40歳を過ぎると眠りにまつわる悩みも増加。そこで睡眠のスペシャリストや医師が、Over40の睡眠の悩みにアンサー。対策を知って、ぐっすり眠ろう!
しなやかに変化を楽しむために。
Over40の“不調”どーにかしたい! 100問100答
快眠セラピスト
三橋美穂さん
睡眠のスペシャリストとして、講演、執筆、個人相談、コンサルティング、商品プロデュースなど幅広く活躍。
産婦人科医
福山千代子先生
MET BEAUTY CLINIC院長。婦人科と美容医療の両面から女性の健康と美をサポート。メディアでも活躍。
内科医・漢方専門医
陣内厚子先生
東京女子医科大学附属 東洋医学研究所 非常勤医師。現代西洋医学、東洋医学の両面から診療を行う。
ただ眠ることがこんなに大変になるとは…
睡眠の悩み
40代になると、寝つきが悪い、途中で目が覚めるなど、睡眠の悩みも増加。ぐっすり眠るには!?
Q.どうにも最近、眠りが浅くて困っています
A.女性ホルモンの減少による自律神経の乱れが原因です
「40代になると女性ホルモンの分泌量が減ってくることで、自律神経のバランスが乱れやすくなります。そのため、寝つきが悪くなったり、眠りが浅くなって途中で目が覚めたりするのです。また、加齢とともに活動量が減ることも眠りが浅くなる原因です」(三橋さん)
Q.眠りの浅さってどうすれば改善する?
A.寝る前の筋弛緩法で体の緊張を緩めて
「体が緊張したままだと眠りが浅くなるので、寝る前に“筋弛緩法”で緩めましょう。目を閉じて肩にギュッと力を入れて5秒キープし、ストンと脱力。次に腕、脚、全身の順で同様に行います。この方法は医療現場でも取り入れられているのでおすすめ」(三橋さん)
Q.最近いびきをかくようになった! どうして急に?
A.筋肉のハリが低下し、気道が狭くなるから
「女性ホルモンが減ってくると筋肉のハリがなくなってきて、舌の筋肉も衰えてくるので気道が狭くなり、いびきをかきやすくなります。また、口呼吸の癖があると口が開いて舌の付け根が落ち込むのでそのせいでも気道が狭くなり、いびきの原因に」(三橋さん)
Q.いびきをかかない方法ってある?
A.横向きに寝るか枕を見直してみて
「横向きで寝ると気道が圧迫されにくいので試してみて。また、枕が低過ぎても高過ぎても気道を圧迫していびきをかきやすくなります。枕は首のカーブが立ったときと同じ状態に保たれるものを選びましょう。ほかに舌を回して舌を鍛えるのもおすすめ」(三橋さん)
Q.明け方にどうしても目が覚めてしまう……
A.寝る前のスマホ、飲酒、カフェイン、夜食を止めてみて
「寝る前のお酒や、コーヒーや紅茶などのカフェインの強い飲み物、夜食は睡眠を浅くするので避けましょう。また、スマホのブルーライトには覚醒作用があり、眠りを浅くするので、寝る直前まで見るのは避けましょう。Q36の筋弛緩法も効果的」(三橋さん)
Q.寝つきの悪さを改善するおすすめのアイテムは?
A.目、首、お腹を温めるアイテム
「目や首、お腹を温めると寝つきがよくなります。特に目を温めると副交感神経が優位になるので、目の温めアイテムを取り入れるといいですよ」(三橋さん)
優しいタッピング刺激で目元ケアできるツール。ヒーター機能も。3Dアイマジックタッピング ゴールド ¥15400/ドクターエア
Q.寝つきの悪さを改善するには?
A.4:7:8呼吸
「呼吸が浅くなっていると交感神経が優位になって寝つきが悪くなります。まず息を吐き切り、4つ数えながら鼻から息を吸い、次に7つ数えながら息を止め、8つ数えながら口から息を吐き切ります。寝る前に4〜10回繰り返すと自然に寝つけるはず」(三橋さん)
Q.寝つきが悪くなるのは、結局、何が原因?
