一歩一歩着実に成長を遂げ、日本映画界を牽引する存在となった山﨑賢人さん。大作の主演が続く今も纏う空気は軽やかで、どこか飄々としたムードが漂う。想像不可能な重責を担いながらも走ることを止めず今年30歳を迎える彼の、純粋かつ強靭な瞳に映る未来とは。
1994年9月7日生まれ、東京都出身。2010年に俳優デビューし、ドラマや映画など数々の話題作に出演。現在公開中の『ゴールデンカムイ』のほか、映画『陰陽師0』(4月19日(金)より全国公開予定)などの作品も控えている。
逆境もプレッシャーも力に変えて
山﨑賢人 ピュアな向上心
過酷な道を突き進むと乗り越える力が湧いてくる
「『ゴールデンカムイ』の杉元は、何事にも動じない人間。僕自身も座長を務める上で、できるだけ動じないことを心がけていました。一番大事なのは演技することだからこそ、そこでパワーを出せるように集中していましたね。なので、座長らしい言動は特にしていないんです。ただ、キャストのみんなとよくご飯には行ったかな。役柄的に鍛えている人も多かったので、「肉食べて筋トレして、撮影頑張ろうぜ!」みたいな部活ノリ(笑)。雪山のシーンやハードなアクションといった過酷な撮影が多かったけれど、大変なことを共有した人たちにしかない絆みたいなものが生まれた気がします。
実は個人的にも、過酷な方がパワーがみなぎる感覚があるんです。簡単にできたら面白くないし、大変なことがある方が乗り越える力が湧いてくる。それは仕事に限らず、普段の生活でも言えることかもしれません。きっと、元々めげない性格なんですよね。昔は緊張しない方法を必死で調べた時期もあったけれど、それで分かったのは何をしても結局緊張はするってこと(笑)。でも、できる限り準備をしておけば、プレッシャーはいい緊張へと変わる。これからも緊張を上手に活かしながら、楽しんでやっていけたら……と思っています」
役から離れた自分の時間をどう生きるかが今の課題
「今年の9月で30歳。仕事に関して少しずつでもステップアップしていきたいという気持ちはあるものの、実を言うと先のことはあまり考えていないんです。それより、目の前にあることを一生懸命にやることの方が自分には合っているのかな、と。決まっている未来の中で、役として生きていない自分の時間をどう過ごして、どう仕事に反映させていくかっていうことを考えています。ただ、映画を観るのは元々好きなので、わりとよく観ているかも。最近はもう少し趣味を広げようと思っていて、いろいろと試している最中。アウトドアが好きなので車やバイクに乗ってキャンプをしたり、サーフィンをちょこっとかじってみたり……。ソロキャンプにも興味があるけれど、今は知識がなくて。先輩たちに連れて行ってもらって、料理を含めていろいろと教わりたいですね」
INFORMATION
©野田サトル/集英社
©2024映画「ゴールデンカムイ」製作委員会
『ゴールデンカムイ』
2024年1月19日(金)全国東宝系にて公開
累計発行部数2700万部の大人気コミックを映像化。舞台は明治末期の北海道。元軍人の杉元佐一(山﨑賢人)を始めとするアクの強い登場人物たちが、埋蔵金を巡って繰り広げる争いを描く。杉元が出会った少女・アシリパ(山田杏奈)が教えるアイヌの風習も見どころに。
MAQUIA 3月号
撮影/酒井貴生〈aosora〉 ヘア&メイク/髙橋幸一〈Nestation〉 スタイリスト/伊藤省吾 〈sitor〉 取材・文/真島絵麻里 企画/萩原有紀(MAQUIA)
ジャケット¥418000、シャツ¥126500、パンツ¥220000、ブーツ¥159500、リング¥33000、ブレスレット(黒)¥33000、ブレスレット(シルバー)¥77000/サンローラン クライアントサービス(サンローラン バイ アンソニー・ヴァカレロ)
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