「MAQUIA」9月号では、さまざまな不調改善に役立つ食べ物をプロが解説。便秘やアレルギーなどには、身近なあの食べ物がすごい効果を発揮!
女性の困った!に食事で対応
美と健康のお悩みに効く食べ物
気になる肌のトラブルや、体の不調、実は栄養不足が原因かも! そんな悩みを食べ物で解決するワザをアドバイス。毎日の食事に取り入れて。
栄養コンサルタント
杉山明美さん
分子整合栄養医学管理士。法政大学非常勤講師。最新の著書『不調女子のカラダよろこぶ栄養BOOK』(徳間書店)が話題。
健康編
生理前の不調や、やる気のなさ、便秘、アレルギーなどさまざまな体の不調に効く食べ物をご紹介。身近なあの食べ物がすごい効果を発揮します。
良質な油は生理前不調の心強い味方
「免疫機能や神経系、血糖値、血圧などの調節に関わるコルチゾールというホルモンの分泌が乱れると、生理前不調の原因に。正常な分泌に必要なのが良質な油。亜麻仁油やしそ油などのオメガ3系の油や、オメガ9系のエクストラヴァージン・オリーブオイルを推薦」
(右)Alce nero 有機エキストラ・ヴァージン・オリーブオイル フルッタート 250ml ¥1259(左)biologicoils 有機アマニオイル 229g ¥1559/ビープル バイ コスメキッチン
肉食女子になって
やる気・集中力UP
「脳で作られるドーパミンやノルアドレナリン、セロトニンなどの神経伝達物質の分泌量が不足すると、やる気や集中力が低下。これらを作るにはたんぱく質とビタミンB群、鉄が必要。牛肉にはたんぱく質と鉄が、豚肉にはたんぱく質とビタミンB群が含まれるので、ステーキや生姜焼きなどを食べる肉食女子になりましょう」
キウイでお通じを良くする
「グリーンキウイ1個にはバナナ3本分の食物繊維が含まれ、腸内環境を整えて便の排泄を促進。朝より夜のほうが消化吸収力が高まるので夜に食べましょう。乳酸菌を含むヨーグルトにオリゴ糖を含むはちみつとキウイをのせて食べれば、腸大喜び!」
ストレス性下痢は
グルタミンを摂って改善
「アミノ酸の一種グルタミンは、腸のエネルギー源。ストレスが多いと体内のグルタミン量が減って下痢の原因になることも。肉類に多く含まれますが、胃腸を壊す下痢のときは食べづらいと思うので、サプリメントで補給することをおすすめします」
シンバイオティクス&
グルタミンでアレルギー改善
「食品のアレルギーは腸壁の細胞の隙間に本来は入ってはいけないものが入ることが原因。改善するには腸内環境を整え、腸壁を隙間のない状態に戻すことが肝心。善玉菌を含む発酵食品や、善玉菌のエサになる食物繊維などを摂って腸内環境の改善を。また、傷ついた腸壁の修復にはグルタミンが効果的。サプリメントで補って」
まぶたの痙攣(けいれん)には
ゴマが効く
「ストレスがあるとまぶたが痙攣(けいれん)するのは、“天然の精神安定剤”であるマグネシウムやカルシウムが、ストレスによって多く排出されてしまうから。そこで取りたいのがゴマ。ゴマは牛乳の36倍のマグネシウム、12倍のカルシウムを含有。ごはんなどにかけて毎日食べましょう」
キノコを食べていると
花粉症悩み軽減
「毎年、花粉症に悩まされるという人は、対策としてビタミンDを摂りましょう。ビタミンDは免疫力を高め、アレルギー症状の緩和によいとされています。ビタミンDはキクラゲや干しシイタケなどのキノコ類に多く含まれているので、積極的に摂りましょう。まだ花粉症になっていない人も予防的に摂るといいですよ」
疲れが取れないときは
豚肉を食べよう
「いつも疲れが取れず倦怠感がある場合は、ビタミンB1が不足している可能性があります。ビタミンB1は糖質をエネルギー源に変えるときに欠かせない栄養素。不足すると、ごはんを食べても糖質をエネルギー源に変えられないので疲れがたまってしまいます。ビタミンB1は豚肉に多いので、疲れたときに食べて疲労軽減を」
甘い物が無性に食べたくなるのは
腸内のカビのせい?
