【ビタミンCコスメ】どんな成分？選び方は？ 私の肌悩みにあうビタミンC美容液・化粧水を教えてください！

美肌ビタミンとして絶大な人気を誇るビタミンC。マルチな働きが魅力だけれど、正直何を基準にアイテムを選んだらいいのかわからない人も多いのでは？ そこで皮膚科医の友利 新先生に、ビタミンCの基本から選び方のポイントまで、たっぷりと教えてもらいました！

A あらゆる世代の肌悩みに対応する優等生成分

「医療現場でも長年信頼され、治療に用いられているビタミンC。10代のニキビには、脱脂作用によって毛穴の開きやザラつきを抑え、20代頃から意識し始めるブライトニングでは、メラニンの生成を抑えたり、できてしまったメラニンを還元してシミを薄くしたりしていきます。30～40代では、酸化が原因の黄ぐすみを高い抗酸化作用によって抑え、それ以降の世代のエイジング悩みには、コラーゲンやエラスチンの生成を促してたるみ予防が期待できます。ビタミンCはどの世代の肌悩みにも幅広く対応する、まさに美肌になるための優等生成分なのです」（友利先生・以下同）

ービタミンCのさまざまな働きー
① メラニンの合成を阻害する⇒シミケア
② できたメラニンを薄くする⇒シミケア
③ 活性酸素を防ぐ⇒エイジングケア
④ コラーゲンの合成を促進し、分解や変性を防ぐ⇒エイジングケア
⑤ 炎症を抑えてニキビを防ぐ⇒ニキビケア
⑥ 毛穴を引き締める、皮脂の酸化を抑える⇒毛穴ケア
⑦ 血行を促進し、肌の新陳代謝を整える⇒くすみケア
⑧ 過剰な皮脂分泌を抑える⇒毛穴＆ニキビケア

A さまざまな『ビタミンC誘導体』の形にしてコスメに配合

「ビタミンCの科学名はアスコルビン酸。ビタミンCは水溶性のため、皮脂（油）によって守られている皮膚には入っていきません。また、高い抗酸化力を持っているぶん、すぐに酸化してしまうため、そのままの形でコスメに入れるのが難しいんです。そこで、安定化と同時に、肌への吸収を助けるため、ビタミンCに少しだけ飾りをつけて『ビタミンC誘導体』としてコスメに配合するのが一般的。主に『水溶性』『油溶性』『両親媒性（水溶性＋油溶性）』の３タイプがあります。ビタミンC誘導体は肌に取り入れると、飾りをつけた部分が皮膚の自然な働きによって外れてビタミンCに戻り、しっかりと働くことができます」

ー代表的なビタミンC誘導体の種類ー

A 信頼されている成分のうえ、安定化の技術が進化したから

「そのマルチな働きから、これまでも幾度となくブームになっているビタミンCコスメ。その一番の理由は、医療現場でも使われているほど信頼され、肌に対して高い効果が期待できるから。今では、さまざまなビタミンC誘導体が開発されることで安定してコスメに配合できるようになり、これが現在のブームの１つの要因にもなっています」

A 濃度ではなく、組み合わせや処方に注目を

「ある程度までは濃度比例の相関は見られますが、ビタミンC濃度が高くなるほど安定性が悪くなったり、肌への刺激の原因にもなります。一般的には、５～10％で十分に効果を発揮すると言われています。ビタミンCコスメは配合濃度だけでなく、さまざまなビタミンC誘導体の組み合わせや、ナイアシンアミドなどのサポート成分の配合といった処方の仕方で肌効果が変わってきます。濃度よりも肌目的にあわせて選ぶといいと思います」

A 肌への効果を期待するのならやはりコスメを

「ビタミンCは、血管やコラーゲン生成に不可欠な栄養素のため、体内のいたるところで必要な成分。そのため経口摂取した場合、肌に届くのは最後。もちろん効果がないわけではありませんが、ビタミンCの作用を肌に効かせるには、コスメなどで直接ビタミンCを届けたほうが効率的と言えます。個人差はありますが、毛穴の開きや過剰皮脂抑制効果は早く実感ができます」

A 基本ありません。朝も使うのがおすすめ

「肌によっては刺激を感じることもあると言われているビタミンCですが、それは油溶性や両親媒性のビタミンC誘導体配合のもので解決できます。また、洗顔からクリームまですべてビタミンCコスメにしたとしても、それが過剰に働くことはなく、さまざまなビタミンC誘導体が各層で働き、隙なくケアができるようになります。
ひと昔前は、『朝は使わないほうがいい』と言われていましたが、日中は紫外線やストレスで活性酸素が発生しやすい状況なので、むしろ朝もビタミンCコスメを使うのが理想。日焼け直後で炎症がある場合を除き、シミ予防やニキビ対策に積極的に取り入れるといいでしょう」

皮脂量をコントロールし、酸化を抑えるために、肌表面にアプローチする水溶性ビタミンC誘導体配合のものを。さらりと使えるタイプやローション形状のものなどがおすすめ。

メラニンを作るメラノサイトの働きをブロックし、できてしまったメラニン色素の色を薄くするのが狙い。水溶性、両親媒性のビタミンC誘導体が配合されている場合が多い。

過剰な皮脂を抑制したり、抗酸化力のあるビタミンCはニキビ治療にも使われるほど。できはじめはもちろん、赤みや炎症があるときはローションパックなどをするのも効果的。

浸透しにくいビタミンCを肌の奥へと届ける技術を採用することで、コラーゲンの合成を促進してシワやたるみにアプローチ。エイジングケアをサポートする成分にも注目を。

取材・文／藤井優美〈dis-moi〉　構成／髙橋里佳（MAQUIA）
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