「MAQUIA」3月号のMAQUIA BOOK in BOOKは『肌・心・体に効く悩み別美鍋レシピ』! 「薬膳」の考え方をベースにした、冬におすすめの具材をご紹介します。
\ 具材を選べば不調も整う! /
肌・心・体に効く 悩み別美鍋レシピ
冬に食べたい鍋の具材
今回ご紹介する鍋は「薬膳」の考え方がベース。身近な食材にも様々な効能があり、冬ならではの選び方で効果を引き出せます。
教えてくれたのは…
美容薬膳研究家
ちづかみゆきさん
国際中医薬膳師。美をサポートする薬膳を提案。料理教室「meixue(メイシュエ)」主宰。著書は『暮らしの図鑑 薬膳』(翔泳社)。
冬は巡りをよくする食材、
温め食材、うるおい食材を
「食材がもつ効能を考えて料理に使い、不調を改善していくのが薬膳。東洋医学では、気(生命活動を行うエネルギー)・血(血液)・水(体液)の3要素がバランスよく巡っていることを健康な状態とします。このうち冬は、気と血が不足・停滞しがち。気が不足・停滞すると風邪をひいたり、体が冷えやすくなり、血が不足・停滞すると冷えや肌の乾燥、婦人科系の不調の原因にも。ですから気や血を補ったり、巡らせたりする食材を摂るのがおすすめです。また、東洋医学では臓器を心、肺、脾、肝、腎の五臓に分けますが、冬は特に腎が弱ります。腎は成長や発育、生殖機能を司るので、腎が弱ると老化が進んだり、ホルモンバランスが乱れることに。腎を補う食材も積極的に摂りましょう」
うるおわせる
「湿度が下がる冬は肌が乾燥しがち。また、血が不足すると体のうるおいが足りなくなり、肌がより乾燥しやすくなります。これを予防・改善するには、血を補う食材を摂るのが効果的。たとえば、血を補い、肌にうるおいを与える食材には、豚肉やほうれん草があります。そのほか、肺をうるおして乾燥を防ぐ働きがある長芋や、くるみやアーモンドなどのナッツ類のほか、小松菜やイカ、カニなどもおすすめ」
巡りをよくする
「冬に血の巡りが悪くなると、余計に体が冷えやすくなるうえ、肩こりや生理痛、生理不順なども生じやすくなります。予防のためには、ちんげん菜やいわしなど血の巡りをよくする食材を取り入れましょう。また、気の巡りが悪くなると血の巡りも悪くなるので、気の巡りをよくする食材も同時に摂りたいもの。柑橘類、パプリカのほか、バジルやパクチーといったハーブ類などに気の巡りをよくする効果があります」
温める
「体が冷える冬は、温め作用のある食材を意識して摂りましょう。気や血を巡らせ、体を温める作用があるニラや長ねぎ、たまねぎなどがおすすめです。また、花椒(中華料理に使われる香辛料)やこしょう、唐辛子、シナモン、八角、しょうがなどの薬味やスパイス類には“陽”を補う働きがあるとされ、体を温めるので鍋の調味料として最適。そのほか、かぼちゃやまぐろも体を温める効果があります」
冬こそおすすめ(補気・補腎)
「気が不足すると体の抵抗力が失われて風邪をひきやすくなったり、血の巡りを悪くする原因になるので、気を補う“補気”作用をもつ食材を意識して摂りましょう。鶏肉や豚肉、しいたけなどのきのこ類、たら、ぶりなどの食材があります。また、冬は腎が弱りやすいので、黒ごまやブロッコリー、ラム肉など、腎を補う“補腎”作用があるものも摂りたいですね。鶏肉や豚肉は補気だけでなく補腎作用もあります」
MAQUIA 3月号
撮影/豊田朋子 橋口恵佑 スタイリスト/洲脇佑美 レシピ・料理製作/ちづかみゆき 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA)
【MAQUIA3月号☆好評発売中】