サステナブルビューティを考える短期集中連載『MAQUIA CLEAN BEAUTY NAVI』。「MAQUIA」10月号では、私たちがビューティを通して貢献できる地球温暖化問題について考えます。
短期集中連載 最終回
私と地球に優しいビューティの新基準!
MAQUIA CLEAN BEAUTY NAVI
今月のテーマ
ビューティで貢献できる
地球温暖化問題
化粧品の原料となる植物由来成分の多くは自然の恩恵そのものだ。地球温暖化による生物多様性の崩壊を避けるためには、美容に関わるすべての人や企業の積極的な取り組みが必要。地球基準で考えるクリーンビューティの輝かしい未来とは。
2015年に国連が制定した持続可能な開発目標(SUSTAINABLE DEVELOPMENT GOALS)。地球環境の保護や人類の平和に対して取り組むべき17項目が制定されている。
今回は13をピックアップ
13の「気候変動に具体的な対策を」は再生可能エネルギーへの代替や自然保護活動の推進がテーマ。温暖化による気候変動対策は急務。
急がれる温暖化対策。私たちの課題が見えてきた
2011年よりミツバチの保護活動を続けるゲランはユネスコとパートナーシップを結び、2019年から日本の在来種ニホンミツバチの保護活動もスタート。ラグジュアリーブランドでありながらも地球のフードセキュリティ(食料安全保障)確保への貢献でもその名が知られるように。日本では山田養蜂場がサステナブルなアピセラピー(養蜂業)や国内外での植樹活動、風力・太陽光発電を行うなど自然環境保護に積極的だ。またエネルギーをクリーンに保つ取り組みは、風力発電を化粧品会社ではじめて取り入れたアヴェダや、いち早く自然エネルギーに切り替え、東京にエコビルを完成させたニールズヤード レメディーズ、ヘアサロンの電力供給を自然エネルギーに替えたツイギーなどがある。ニールズヤードでは、社員が自主的に自然エネルギーを選択するなど意識改革も進んでいるよう。ではユーザーである私たちができることは? もちろんロスを減らす、エコに徹する、温暖化対策に貢献するブランドから製品を選ぶなど小さなサポートは可能だ。この秋、日本初のナチュラルコスメ認定制度「JNOCA」が誕生。クリーンビューティやオーガニックの定義もより鮮やかに進化しそうだ。
アヴェダは風力発電による自然エネルギーを製造過程で採用。サステナブルな取り組みで2013年にC2Cのレガシーリーダーアワードを受賞。
同じく風力による自然エネルギーをサロンに100%採用したツイギー。
山田養蜂場はアピセラピー以外の自然保護活動も。2019年のアジア通販サミットで環境社会貢献賞を受賞している。
ニールズヤードのフランキンセンスは中東オマーン産。フェアトレードや植樹プロジェクトも推進。
CASE OF GUERLAIN
世界中に広がる環境指標
生物ミツバチの保護活動
ブランドのシンボルとして歴史を担ってきた蜂が絶滅の危機にあったことから、黒ミツバチの生息地であるフランス、ウエッサン島での保護活動をスタートさせたゲランの取り組み。現在はユネスコとパートナーシップを結び、世界中に拡大。「Bee School」や「Bee University」を設立し、日本の在来種保護活動も行っている。
ゲランは2011年ウエッサン島のブルターニュ・ブラックビー保護協会と長期の研究パートナーシップを締結。サステナブルな取り組みを続けている。
A 和バラ生体水配合の芳しい香り
ツイギー主宰の松浦美穂さん監修のヘアパフューム。ユメドリーミン エピキュリアン グロス&パフューム「i」30ml ¥4800/ツイギー
B ハチ由来成分でハリやしわにアプローチ
保護活動を続けるオーガニック認証済み、黒ミツバチ由来成分配合のオイル美容液。アベイユ ロイヤル ウォータリーオイル 30ml ¥11600/ゲラン
C 小じわケアに定評のロイヤルゼリーオイル
自社養蜂場のロイヤルゼリーオイル配合美容オイル。ローヤルエクセレントオイル 25ml ¥6000/山田養蜂場
D ボタニカル成分でヘアダメージをパワフルに補修
94%自然由来成分、ダメージヘア用集中トリートメント。ボタニカル リペア インテンシブ マスク ライト 150ml ¥4800/アヴェダ
E 角質ケア&ブースター機能付き化粧水
英国ソイルアソシエーション認定のフランキンセンス配合ローション。フランキンセンス ウォーター 200ml ¥3500/ニールズヤード レメディーズ
ニールズヤード レメディーズ
代表取締役
梶原建二さん
環境活動家アル・ゴア氏の「クライメート・リアリティ・プロジェクト」に参加、気候変動危機の講演を実施。
食と健康と環境問題は女性がリードする時代へ
時代に先駆け、100%再生可能エネルギーによるエコビル「グリーンスクエア」を、2003年表参道にオープンさせた梶原さん。「“環境や人に優しい”が実感できる空間を発信したかった。また食の大切さを伝えたくてヴィーガンレストランも併設しました」。梶原さんはアル・ゴア氏のプロジェクトに参加し、気候変動危機を訴える講演活動も。「自然災害の深刻化によって高い関心事項に。いかに環境負荷をかけてきたか、企業のリーダーとして積極的に取り組むべき課題だと思っています」。気候変動に加えパンデミックという厳しい時代、クリーンビューティはどう進化するのか。「今後、健康や環境問題をリードしていくのは女性。環境を考えた行動が、幸福感と密接につながる環境エクスタシーによって盛り上がっていくと思います。そしてクリーンビューティの未来は水と空気をクリーンにすること。そう実感しています」
2003年に竣工した表参道の通称エコビル。2019年に建物すべての電力を再生エネルギーに。ブラウンライスレストランではヴィーガンフードが楽しめる。
MAQUIA 10月号
ロゴ/Bob Foundation 撮影/山口恵史(物) イラスト/瀧川裕恵 取材・文/安倍佐和子 構成/横山由佳(MAQUIA)
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