脳内で自分にかける言葉を変えるだけで痩せスイッチが入る――ダイエット成功者が使っている魔法の言葉を、脳科学者の西 剛志先生が徹底解説! 今すぐ取り入れて痩せモードになって。

脳がみるみる痩せモードになる
ダイエットに効く
魔法の言葉

脳科学者
西 剛志先生
東京工業大学大学院生命情報専攻修了。特許庁を経て成功する人の脳科学的なノウハウを提供するサービスを開始。講演会やメディア出演多数。『世界一やさしい自分を変える方法』(アスコム)など著書多数。


万年ダイエッター
おはぎ
マキアエディター。「痩せたいな〜」が口癖だけれどダイエットが続かず、すぐ挫折しがち。
ダイエットが成功する人、
しない人の違いって?
ダイエットしなくちゃと思っているのについ食べてしまうエディターおはぎに救いの手が! 脳科学者の西 剛志先生によれば、ダイエットを成功させる魔法の言葉があるそう。
「人が1日に30〜40万回行う脳内トークを変えれば、ダイエットは必ず成功しますよ。私自身も、正しい言葉がけをすることで、しっかり食べながら10kg痩せました」
この時のポイントは、脳のクセを利用すること。たとえば「食べちゃダメ」と我慢すると脳の背外側前頭前野にストレスがかかり、さらに食べてしまうことに。ところが、脳には“命令されると逆をやりたくなる”という性質があるので、「食べてもOK」と自分に許可を出すとダイエット効果が上がるそう。
「これは実験でも証明されていて、“なんでも好きなだけ食べていい”という環境で子どもたちを1週間過ごさせたところ、最初こそお菓子を食べまくっていたけれど次第に欲さなくなり、1週間後も体重はまったく変わらなかったという報告があります。マウスのダイエット実験でも、週に1度のチートデイをもうけたマウスのほうが痩せたという報告があるほど。我慢してストレスを溜めるより、時にカロリーを入れるほうが〝続くダイエット〟になります」
“食べても太らないと思って食べればOK”という人がいるけれど、脳科学的には正しいのだとか。
「ホテル清掃の仕事をしている人たちを2つのグループに分け、1つのグループには“清掃ってカロリーを消費するから健康になるし痩せるんですよ”と説明する。1カ月後、説明を受けたグループは体重、体脂肪率、BMIすべてが低下していたんです。人によってはくびれができるレベルで、思い込みが体の状態に与える影響はすごいと話題になりました」

なんで食べてしまったんだろう? と自分を責めてどんどんマイナスモードに。「私ってダメね…と“悲劇のヒロイン”になってしまうとダイエットは絶対に失敗します」(西先生・以下同)

いきなり“5キロ痩せる!”などと大きな目標を立てないこと。最初こそモチベが高くても、その状態は続きません。かけ離れた、達成できない目標ではドーパミンが出ず脳がその気にならないので注意!
脳のクセを利用すれば
自然と痩せ体質に!
ダイエットで厳禁なのは「また食べちゃった…」と罪悪感を抱いて自分にダメ出しをすること。脳にストレスがかかるとさらに食べたくなり、もっと食べたい!となってしまうから要注意。
そんな負のループにハマりがちなおはぎに西先生が教えてくれたのが「客観的/現実的に考えるクセをつける」サードアイというテクニック。「私は食べたい」という主観にとらわれるのではなく、「おはぎは今、食べたいと思ってるんだね」と三人称で自分に言葉がけをしたり、「尊敬するあの人だったらどうするかな」と脳内トークを繰り広げることで、食べたい欲求やダイエットときちんと向き合えるように。
「これはダイエットに限らず、ものごとをうまく進めることができる人って客観視の天才なんです。自分の状況を客観視できれば満足遅延(目先の報酬よりもっと大きな将来の価値を優先すること)ができ、ダイエットでも仕事でも成功します」
そしてもう1つの大切なポイントは、無理や我慢をしないこと。ストレスを溜めず、楽しんで脳を喜ばせればダイエットは続くとか。
「罪悪感を持ちながらの食事はつい早食いになり、食べすぎてしまうわりに脳が満足しません。それよりも、食べたいんだねと脳に語りかけながら味わい、脳にたくさん快感を与えてください」と西先生。下記の魔法の言葉を活用して、いざ、楽しく成功するダイエットを!

