さつまいもがおいしい季節。甘くておいしいさつまいもは、太りそう……というイメージがあるかもしれないけれど、実は、食べ方次第で、ダイエットの強い味方になるとか。そこで、さつまいもダイエットのポイントやおすすめレシピまでを、おいもクリエイターとしてSNSでも人気のえなりんさんに教えていただいたので公開! 

さつまいもダイエット サツマイモ サツマイモレシピ えなりん

教えていただいたのは……
えなりんさん

おいもクリエイター

えなりんさん

1997年⽣まれ。管理栄養士。レシピ動画プラットフォームでフードプランナーとして企業とのタイアップやレシピ開発、テーブルスタイリング、料理教室講師などを行う。現在はSNSを中心に、 “おいもクリエイター”としても活動。さつまいも・じゃがいもを使ったオリジナルレシピの考案や、焼き芋専門店のメニュー開発などを通じて、体にやさしく、おいしさにもこだわった料理を多数発信。

さつまいもはなぜダイエットにいい? 太りにくいって本当?

さつまいもは「準完全栄養食」。むくみ・便秘太りの改善もサポート

さつまいもは、実はダイエットにいいと話すのが、おいもを食べながら8kg痩せに成功したえなりんさん。


「さつまいもは、“準完全栄養食”と言われているほど栄養素が豊富。抗酸化作用があるビタミンCがりんごの4倍程含まれ(※皮付き可食部100gあたりで比較)、ビタミンE、ポリフェノールのクロロゲン酸が含まれます。また、むくみ解消につながるカリウムの他、カルシウム、マグネシウム、鉄、亜鉛を含み、日本人に不足しがちなミネラルが摂れます。便秘改善を助ける食物繊維も豊富。さつまいもの食物繊維は、水溶性食物繊維と不溶性食物繊維が1:2の理想的なバランスで含まれているのも特徴です。さらに、ヤラピンという成分も含まれているので腸の蠕動運動を促進し、食物繊維との相乗効果で便秘解消に役立ちます」(えなりんさん・以下同)

さつまいもダイエットのポイントは?

冷やして食べると血糖値が上がりにくく太りにくい!

「さつまいもには『レジスタントスターチ』というデンプンが含まれています。このデンプンの量は温かい状態よりも冷めている状態のほうが豊富。食物繊維と同じような働きがあり、GI値を抑え、腹持ちがよいという報告があります。また、腸内でレジスタントスターチが善玉菌の餌になり、腸内環境を整える作用があるといわれています。そのため、食べる量だけではなく“食べ方”を意識し、焼きいもなら冷やしてから食べる、料理に使うならマリネなど冷やす料理にするのがおすすめです。品種によっては糖度がかなり高いものもあるので、そういったものを選べば、砂糖を使わなくても極上のスイーツとしても楽しめますよ」

ダイエットにもおすすめのさつまいもレシピ3選

えなりんさんおすすめの、ダイエットをサポートしてくれるさつまいもレシピをご紹介。おいしくてヘルシーなので、さっそく作って秋の味覚を堪能して。

1. さつまいもとにんじんのきんぴら

さつまいもとにんじんで作るきんぴら。にんじんには、ビタミンA(β-カロテン)が多く含まれています。ビタミンAは脂溶性で、油と一緒にとると体への吸収率がアップ。ごま油で炒めているので、ビタミンAを効率よく摂ることができます。栄養素は皮にも含まれるので、さつまいももにんじんも皮ごと使用。根菜どうしの組み合わせなので腹持ちがよい一品です。さつまいもとにんじんの自然な甘みを感じる、優しい味わいのきんぴらです。ゆずこしょうが隠し味になり、ほんのりとスパイシーさも。作り置きして冷蔵保存し、冷えたまま食べるのもおすすめ。

サツマイモとにんじんのきんぴら さつまいもダイエット

材料(2〜3人分)


さつまいも...1本(約170g)
にんじん…1/2本 (約170g)
ごま油…大さじ1
しょうゆ…大さじ1
みりん…大さじ1
ゆずこしょう…小さじ1/4
白いりごま…大さじ1くらい

作り方


①さつまいも、にんじんは皮付きのまま千切りにして、ごま油でしんなりするまで炒める。
②さつまいもがやわらかくなったら、しょうゆ、みりんを回しかけて炒める。ツヤが出て水分が飛んだら、ゆずこしょうを混ぜ合わせる。
③白いりごまを指でひねりながらかける。