「腸に常在するカビの一種のカンジダ菌は甘い物が大好きで、過剰にとるとこの菌が増え、甘い物が無性に食べたくなります。糖質を過剰に摂ったカンジダ菌はアセトアルデヒドという、お酒を飲んだときに体内でつくられるのと同じ物質を作るので、二日酔いのように気分が悪くなる場合も。甘い物は控えめに」
風邪予防・早期回復には
やっぱりビタミンC
「風邪のウイルスを退治するのは白血球で、いち早くウイルスを捕まえて退治してくれます。この白血球の働きを強めて免疫力を高めたり、ウイルスを除去する働きがあるのがビタミンC。風邪の予防にも、早く治すのにもビタミンCは効果的なのです。パプリカやケール、パセリ、ブロッコリー、柑橘類などに多く含まれています」
青あざができやすい人は
コラーゲンの材料となる食材をとって
「青あざができやすい人は、コラーゲンの材料が不足しているのかも。不足するとコラーゲンを必要とする肌や爪、血管などが弱くなり、壁などにちょっと体をぶつけただけで血管が破れて内出血を起こし、青あざに。コラーゲン生成には鉄やたんぱく質、ビタミンCが不可欠なので、青あざができやすい人は積極的に摂ってコラーゲンを増やしましょう。食品では牛肉に多いですよ」
生理不順なら
おやつはナッツ
「生理不順やひどい生理痛がある場合、ビタミンEを摂るのが効果的。ビタミンEには生理周期を整えたり、排卵を促したり、ホルモンを調節する、血流をよくするなどの働きが。婦人科系のトラブル改善に役立ちます。ナッツに多く含まれ、特にアーモンドに豊富。おやつをナッツに変えてみましょう」
風邪をひいたら卵酒
「風邪に卵酒がいいというのは栄養的に正解。卵にはウイルスをやっつける抗体の材料になるたんぱく質が豊富。お酒で血流もよくなり、おろししょうがも加えればポカポカに。卵1個に砂糖大さじ2と、温めたお酒150mlを加えるだけ。甘みがほしい人ははちみつ大さじ1を加えて」
目の疲れを軽減する魚介類は赤色
「目の疲れには赤い色の魚介類に多く含まれるアスタキサンチンが◎。ビタミンの6000倍もの抗酸化作用をもち、目の筋肉に働きかけてピント調節機能をスムーズに。疲れ目が軽減します。サケやエビ、カニ、イクラなどに多く含まれます」
食欲がないときは大根
「食欲がないのは胃の消化酵素が十分に出ていないか、胃が働いていないせいでうまく消化ができていないから。そんなときによいのが大根。消化酵素が多く含まれ胃の消化を助けてくれます。すりおろすと細胞膜が壊れ、酵素の働きが2〜3倍に」
おしっこトラブルにはスイカ
「女性に多い膀胱炎や頻尿などのおしっこのトラブル改善にはビタミンCを。ビタミンCは尿を酸性にし、細菌を増殖しにくくする働きが。食品ではスイカがおすすめ。ビタミンCが多いだけでなく、スイカの約90%は水分なので尿量が増え、細菌を早く体外に排出できますよ」
ひっかき傷や虫さされが治りにくいのは
ファーストフードの食べ過ぎかも
「引っかき傷や虫さされが治りにくいのは亜鉛不足が疑われます。亜鉛が不足すると細胞の新陳代謝や再生がうまくいかず、皮膚の治癒力が低下。ファーストフードにはフィチン酸、レトルト食品にはポリリン酸という成分が含まれ、どちらも亜鉛の吸収を阻害します。こういった食品を摂り過ぎていると傷が治りにくいので注意」
朝の目玉焼きでめまい知らず
「脳に酸素を運ぶ役割をするのがたんぱく質で、不足すると頭位めまい症など一過性の立ちくらみが起こりやすくなります。たんぱく質は1食に20〜30g摂るとよいといわれますが消化力には個人差が。目安としては朝に目玉焼きを2個食べられればOK。最初は1個、次に2個に増やし、胃腸の不快感がなければ消化がうまくいっている証拠。めまいがある人は習慣に」
MAQUIA9月号
撮影/山下みどり スタイリスト・料理製作/竹中紘子 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA)
【MAQUIA9月号☆好評発売中】