二の腕のブツブツ＆ザラザラ。しぶとい「毛孔性苔癬」の対処＆治療法は？〈皮膚科医が解説〉

寒いわけではないのに常にトリ肌みたいにブツブツ、細かい凹凸が目立つ二の腕。最新のアプローチ方法を含めて、皮膚科医の先生に解説してもらいました。

「二の腕のブツブツやザラザラを訴える患者さんを診察すると、毛孔性苔癬であることがほとんど。皮膚疾患の一種で、毛穴の中に角質が溜まってしまう角化異常によって起こります。赤みや痒みなどの症状はないのが普通で、放っておいても問題はありません。ですが特に女性は見た目やザラつき感を気にして、治療を希望する人が多いですね」（土屋先生）

遺伝？ 乾燥？ なりやすい人の傾向は？
「毛孔性苔癬は遺伝が大きく関係していたり、乾燥肌やアトピー性皮膚炎、肥満も発症リスクのひとつと言われていますが、いずれも現時点では明確な答えは出ていません。世代別に見ると、最も目立ちやすいのが思春期～20代ごろ。その後は年を重ねるにつれて症状が落ち着き、40代くらいになるとほとんど目立たなくなるようです」（土屋先生）

症状が悪化しやすいNG要因は？
「とにかく摩擦は厳禁。気になるばかりにいじり過ぎてしまうと、炎症が起こることがあります。ナイロンタオルなどで、ゴシゴシ洗うのもNG。ボディスクラブも刺激になりがちなので、避けたほうがいいでしょう。熱いお湯も肌の乾燥につながるので、お風呂やシャワーの温度にも注意しましょう」（土屋先生）

●ピーリング
ゴシゴシ洗うのは逆効果だが、正しい方法でのピーリングは改善につながる。「肌のターンオーバーを促し、角化異常を防ぎます。クリニックでは自費診療で、サリチル酸によるケミカルピーリングを行っています。セルフケアなら、ピーリング効果のある石けんを使って、たっぷりの泡で包み込むように洗うのがおすすめ」(土屋先生)

●保湿ケア
毛孔性苔癬＝毛穴が詰まっているのでニキビのようにオイリー肌がなりやすいと思いきや、むしろ乾燥肌のほうがリスク大。「入浴後は必ず保湿を。セラミドやヘパリン類似物質など、保湿成分が配合されているものを選びましょう。クリニックでは角質の溶解を促す尿素が入った軟膏や、サリチル酸入りのワセリンなどを処方します。塗る量も重要で、使う保湿剤によっても変わりますが、目安としては人差し指の先から第一関節に取った量が、両手のひら分の面積の適量」(土屋先生)

●都市伝説!? レーザー脱毛も効果あり？
レーザー脱毛をきっかけに毛孔性苔癬が改善されたという声もあるけど、その理由は？「毛穴に毛が埋没している場合や、カミソリなどの剃毛処理で毛孔性苔癬が悪化している人の場合、レーザー脱毛も対処方法の選択肢のひとつになります。すべての人に有効なわけではありませんが、実際に症状が目立ちにくくなったという報告も挙げられていますよ」(土屋先生)

イラスト／爽あゆみ　取材・文／摩文仁こずえ　構成／佐藤 陽（MAQUIA ONLINE）
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