A.自律神経の乱れが大きな原因
「40を過ぎると眠りが浅くなる理由と同じく、女性ホルモンの減少によって自律神経のバランスが乱れることが大きな原因。朝起きたら太陽光を浴びるようにすると自律神経が整い、夜に眠気を誘うメラトニンも分泌されやすくなって寝つきがスムーズに」(三橋さん)
Q.体が凝ってなかなか寝つけない。寝る前におすすめのストレッチは?
A.姿勢をリセットする1分間ストレッチ
「現代人はパソコン作業をする時間が長いため、背中が凝り固まっている人が多数。寝る前に下図のストレッチをすると背中が緩んで呼吸も深くなり、寝つきやすく」(三橋さん)
バスタオルを筒状にし、仰向けで背中に縦に当て、両肘を曲げて20回外回し。手のひらを上にして腕を体側に置き、10回深呼吸。
Q.寝起きの体がいつもバキバキ!
A.マットレスや枕が合ってないのかも
「寝起きに体がバキバキなのはマットレスや枕が合っていない可能性大。体圧を分散させ、寝返りが打ちやすいマットレスを選んで」(三橋さん)
凹凸の表面が体を点で支えて体圧を分散し、スムーズな寝返りをサポート。ムアツ マットレス スタンダード ¥77000〜/昭和西川
Q.寝ているときに脚がつる!
A.脚の冷えやマグネシウム不足に注意
「寝ているときに脚がつる“こむら返り”の主な原因は、体が冷えているせいかマグネシウム不足、または筋肉疲労などです。寒い冬や夏に布団から脚を出して寝ていると、気温や体温が下がった明け方に脚がつりやすくなるので注意」(三橋さん)
Q.脚がつるのを防ぐにはどうすればいい?
A.脚を温める&ミネラルを補給する
「レッグウォーマーをつけて寝て冷えを防ぎましょう。マグネシウム不足が疑われるならサプリなどでミネラルを補って。筋肉疲労の場合は寝る前にふくらはぎのマッサージを」(三橋さん)
シルクで編んだレッグウォーマー。cocoonfit じんわりあたためる ふくらはぎウォーマー ¥2200/砂山靴下
Q.なかなか朝スッキリ起きられない……
A.目覚めに耳を引っ張ってみて
「スッキリ起きられないときは耳を引っ張ってみて。耳には100以上のツボがあり、特に耳たぶは頭部に効くツボがあります。引っ張ると脳が刺激され目が覚めます」(三橋さん)
目覚めたとき、耳たぶを下にゆっくりと3秒引っ張って、パチンッと離す。これを4〜5回ほど繰り返す。
Q.寝ている途中で目が覚めるほどの寝汗にビックリ!
A.まずは寝る前の甘いものを控えてみて。ホルモン補充療法も効果的
「血糖値が急激に乱高下する血糖値スパイクが起きると寝汗をかきやすいとも言われているので夜の甘いものを控えてみて」(三橋さん)、「更年期になると自律神経のバランスが乱れて寝汗をかきやすくなります。その場合は婦人科のホルモン補充療法で改善可能です」(福山先生)
Q.しっかり寝ているはずなのに疲れが取れない
A.寝る前の入浴と冷え対策がおすすめ
「睡眠の質が悪いと、寝ても疲れが取れにくくなります。寝る前にゆっくり入浴したり、腹巻きでお腹を温めたりすると眠りが深くなって疲れが取れやすくなるので試してみて」(三橋さん)
炭酸のジェット発泡で温浴効果を高めて疲労を回復。バブ モンスターバブル NIGHTモード[医薬部外品] 6錠入り ¥990(編集部調べ)/花王
Q.寝具も年齢によって見直した方がいい?
A.寝ても疲れが取れないなら見直し時かも
「年齢にかかわらず朝起きたとき、疲れが取れていない、腰が痛いなど体に何らかの違和感があったら寝具が合っていない可能性があるので見直しを」(三橋さん)
Q.寝ているときに腰が痛くなりやすい……寝具が原因?
