紫外線が強くなる夏は、シミが増えないか心配な季節。そんなときの強い味方なのが、ビタミンC。ビタミンCと言えば、最強の美容栄養素としておなじみだけど、スキンケアはもちろん、毎日の食事でもたっぷり摂りたいもの。そこで、ビタミンCをしっかりチャージできて、短時間でパパッと手早く作れる朝ごはん4品を、SNSなどで大人気のぐっち夫婦が提案。これで、夏も美肌で過ごせること間違いなし!
「日々の暮らしを楽しく美味しく。ちょっとおしゃれに」をモットーに、食を通して日々の楽しい!のきっかけを届けられたらと、夫Tatsuya、妻SHINOの、夫婦でふたりで料理家として活動。メディアでの記事の執筆やレシピ開発、動画制作、イベント登壇などまで幅広く活躍。『お疲れ、乾杯。今夜は家呑み』(KADOKAWA)などレシピ本も。
出産を機にフリーランスの管理栄養士として栄養指導に従事。現在、栄養指導8000人以上、レシピ作成は数千点の実績を持つ。コラムの執筆のほか、フードコーディネーターとしてテレビ番組の調理コーナーへの出演や、ラジオ番組への出演など幅広く活躍。6次産業化プランナーとして新商品開発業務や、新商品開発のための講師活動も行う。
まずは、ビタミンCの効能や、効果的なとり方について管理栄養士の山本理江さんに伺いました。
Q.ビタミンCを摂った方がいい理由は?
「ビタミンCは皮膚の構成成分でもあるコラーゲンを作るときに必要で、美肌作りに欠かせません。シミの元になるメラニン色素が生成されるのを抑える働きもあり、シミ予防も助けてくれます。さらに、抗酸化作用が強く、紫外線やストレスなどによって発生する活性酸素を除去して体や肌をサビから守り、老化防止や病気予防もサポートします」(山本さん・以下同)
Q.ビタミンCを朝に摂るとどんなメリットがある?
「ビタミンCは、1度にたくさんとっても、尿として排出されてしまいます。ですから、朝、昼、晩とこまめに分けてとるのが効果的。また、ビタミンCは、紫外線を浴びたり、ストレスがかかったりすると、体で使われて失われていってしまうので、出かける前の朝にも補っておくのがよいのです」
Q.ビタミンCが豊富な食材って?
「ビタミンCが多い食材には、レモンやオレンジなどの柑橘類や、キウイ、いちご、トマト、ブロッコリー、パプリカ、ゴーヤなどのほか、じゃがいもやさつまいもなどのいも類にも多く含まれます」
Q.1日に必要なビタミンCの摂取量は?
「厚労省の日本人の食事摂取基準によると、成人のビタミンC摂取の推奨量は100mgとされています。多くとり過ぎた場合、体内から排出されてしまうので、摂取の上限はありません。ただ、妊婦さんや、授乳中の人、長く紫外線を浴びる仕事の人、ストレスが多い人などはビタミンCが減りやすいので、意識的に多めにとりましょう」
Q.ビタミンCが多い食材を調理するときの注意点は?
「ビタミンCは、水に溶ける水溶性のビタミンなので、ゆでたり煮たりすると、汁に溶け出してしまいます。ですから、電子レンジで調理するか、ゆでたり煮たりする料理の場合には汁ごととるのがおすすめです。汁ごととれるスープは特にいいですね。それから、野菜や果物などは時間が経つほどビタミンCが減っていくので、できるだけ新鮮なうちに食べることもポイント」
Q.ビタミンCと組み合わせるとよい栄養素は?
「肉などのたんぱく質食材にはコラーゲンが多く、ビタミンCが多い食材と一緒にとると体内でコラーゲンの生成を助けてくれます。また、女性は鉄分が不足しがちですが、ビタミンCは、鉄分のうちでも野菜に多く含まれる非ヘム鉄の体への吸収率を高めてくれるので、小松菜やほうれん草など鉄分が多い野菜と一緒にとるのもおすすめ。また、ビタミンEは、ビタミンCと同じく高い抗酸化作用があり、体内でビタミンCが使われて酸化したときに、元に戻す作用がありますし、ビタミンCにもビタミンEが酸化したときに、元に戻す力があり、一緒にとることで相乗効果があります。ビタミンEは、アーモンドなどのナッツ類や、植物油、かぼちゃなどに豊富なので、組み合わせてとるとよいですね。そのほか、ビタミンCは、脂肪の燃焼を促すL-カルニチンという成分の合成を助ける働きも。L-カルニチンは羊肉や牛肉など赤身肉に多いので、組み合わせると脂肪燃焼を助けてくれます」
いつものヨーグルトに一工夫!
