MAQUIA20周年イヤー「明日の私をMAKEしよう」をテーマに、各界の話題の人にインタビューする本企画。今回登場してくれたのは、バレーボール選手として初めてコーセーとスポンサー契約を結び、雪肌精のアンバサダーに決定した髙橋藍選手。バレーボール界注目のスター選手に、日々の美容習慣や逆境を乗り越える強いメンタルの秘密に迫った。
慣れない海外生活でスキンケアに開眼
「美容もバレーボールも日々の積み重ねが大事。すぐに結果が出るわけではないけれど、手を抜くと悪くなるのは一瞬だから」
毎日欠かさない美容習慣について尋ねると、スポーツ選手らしい表現をしてくれた髙橋選手。約1年前から、本格的にスキンケアをするようになったという。
「子供のころはよく皮膚科に通っていたほどトラブルが多くて、肌が敏感だったんです。3年前にイタリアに拠点を移したときも、水や食生活の変化ですごく肌が荒れました。とはいえ、ケアに力をちゃんと入れていたわけではなくて。去年の春におすすめされて初めて薬用雪肌精を使ってみたら、手離せなくなり、スキンケアの大切さを実感しました」
現在愛用しているのは、薬用雪肌精の化粧水と乳液。
「冬のイタリアはかなり乾燥しますし、練習終わりにシャワーを浴びて帰ったりもするので、保湿は意識しています。これまで使っていたものよりも新しい薬用雪肌精のほうがしっとりする気がします。美白にも肌荒れ防止にも効果があるのは心強いです。雪肌精はさわやかで香りも大好きなんです。メンズでも使いやすいですしね。そもそもスポーツ選手が化粧品のアンバサダーを務めることは珍しいので、お話をいただいたときはすごく嬉しかったです。こまめにケアしなければという気持ちになり、枕カバーを毎日取り替えたり、肌に触れるものにも気を遣うようになりました。アンバサダーに就任してから、美容意識がより高まった気がします」
コーセーは、グローバル・ジェンダー・ジェネレーションをボーダレスに展開する「3G」をキーワードに推進中で、雪肌精はまさにこの考え方を象徴するブランド。長時間に及ぶ広告撮影でも、髙橋選手は最後まで笑顔で集中して挑んだそう。今年の初めに公開された広告には、「逆境すら楽しむ、それが自分を強くする」という印象的なコピーが添えられていた。
「人生にはいいこともありますけど、それ以上にしんどいことのほうが多いと思うんです。イタリアでの挑戦でも、日本代表でも、やっぱりしんどい状況は必ずあった。だからこそ、起きたことを考え続けてもしょうがないんですよね。いかにポジティブに捉えて楽しめるかが大事。これまでにも、逆境を乗り越えた先には必ず強い自分がいました。その経験があるから、何が起きても『強くなれるチャンスだ』と思考をポジティブに変えられていると思います」
ファンも気になるヘアスタイルの秘密
子供のころから目立ちたがりで、注目を浴びることが大好き。応援してくれるファンの存在はモチベーションに直結しているし、「注目されるからこそ自分自身のプレーが向上していくことは間違いない」と断言する。彼がファンに与える影響力も絶大で、2023年11月にXで「そろぼち髪切るか」と投稿すると、世界中から「Noooo」など500件近いコメントがついたほど。
「日本人の方は長い髪が好きみたいで、海外の方は『短くてもいいよ』という方もいたり。国によって好みが違うこともおもしろかったです(笑)。3年前にパドヴァに移籍したときは、現地に日本人の美容師がいなかったんです。イタリア人の美容師さんに切ってもらっていたのですが、『短くしないでね』と言っても結構バッサリ切られたり。最初の2年間は結構、苦労しました(笑)」
2023年にミラノ近郊の都市モンツァに拠点を置くヴェロバレーに移籍してからは、ミラノ在住の日本人美容師に担当してもらっているそう。
「もともとくせ毛ではあるのですが、高校卒業後はパーマをかけることにもハマっています。ヘアスタイルにこだわりはそれほどないけれど、プレーの邪魔にならないように前髪は目にかからないようにオーダー。ヘアカラーもしているので、お風呂上がりにはオイルをつけてケアしています」
肌の調子がいいと自信を持ってプレーできる
バレーボール界の中にも美容意識が高い人は多く、特に永露元稀選手や小川智大選手と情報交換することがあるそう。直接プレーに関係ないように思える美容だけれど、スポーツ選手にとってどんな影響を及ぼすものなのか。
「自分の場合はお客さんの前でプレーをすることが多いですし、試合がテレビで放映されることもあります。人前に出る立場としては、肌の調子がいいと自信を持って人と話すことができるし、さらに自信を持ってプレーができる。美容はスポーツをする上でもすごくプラスの影響を与えてくれるものだと思います。プレー中の写真がよく撮れていたら、自分的にもやっぱり嬉しいですしね(笑)」
辛い状況を乗り越えた先に、必ず強い自分がいた
イタリアでの挑戦を始めて3シーズン目。ほぼ毎日自炊をし、1回の食事で2合近くのご飯をたいらげ、週3回のウエイトトレーニングで筋力が格段にアップ。「ジャンプやスパイクの感覚が変わってきている」と実感するほど攻守で活躍を見せていた。
ところが1月24日の試合中、左足首を負傷するというハプニングに見舞われ戦線を離脱した。
「少しずつ動けるようにはなっていますが、今はまだすぐにプレーができる状態ではありません。試合に復帰できるまでにはもう少し時間が必要です。とはいえ、自分の感覚的にもひどい状況ではないと思っています。
インタビューはケガの直後に行われたものの、髙橋選手の表情は意外なほど穏やかだった。コーセーの広告コピー「逆境すら楽しむ、それが自分を強くする」をまさに体現しているのでは?
「そうですね。試合と練習を繰り返すハードな毎日だったので、今は休めるチャンスだと思っています。トレーニングでしっかり身体を作って、試合に戻ったときにまた強い自分になっていたい。そのために準備をしておきたいと思っています」
髙橋藍が思う “美しい人”とは?
華々しい活躍のニュースの裏には、計り知れない葛藤と地道な努力、それを続ける強靭な精神力が。私たちがスポーツ選手に魅了されるのは、そのひたむきな姿に胸を打たれるからだろう。恵まれた体格と身体能力、そして目を引く端正なルックスの髙橋選手は紛れもない「美しい人」だけれど、彼が「美しいと思う人」はどんな人なのだろう。
「僕が美しいと思うのは“強い人”。自分の意思をしっかり持っている人や意思を曲げない人には魅力を感じます。そういう意味でいうと、同じくイタリアでプレーしている石川祐希選手はとても尊敬できる方。強いし、美しいと思います」
今年の夏には、世界最大のイベントを控えている。
「自分自身がしっかり戦っていけるように、まずはケガを克服して最大限強くなっていきたい。目標達成のために、成長していかなければいけないと思います。僕は自分のためにバレーボールをしていますし、人生を賭けています。でも、戦っている姿を見た観客のみなさんに、少しでもいい影響を与えられる存在になりたい。自分が自由に、のびのびと戦っている姿を見て楽しんでもらえたら」
逆境の只中にいながらも、常にポジティブな言葉を口にして前を向く。ケガを乗り越えてさらに強さを手にした髙橋選手は、夏のパリできっと、美しく輝いているはずだ。
写真提供/コーセー 取材・文/松山梢 企画・編集/福島美歩(MAQUIA ONLINE)
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