A.腰にかかる体圧を分散するマットレスがおすすめ
「仰向けに寝たとき、柔らかくて腰が沈む寝具を使っていると腰痛が起きやすくなります。体圧を分散させるマットレスに替えるのがおすすめ」(三橋さん)
優れた体圧分散性で腰・肩の負担を軽減。トゥルースリーパーエアフリー シングル ¥29800/ショップジャパン
Q.寝ているときに首に痛みが。枕はどう選べばいい?
A.立ったときの姿勢と首の角度が変わらないものを選んで
「仰向け寝のとき、立った姿勢と同じ首のカーブが保たれ、首にシワが寄らず楽に呼吸ができるもので、横向き寝のときに肩の圧迫感がない枕が◎」(三橋さん)
頭部の収まりを意識したポケット形状。中材の抜き差しで高さ調整可能。Moffle 洗えるフィットまくら 40×60cm¥7980/カインズ
Q.朝、早く目覚めるようになってきた。睡眠時間が足りているか心配です
A.必要な時間には個人差が。自分に合う睡眠時間を調べてみて
「理想的な睡眠時間は7〜8時間と言われますが、実際には個人差が。1週間ごとに6時間、7時間と睡眠時間を変えてみて、どの時間だと自分が一番体調がいいかチェックしてみましょう。ただし、起床時間は毎日同じにして比較するのがポイント」(三橋さん)
Q.体が冷えてなかなか寝つけない……
A.腹巻き付きのパンツが便利。使い方次第では電気毛布も◎
「下半身が温まる腹巻きつきパンツがおすすめ。また、電気毛布を使うなら、寝る前までつけて布団を温めておき、寝る前に切るという使い方がおすすめ」(三橋さん)
お腹とお尻を包み込む無縫製のナイトパンツ。ネルネ プレシャスタイム やわらかフィットの腹巻き付きナイトパンツ ¥3520/砂山靴下
Q.睡眠中に尿意で目が覚めることが増えた!
A.水分の摂り過ぎや冷えが原因かも
「夜トイレに起きる人は、寝る前に水分を摂り過ぎていることが多いので、口をうるおす程度にしましょう。また、お腹が冷えると膀胱が硬くなって尿を溜める量が減り、トイレが近くなりやすいので、腹巻きなどでお腹を温めて寝るのがおすすめです」(三橋さん)
Q.寝る前に考え事をする癖のせいでなかなか寝つけない!
A.頭の中で100からカウントダウンを
「考え事をしないようにするには、布団に入ったら、頭の中で100から、99、98……とカウントダウンしていきましょう。1つずつ3秒ほどかけてゆっくりと数えるのがポイント。ほかのことを考えられず、退屈になって眠気が訪れやすくなります」(三橋さん)
Q.睡眠トラブルにおすすめのサプリメントを知りたい
A.グリシンやGABA、テアニン配合のものを選んで
「睡眠によいとされる成分には、深部体温を下げやすくして睡眠の質を高めるグリシンや、リラックス効果があるテアニンやGABAなどがあります。こういった成分が含まれるサプリメントが多く登場しているので、睡眠トラブルがある人は試してみては」(三橋さん)
Aグリシンがぐっすりとした眠りとさわやかな目覚めをサポート。グリナ 3本入り オープン価格/味の素ダイレクト B大麦乳酸発酵液ギャバとL-テアニンを豊富に配合。ザ バランス メノナイトドリンク 20ml×10本 ¥4800/シンプリス
Q.寝ているときに脚がムズムズしてくる!
A.むずむず脚症候群かも
「むずむず脚症候群や周期性四肢運動障害といった病気の可能性があるので、症状が続いて体調不良になるようなら病院を受診するのがおすすめ。 そのほか、カフェインやアルコール、 喫煙、鉄不足が原因の場合も。まずは病院で検査を受けてみて」(陣内先生)
MAQUIA 3月号
イラスト/リバー・リー〈Softdesign〉 取材・文/和田美穂 構成/火箱奈央(MAQUIA)
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