2種キウイのオートミールヨーグルト
【このレシピで摂れるビタミンCは66mg】
今、大人気のオートミールをヨーグルトにミックスし、ビタミンCが多いキウイをトッピング。ブルーベリーもビタミンCを含有。
【材料】1人分
キウイ(緑)…1/4個
キウイ(黄)…1/4個
ブルーベリー…5個
【A】
ヨーグルト…50g
はちみつ…10g
オートミール…20g
牛乳…50ml
【作り方】
①カップなどに【A】を入れ混ぜ、10分ほどおいてなじませる。
②キウイは5mm幅のいちょう切りにする。
③①を器に盛り、キウイ、ブルーベリーを盛る。
【ポイント】
黄色のキウイは、緑のキウイよりさらにビタミンCが豊富。食物繊維が多いオートミールと、乳酸菌がとれるヨーグルト、オリゴ糖がとれるハチミツで、腸も元気に。フルーツとハチミツの自然な甘みを感じる優しい味わい。オートミールは、ヨーグルトと牛乳を加えて、一晩漬け込んでおいてもOK。
トーストにのっけて焼くだけ!
ハニーレモントースト
【このレシピで摂れるビタミンCは30mg】
レモンのスライスを敷きつめた、ビタミンCたっぷりのトースト。甘酸っぱく爽やかな味わいで、1日のスタートにぴったり。
【材料】1人分
山形食パン(6枚切り)…1枚
レモン…1/2個
バター…5g
はちみつ…小さじ1ほど
ミント…適量
【A】
砂糖…大さじ1
水…大さじ1
【作り方】
①レモンはよく洗い、5mm幅のいちょう切りにする。
②耐熱ボウルに①のレモン、【A】を入れ混ぜる。ふんわりラップをし、電子レンジ600Wで1分半加熱し、粗熱を取る。(吹きこぼれないよう、深めの耐熱ボウルの使用がおすすめです)
③パンにバターを塗り、②のレモンをのせて、シロップも少量かける。トースターに入れ、焼き色がつくまで焼く。
④仕上がりにはちみつをかけ、ミントを飾る。
【ポイント】
ビタミンCが豊富なレモンを1/2個使っているので、この1枚で1日に必要なビタミンCの1/3強をチャージできる。レモンは砂糖に漬けて加熱しているうえ、仕上がりにはちみつをかけるので、甘酸っぱくてスイーツ感覚で食べられる。
電子レンジで簡単調理!
ブロッコリーとトマトのコンソメスープ
【このレシピで摂れるビタミンCは43mg】
ビタミンCを多く含むブロッコリーとトマトを使ったスープ。ミックスビーンズ入りで歯ごたえもよく、満足感の高い一皿。
【材料】1人分
ブロッコリー…20g
ミニトマト…3個
ハーフベーコン…1枚
ミックスビーンズ…20g
コンソメ(顆粒)…小さじ1/2
水…150ml
塩・こしょう…各少々
【作り方】
①ブロッコリーは小さめの小房に切る。ミニトマトはへたを取る。ベーコンは1cm幅に切る。
②耐熱性のスープ皿やマグカップなどに、水、①のブロッコリー、ミニトマト、ベーコン、ミックスビーンズ、コンソメを入れる。電子レンジ600Wで2分半加熱する。(※ブロッコリーが硬い場合は追加加熱をする)
③塩・こしょうで味をととのえる。
【ポイント】
スープなので、ブロッコリーやトマトから溶け出したビタミンCをそのままとれるから◎。ミックスビーンズからは食物繊維、ベーコンからはたんぱく質を補うことができる。野菜や豆の素材の自然な風味に、ベーコンのうまみが加わり、おいしさがアップ。
カットして混ぜるだけ!
パプリカとサラダチキンの和えサラダ
【このレシピで摂れるビタミンCは102mg】
ビタミンCが多い2色のパプリカをたっぷり使った彩り豊かなサラダ。この一皿で、1日に必要なビタミンCをチャージ可能!
【材料】1人分
パプリカ(赤)…30g
パプリカ(黄)…30g
きゅうり…20g
サラダチキン…50g
パクチー…1〜2本
【A】
オリーブオイル…小さじ1
酢またはホワイトビネガー…小さじ2
レモン汁…小さじ1
塩・こしょう…各少々
【作り方】
①パプリカ、きゅうり、サラダチキンはそれぞれ1cm角に切る。パクチーは1−2cmのざく切りにする。
②ボウルなどに【A】を入れ混ぜる。
③①のパクチー以外を加えて和え、パクチーをのせる。仕上げにオリーブオイル適量(分量外)をかける。
【ポイント】
赤と黄、2種類のパプリカを使用。黄パプリカより、赤パプリカのほうがよりビタミンCが多い。トッピングのパクチーや、ドレッシングに加えたレモン汁からもビタミンCを補える。また、サラダチキンも加えているので、たんぱく質の補給にも。オリーブオイルからは、ビタミンCの働きを助けるビタミンEがとれる。
撮影/佐々木美果 スタイリング/竹中紘子 取材・文/和田美穂 企画・構成/織田真由(MAQUIA ONLINE)
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