2. さつまいものくるみ味噌

さつまいもをくるみ味噌で和えた一皿。さつまいもにはタンパク質と脂質が少ないですが、くるみと味噌とごまには良質のタンパク質と脂質が含まれるので、よい組み合わせ。栄養バランスを整えるのに食事に取り入れるとよい8つの食材の頭文字をとって、「まごわやさしいよ」という言葉があります。「ま」は豆類、「ご」はごまなどの種実類、「わ」はわかめなどの海藻類、「や」は野菜、「さ」は魚・海老などの魚介類、「し」はしいたけなどのきのこ類、「い」はいも類、「よ」=ヨーグルトなどの発酵食品を指しています。このさつまいものくるみ味噌には、このうちの「ま」=豆類(味噌)、「ご」=ごま、くるみ、「い」=いも類、「よ」=発酵食品(味噌)という4つを摂ることができる優秀なメニュー。作り置きしておくと、副菜として気軽に加えることができ、カラダ想いの食習慣が続けやすくなります。また、冷やして食べるのでレジスタントスターチを多く摂ることができ、血糖値が上がりにくく腹持ちがよいのもうれしい点。ごまと味噌のほどよいコクとさつまいもの自然な甘み、くるみの歯応えが絶妙なハーモニーを奏でる、ほっこり癒される味。甘すぎずホクホク食感が特徴のさつまいも(紅さつま、紅あずま、なると金時など)を使って作るのがおすすめ。

サツマイモのくるみ味噌 さつまいもダイエット

材料(2〜3人分)


焼きいも…皮付き300g(蒸したりフライパンで焼いたものでもOK)
くるみ(無塩、生くるみがおすすめ。素焼きタイプでも◎)…40g
白すりごま…10g(大さじ1〜たっぷりがオススメ)
A 味噌…大さじ2
  本みりん…大さじ2
  はちみつ…大さじ1
  しょうゆ…小さじ1(〜大さじ1/2)

作り方


①くるみを刻んでボウルに入れ、Aを加えて混ぜ合わせる。電子レンジ(600W)で50秒ほど加熱する。いったん取り出してかき混ぜたら、再度30秒ほど、様子を見ながら加熱する。
②①のみりんのアルコールが飛び、全体的にとろっとしたら、乱切りにした焼きいも、白すりごまを加え、よく和える(味噌の塩分量は商品によって変わるので、味を見てしょうゆの量は調整を)。


サツマイモレシピ  サツマイモのくるみ味噌の作り方 さつまいもダイエット

<POINT>


さつまいもは皮ごと乱切りにして、調味料、白すりごまとよく和えて。

冷やし焼きいも

冷やして食べる焼きいも。レジスタントスターチが摂れるので血糖値が上がりにくく、ダイエット中のおやつにぴったり。糖度が高いさつまいもを使うのがおすすめ。よく売られている品種の中では、甘みが強くしっとり食感の「紅はるか」や「シルクスイート」などが◎。冷やしてもしっとり、ねっとりとした食感はそのままで、深い甘みが楽しめる天然のスイーツです。


ちなみに、いも掘りをして採ったばかりのさつまいもは糖度が低めなので、2ヶ月ほど置いておくのがおすすめ。糖度が上がり、甘くなります。

サツマイモレシピ 焼き芋 さつまいもダイエット

材料(作りやすい分量)


さつまいも(糖度の高い品種)……5本

作り方


①さつまいもを洗って、両端を切る。アルミホイルに包まずに焼くと、皮がパリッと仕上がり、包んで焼くと皮がしっとり仕上がるので、好みで選んで。
②天板に並べて、余熱なしでオーブン(160℃)で1時間加熱。1時間経ったら、ドアを開けずにそのまま30分ほどおく。触ってみて焼き加減をみて、足りなければもう1時間加熱し、再び30分おく。焼き上がったら、ラップに包んで冷蔵庫で保存。冷たくなったらいただく。その日のうちに食べないものは冷凍庫で保存するのがおすすめです。

焼き芋  サツマイモ さつまいもダイエット

<POINT


さつまいもは太さによって加熱時間を調整してください。1時間焼いて、30分程そのままドアを開けずにおいておき、焼き加減を見て、足りないようなら追加で30分、様子を見ながら焼くようにしましょう。長時間ゆっくりと低温で加熱することで、甘さが存分に引き出され、おいしく仕上がります。1時間と2時間では仕上がりが変わるので、お好みの焼き加減を見つけてみてくださいね。


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えなりんさん著書

SDP©

『どんな食材とも相性抜群! おいもだらけのレシピ』
¥1650/SDP

えなりんさんの初のレシピ本。家庭で毎日作れる”さつまいも”と”じゃがいも”の絶品レシピを80品掲載! さらに、おいもの種類や選び方、調理方法など知っているようで意外と知らない基本情報も盛りだくさん。

撮影/佐々木美果 スタイリスト/豊島優子 取材・文/和田美穂 構成/有住美慧(MAQUIA)撮影協力/UTUWA

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