、その不安をよそに、キラキラとした瞳、自然と口角の上がった魅力的な笑顔を振りまくギャップに、一瞬にしてスタジオが温かい空気に。サングラスを外すと、より鮮明に分かる艶やかな肌作りの秘訣を教えてもらいました。
「かなり昔になりますが、首のほうまですごいニキビに悩まされていたことがあって。その時は、。今、思えば洗顔のし過ぎで、肌に刺激を与えすぎてしまっていたのかと思うのですが、当時はそれが正解だと思い込んで頑張って顔を洗っていました。でもある時、全く別の病気で入院して、就寝時間や食生活が正されたら、2週間くらいで肌もスパッとよくなった経験があったので、その頃から規則正しい生活やバランスの取れた食生活は体にいいんだなと感覚的にわかるようになりました。
家に帰ったら、とりあえずビールっていう人がいますが、僕はご飯の支度をすることがリラックス方法というか気分転換かな。家の冷蔵庫の中に何の食材が残っているかな……と思い出しながら帰宅するのが日課で、『今日はこれとこれを合わせて〇〇を作ろう』、『味噌汁がもうちょっとでなくなりそうだからどうしようかな~』とか。普段は男飯でパパっと済ませることが多いですが、時間がある時は何品か作るようにしています。得意料理はとんかつとチャーシュー!
コロナ禍中は直接ファンの方に会えなかったので何か発信しようと思い、約2年間、その手作り料理を毎日Instagramにアップしていました。ただ、映えを気にしないといけないのが思っていた以上に大変で。毎日同じような雰囲気の画像をアップし続けると、見ている側が飽きてしまわないかな? と変な使命感に駆られて、自分自身の首を絞めている苦しい時期がありました。その習慣のおかげで、自炊することが当たり前に。それからは野菜を積極的に食べたり、肉だけでなく魚も食べるように心がけたり、朝は必ず味噌汁を飲むようにしたり……と健康習慣が身に着きました。
「特に納豆などの発酵食品が大好き。腸内環境がもっとも体に影響を及ぼすということを知ってからは、毎食、1品取り入れるようにしています。朝、味噌汁を飲むと、それだけで体が温まって代謝も血行もよくなるので、体中、指先にまでエネルギーが巡り、舞台前に体を動かさなくても万全の体調で挑めるんです。
だから地方に行った時は大変! インスタントの大量の味噌汁と、エネルギー量の多いゆで卵やバナナ、納豆は必ず買い込みます。あとは偶然にも行く先々にナチュラルローソンがあるので、ひじきや煮豆などカップのお惣菜を買うようにしています。朝食は栄養バランスを重視して、夕食はとにかくお腹を満たしたいので、ホットドッグやハンバーガー、カレーライスなどガッツリとしたものを食べることが多いかな」
「本来なら役に合わせて、体型を変えられたほうがいいとは思うのですが、太りにくい体質というか胃下垂で……。これまでも体を大きくしなくてはいけないときに、筋肉も脂肪もまったくつかなくて、自分の中ではそれがネック。それこそジムに行ってガンガン体を動かしても変わらない! でも何もしなくても今ある筋肉は減らなくて、筋トレはまったくしていないのに、めっちゃキレイな力こぶはできるんです。不思議ですよね。
日頃から意識的に体力作りをしているわけでもなく、歩くのも嫌なので散歩もしない。仕事ですごく体を動かすので、それだけでもう十分! 私生活までは頑張りたくない(笑)。それこそ休日は、大好きなカードゲーム関連で外出する日以外は、一歩も出ずに家でゴロゴロ。お昼を作って食べて寝て、夜起きてご飯を作って食べて寝て、夜中起きたらお風呂に入って寝ることも。日中は窓から差し込む光で生活していて、暗くなっても間接照明1個つけているだけなので、気がついたら真っ暗な空間で過ごしていることがあります。脳を休めようとかではなく、ただただ面倒くさいっていうだけなんですけどね(笑)。