何かを観ながらものを食べると、脳が視覚に集中して味覚がおざなりになるので、満腹中枢がうまく刺激できない状態に。映画館だとなぜか大量のポップコーンが食べられてしまうのも同じ理屈。食事量をコントロールしたいなら、動画を観ながらの“ながら食べ”はやめて、リラックスしながらゆっくり味わって。

ダイエットがうまくいかない人ほど“もったいない”と飲んだり食べたりしてしまう傾向が。あなたの胃袋はゴミ箱ではありません! 食べたいなら食べていいのですが、適正量を超えたと感じたら“もうお腹いっぱいなのでいらないね”と自分に語りかけるべし。
ダイエット成功の3カ条
1 禁止しない、楽しく食べる!
食欲を抑えようとすると余計に食べたくなるのが脳のクセ(心理的リアクタンス)。我慢するのではなく、美味しく味わうのが大切!
2 ダメ出ししない前向きに!
自分にダメを出すとそれがストレスとなってさらに食欲が加速。原因を追求するのはいいけれど、気持ちをプラスにもっていく方向で。
3 頑張らずにできることから!
ダイエットがうまくいく人は目標設定も上手。100%を目指すのではなく「まずは0.5kg減」など小さくて現実的な目標で達成感を。
あの人だったらどうする?
どうしても食べたい時、うっかり食べてしまった時。自分を責めるのではなく「(自分が尊敬する/憧れる)あの人だったらどうする?」と問いかけてみて。憧れの人が「なんで食べちゃったんだろう」とクヨクヨ落ち込む姿より、「美味しかった!明日も頑張れる!」とポジティブにしている姿が想像できるはず。
食べてもいいよ

脳はダメ出しに弱く、「食べちゃダメ」と思うほどに食べたい欲求が高まる性質が。「食べてもいいよ」とまずOKを出すほうが、食べ過ぎ抑制に効果的!
これを食べると健康になる
「これを食べたら太る」と思っている人のほうが太りやすいというデータが。「これを食べても太らない」「食べると健康になる」という脳内トークは、自然と痩せていく魔法のワード!
何が体重を増えさせたんだろう?
ダイエットに禁物なのが「なぜ?」という問い。その瞬間から「私の意志が弱いから…やっぱり私ってダメ」という責めモードにスイッチがオンに。そこで使いたいのが、「WHY」でなく「WHAT」を使って客観的になる、サードアイというテクニック。「ここ1カ月、運動不足だった!」などと冷静に分析でき、次のステップへと踏み出せます。
これ、着るのが楽しみ!

理想の服や痩せたら着たい水着、体型にフィットする服などを買うこと。この時、リーズナブルなものではなく、憧れブランドを選ぶのがポイント! 手に入れる手間やお金がかかったものは、脳が「これを絶対に着たい」と思い込むので、着ることを楽しみにダイエットが加速。
●●(名前)は食べたいと思ってるの?
食欲の神が舞い降りてしまったら、自分に対して名前で呼びかけてみて。「おはぎは今、食べたいと思ってるんだね」と三人称で呼びかけると食欲が自分から切り離され、フッと冷静になって「やっぱりいらないかな」と思う時が増えるはず。
お菓子は奥!

人間の脳には、手間がかかることを嫌がる性質が。とある実験で、デスク上の目につくところに置いたお菓子はつい食べてしまうけれど、引き出しの一番奥にしまうと食べる頻度が減ったというエビデンスが。食べ物と自分の間に距離を作ること!
食べちゃった。でも…!

「食べちゃった」「運動できなかった」「スカートが入らない!」など、ダイエット中はネガティブな気持ちになることがたくさん!そんな時には、すかさず「でも…」という魔法のワードをつけましょう。「食べちゃった…でも」と考えると、ポジティブな言葉をそこにつけ加えたくなるのが脳の面白いところ。「食べちゃったけど、先週は規則正しく過ごせたからチャラ!」といった形でポジティブに捉えられ、気分よくダイエットが続いて成功するそう。
MAQUIA 8月号
イラスト/腹肉ツヤ子 取材・文/高見沢さとこ 構成/萩原有紀(MAQUIA)
公開日:





























































































