美容も健康も結局、毎日口にするものが大事よね、とわかっちゃいるものの……なかなか完璧にはいかないのが日々の食生活。最近では、めっきり自炊生活が板についたけれど、気になるのは食事の偏り。パーソナルトレーナーならぬ、パーソナル管理栄養士がいたらどんなにいいかしらんと夢想していたところに、日本人に必要な33種類の栄養素がバランス良く摂取できる『完全メシ』発売の知らせが。 なにが完全なの？ そもそも美味しいの？ 気になり過ぎて、日清食品さんに話を聞きに行ってきました！
日清食品 ビヨンドフード事業部 マーケティング部 BtoCグループ ブランドマネージャー
金子大介さん
日清食品 ビヨンドフード事業部 マーケティング部 BtoCグループ マネージャー
清水文恵さん
そんな❝うまい❞話があるんですか、日清食品さん！？
オーバーカロリーや肥満、無理なカロリー制限による隠れ栄養失調が問題視されている現代人の食生活。特に20代の日本人女性の野菜摂取量は目標値の40％あまり不足しているというデータも。『完全メシ』誕生の背景には、そんな現代ならではの食の課題を解決したいという思いがあったそう。
「カロリー、塩分、脂質など、『日本人の食事摂取基準』によって設定された33種類の栄養素をバランス良く摂取できる商品の開発を始めました。しかし、栄養素をそのまま加えただけでは美味しくないので、続けて食べることができない。毎日の生活に取り入れてもらうためには、見た目も美味しさも普通の食事と変わらないものを作る必要がありました。栄養素だけでなく、❝美味しさと栄養のバランスが完全❞というコンセプトで『完全メシ』と名付けました」（金子さん）
必要な栄養素をすべて入れながら、味を追究するのは本当に大変な作業だったそう。
「栄養素の中には、苦味やエグみを持つものがあり、美味しさを損なわないようにするためには、それらをマスキングする必要がありました。また、塩分と油分が美味しさのポイントなんですが、これらを減らしながら美味しさを保つことにも苦心しました。麺を油で揚げずに、麺の表面に油を噴霧し熱風乾燥させることにより、ノンフライ麺でもフライ麺と同じような風味を出す技術や、麺の中心層の一部に小麦粉の代わりに食物繊維を使用することでカロリーを抑える技術、少量の塩でも塩味を感じさせる技術、麺の中心に栄養素をとじこめることで苦味やエグみをマスキングする技術など、これまで日清食品が即席麺で培ってきたフードテクノロジーを応用して開発したんです」（金子さん）
「完全メシ カレーメシ 欧風カレー」の栄養バランスを示した図。ブルーの線が「完全メシ カレーメシ」のデータ。たんぱく質・脂質・炭水化物の三大栄養素のバランスが整い、「日本人の食事摂取基準」で定められた33種類の栄養素も満たしている。注目すべきは右のデータの青い点。リンや鉄など、摂取上限がある一部の栄養素について、下限値100に対する比率で上限値を示しており、「完全メシ カレーメシ」に含まれるこれらの栄養素は上限値内に抑えられている。栄養素はたくさん入れればいいってもんじゃない。すべてのバランスを実現するのにどれだけの苦労が……。
こだわりぬいた味やいかに？ いざ、実食！
膨大なパズルのピースをひとつずつ埋めていくような地道な作業を経て、今年5/30に『完全メシ』がローンチ。誰でも手に取りやすい加工食品でありつつ、オケージョンに合わせて幅のあるラインナップとなった。
「一見すると❝健康からかけ離れたイメージ"のある『油そば』『カレー』を、栄養と美味しさのバランスが完全に整った「完全メシ」のメニューとして商品化する❞というギャップを狙いました。また、『日清ラ王』と『日清カレーメシ』という弊社を代表するブランドを使うことで、商品認知のスピードを速めることができると考えました。『完全メシ カレーメシ』は試作を繰り返すこと200回。お米と一緒に栄養素を炊き込むことで、米本来の美味しさを損なわずに栄養素を入れることに成功しています。通常の『日清カレーメシ』はビーフですが、こちらはコクのある欧風カレー。自信作です」（金子さん）
どんな味なんだろう……期待は高まるばかり。早速『完全メシ カレーメシ 欧風カレー』（左）と『完全メシ 豚辛ラ王 油そば』（右）をいただきます！
『完全メシ 豚辛ラ王』は、おなかをすかせた男子のみならず、昼時になるとどこからかカップ麺の香りが漂ってくる我が編集部でも大好評間違いナシ、な味！ ちゃんとパンチもあるので「無理して栄養バランス摂ってます」感はゼロ。カレー大好き人間としては、『完全メシ カレーメシ』のスパイス香る本格ルーとふっくらごはんのハーモニーがツボでした。２つとも、糖質オフや減塩フードにありがちな「物足りなさ」や、開発チームがマスキングするのに苦心したという栄養素の「苦味」「エグみ」も皆無。さらに、忙しい朝や時間のないときにささっと栄養をチャージできる『グラノーラ』や『スムージー』まであるんですか!?
「仕事に家事にと忙しい子育て中のママは、常に子供優先で、自分の栄養管理はもちろん、食事すら後回しにしがち。私自身もそうなのですが、その影響をはっきりと感じてしまう年齢になってきて……。カップ麺は手にとりづらくても、グラノーラやスムージーなら抵抗なく手にとっていただけるのではないかと考えてラインナップに加えました。❝とにかく手軽に、体の中から整えたい❞というニーズにもマッチすると思います」（清水さん）
「完全メシ 大豆グラノーラ 60ｇ」は、クリスピーなパフに、黒大豆とくるみの食感がアクセント。牛乳をかけずとも、この中に栄養素がＩＮ。個食タイプで間食にもオススメ。213円／日清食品
（左）完全メシ グリーンスムージー（右）完全メシ バナナスムージー 時間のない朝の味方に。とろみがあって腹持ちもよく、満足感あり。常温で保存可能。各375円／日清食品
「他企業とも協業し、さまざまなフードテックのプロジェクトも推進中です。自分に合った食事や食生活。❝食のパーソナライズ化❞は食品メーカーとしても課題です。まずは『行動変容なくして健康を目指せる』ことを『完全メシ』で実感していただきたいです」（金子さん）
「一日にキャベツ何個食べればいいのさ!?」とキレる前に…
人生100年時代。いつまでも、健康で、美味しく食べられる人生こそがＱＯＬを高めてくれるとわかっていても、自分で食生活を完璧に管理するのは至難の業です。「わかります。例えば、❝食物繊維が体にいい❞と言っても、一体、一日にキャベツ何個食べればいいんだ!?って話ですよね（笑）。そういうことを色々と考えるのが面倒くさい方にこそ、『完全メシ』を試していただきたいと思っています。実は、そうした思いをパッケージでも表現しているんです」（金子さん）
私たちの心の声を代弁してくださっていました（笑）。いや、まさにこういうことなんですよね。健康になりたいけれど、面倒くさいのはイヤ。そんなジレンマも解決してくれる食の未来……期待しかありません！『完全メシ』シリーズは今後もさまざまなカテゴリーで商品を展開していくそう。個人的に愛してやまない、『チキンラーメン』の『完全メシ』もぜひ作ってください！と金子さんと清水さんに念押しして、日清食品さんを後にしたのでした。
撮影／藤澤由加 取材・文／伊藤かおり（ＭＡＱＵＩＡ）
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