お酒の席は好きなので誘われればもちろん行きますし、実はお酒もすごく強いんですけど(笑)、1人で晩酌はしませんし、正直、お酒自体はそんなに好きではないかも。実際にそこまで美味しいと思ったことがなく、だったらポンジュースを飲んだほうが何百倍も美味しい! と思ってしまうタイプ。
この前、友達に、『いい意味で周りに流されずマイペースだよね』といわれたことがあったんです。ちょっとしたことが気になる人とか、自分の中で受け入れることができずに、すぐストレスが溜まってしまう人がいるといると思うんですけど、僕の場合、どうしてそんなにストレスが溜まるのか分からない。例えば、いきなり殴られても、一瞬イラッとはしますが、何か相手に機嫌が悪かったり、殴りたい理由があったのかな、とか思うようにしていて。しかも大体翌日には忘れてしまっていると思うんです。ネガティブに考えすぎてしまうと、本当に落ち込んでしまうのが自分でも分かっているので、考えないようにしていたら、何事も“マイウェイ”な感じで突き進むことができるようになりました。
一時期は、SNSを見ながら一喜一憂していたこともありましたよ。ダイレクトにコメントが届くことはいい部分がある反面、悪い部分もある。でも、続けていくのであれば、もう自分が変わるしかない! と思って受け流すように意識したら、すべてにおいて前向きな気持ちで向き合えるようになりました。
疲れたな~と体が重くなったときは炭酸入浴剤の『バブ』を入れて入浴することがありますが、正直、どのくらい入っていればいいか分からない(笑)。せっかく入れたんだったら、とことんその効果を味わいたいので、『早く出たいな~』と思いながらも、動画を見ながら30分くらい入ることはありますが、基本はシャワーで済ますことが多いです。以前はサウナにも通っていましたが、否定的な意見も散見されますし、最近はちょっと面倒くさくなっちゃいました。まぁサウナに行かなくても、意外と深呼吸するだけでもすっきりすると分かりましたし。
髪型のこだわりですか? 2.5次元俳優“あるある”なんですが、かなりの確率でウィッグを被ることが多く、自分の髪のままでお芝居することが少ないんです。なので、僕の場合まったく気にせず好きなときに好きな髪型、好きなカラーをしています。『急に映像の仕事が入ったらどうするの?』とよく聞かれるんですけど、そのときは黒スプレーすればいいかなとか、現状の長さで最善の髪型にすればいいじゃん! と楽観的(笑)。ちなみに明日、切りに行く予定です!」
ストレス発散&趣味は「デジモン」のカードゲーム
舞台やビジュアルだけを見ていると、とても強そうなイメージがありますが、実際の武子さんは……?
「周囲はもちろん、ファンの方にもよく知られていますが、僕、かなりのカードゲームオタクなんです。休みの日は基本的に秋葉原か池袋でカードゲームしています! この前も幕張メッセでとある大会があって、64人中3位になりました。6回戦あって5連勝して、決勝で負けてしまいましたが(泣)。ポケモンカードもワンピースカードもやっていますが、今は断然、デジモンカードに夢中で、もっともっといろいろな人にこの面白さを知ってもらいたい。この前も俳優仲間の和田雅成君と電話で話していて、デジモンカードに興味を持ってくれたので、教える約束をしたばかりです。彼にポケモンカードを教えたのも僕だったので、さらにデジモンカードも一緒にできる日がきたら、最高ですね!
多忙の日々の肌ケアに欠かせない愛用品
「眉はメイベリンのファッションブロウ パウダーインペンシル N BR-1で描いています。高校生の頃から眉を整えるということはしていて、眉ペンシルも持っていたのですが、高校3年生のときに一度ガッツリ剃ってしまって。慌てて親に相談して、描くようになりました。顔が濃いから真っ黒で描くと強くなってしまうので茶色でボカすように書き足しています」
「スキンケアは、朝はぬるま湯で洗顔後に、夜は入浴後に化粧水と乳液をつけています。化粧水はイプサのザ・タイムR アクアを手で押さえるように入れ込んで、乳液はアルジェランのモイストクリア スキンミルクを。スキンケアコスメを使い始めたのは2〜3年前からで、それまで特にしていませんでした。吹き出ものが治りにくくなったり、お芝居で表情筋をよく使うせいか額にシワができるようになったのがきっかけです。最初は価格の高いものなどいろんなものを使ってみたんですが、肌に合わないものも多く、これに落ち着きました。ちなみに、あまり外出しないので日焼け止めは夏でも塗りません」
「舞台のときに使っているベースメイクコスメです。下地はコスメデコルテのラクチュール カバリング ベース BB N 02。BBクリームとしても使える下地です。コスメはあまり詳しくなくて、以前は下地は使っていなかったんですが、メイクさんに使った方がいいと教えられて、前々から現場でよく耳にしていたコスメデコルテのコレを購入。持っていると『コスメデコルテ使ってるの⁉︎』と周りから褒められることが多くて、“あ、これはいいものなんだな”とちょっと優越感に浸れます(笑)。ファンデーションは、最初の頃は違うものを使っていたんですが、もっとこだわりたいなと思い、表参道のショップでMiMCのミネラルリキッドリーファンデーション 104を勧められたので使っています。粉は下地と同じく、コスメデコルテのフェイスパウダー 11。コスメ情報は、休日にコスメキッチンなどに行って店員さんにアレコレ教えていただいたりします」
最初は舞台俳優になるのが怖かったし、できるわけない! と思っていた
いろいろな作品に出演されている武子さん。2.5次元俳優になるきっかけは?
「僕が2.5次元の作品に初めて参加した頃は、すでに2.5次元舞台というジャンルが確立されていました。足を踏み入れるつもりはありませんでしたが、今のマネージャーさんと出合い、映像しかやったことのない僕に、『舞台の世界にも触れてみたほうがいいよ』とアドバイスしてくれたのがきっかけで挑戦してみることに。でも最初はいやいやで(笑)。なんていうんですかね、やっぱり触れたことのないものってちょっと恐怖心があるというか……。今も地元の友達や親戚に『よくあれだけのセリフやダンスを覚えられるね!』と驚かれるんですけど、実際に演じている僕もそう思っていて。『あんなの絶対できるわけないじゃん!』と思いつつも、毎回なんとかやりきれていますし、やったらやったで身に着くものだと今は実感しています。
舞台と映像って大まかには一緒だけれど、カメラワークで芝居をするか否かの違いはあると思っています。映像だと、表情筋や瞬き、アイレベルなどを意識することが多い一方、舞台は体全体に関わってくる表現が多く、舞台からはけても2秒くらいは背中で演じ続けるようにしています。映像は編集することができますが、舞台は360度全方位から見られているので、映像とはまた違う緊張感が走ります。
映像も舞台も頭の中での組み立て方は一緒なんですが、神経の入れ方みたいなのが変わるというか。舞台では特に歩き方に細心の注意を払っています。自分の頭の中で、こういう役だったらこういう風に歩くのかな、この役なら手をぶらぶらさせながら歩くのかなとか。歩く演技ってその人の性格が一番出ると思っているので、こだわるようにしています」
「役者のすごいところって、台本を読みながらどんどんイメージを膨らませられること。その想像もすべては、自分の頭の中、心の引き出しの中に入っているものなんですよね。
その中でもやっぱり難しいのは、等身大の役。クールな役は抑揚が少ないので、結構うまく見えたり、元気な役や元気すぎる役も大きく演じればそれっぽく見えるので演じやすいんです。ありのままの自分を演じるというのは、何をもって等身大なのかってことがとても難しくて、自分のことを分かっているようで、意外と見せ方が分からなかったり。かっこつけるのも自分ですし、ふざけてるのも自分ですし、その塩梅を芝居で見せるってなかなか難しいなと、芝居にのめり込めば込むほど、面白さや難しさを実感する日々です」
「セリフ覚えはめちゃくちゃ早くて、ひたすら台本を読み込みます。まず感情は無視して、セリフだけを頭に叩き込んで、稽古の時に感情のピースをはめていくのが、舞台の醍醐味かなと思っています。舞台はそのために稽古期間があるので、それがすっごく楽しくて。なので、パターンを決め込んで覚えてしまうと、キャラクターが広がらなくなってしまうので、監督や演出家の要望に応えながら、“自分らしさ”を出していきたいんです。そう考えると、ある程度ラフな状態でセリフを覚えていくのが最善策なのかなと思っています。
料理もそうなんですが、最初はひと手間ひと手間が面倒くさいと思っていましたが、コツコツと毎日繰り返していくうちに、それが当たり前になり、いつの間にかルーティンに。いまでは全く苦ではなくなり、ただただ幸せを供給するための作業になっています。食材を選び、料理に合うようにカットして、味付けをして盛り付けるという一連の流れは、どこか役者という仕事に通ずる部分があると思うんです。これからも料理のレパートリーを増やすように、小さな経験を積み重ねて、演技の幅が広い役者を目指していきたいです」
演劇界の若手⻤才クリエイター陣×多彩な俳優陣が結合。5/7から “新時代”を宣言する2.5次元舞台「Experimental Theater『結合男子』」に出演
Experimental Theater『結合男子』
原作/『結合男子』(SQUARE ENIX)
演出/松崎史也
脚本/三浦 香
©︎ SQUARE ENIX/Experimental Theater 「結合男子」製作委員会
2023年に発売し、瞬く間に話題沸騰となったスクウェア・エニックス原作のゲーム、 友情結合シミュレーションアドベンチャー『結合男子』が初の舞台化。元素の力を宿す10人の志献官たちが、万物を呑み込み虚無へと還す『デッドマター』 から世界を救うため、命をかけて戦う物語。武子さんは清硫十六夜役を演じる。
演出は、 MANKAI STAGE『A3!』シリーズや、「チェンソーマン」ザ・ステージ、現在上演中 の舞台「桃源暗⻤」など数々の2.5次元作品に新風を吹き込み、斬新な演出で原作の世界観を 見事に表現することで、 原作ファンからの信頼がもっとも厚い演出家の一人である2.5次元界の⻤才松崎史也。脚本は、ミュージカル『テニスの王子様』4thシーズンや「ブルーピリオド」The Stageなど 大人気タイトルの舞台化で脚本と演出を担当し、独自の世界観でファンを魅了し続ける新進気鋭のクリエイター三浦 香。振付は、松崎史也が“これが令和の振付家”と絶賛し、ミュージカル『刀剣乱舞』シリーズや数々 のアーティストたちに振付を提供する、福澤 侑が率いる、新鋭の振付集団 REX(福澤 侑 Daiki 皇希)。総勢14名のダンサーが出演しかつて無いステージングを展開。若手天才クリエイター陣を先導する製作陣には2.5次元俳優界のトップランナー・荒牧慶彦が S-SIZE、TBS、SQUARE ENIXのプロデューサー陣と共に参加。Experimental Theater『結合男子』の繊細な世界観とストーリーを、壮大なスケールで描き、2.5次元界の新たな可能性を切り開く。
ジャケット ¥21780/HIDEAWAYS トラックジャケット ¥12980、トラックパンツ¥9900/soerte その他/スタイリスト私物
撮影/谷口 巧 ヘア&メイク/油屋喜明 スタイリスト/矢部義浩(wing star) 構成・文/佐藤 梓 企画/有住美慧(MAQUIA)
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