MAQUIA創刊20周年イヤー「明日の私をMAKEしよう」をテーマに、各界の話題の人物にインタビューする本企画。今回は、38年ぶりにプロ野球日本一に輝いた阪神タイガースのキーパーソンのひとり、木浪聖也選手が登場。歴史に残る名シリーズとなった2023年の振り返りと新シーズンに向けての意気込み、球界きっての美肌に欠かせない美容法など、貴重な話を伺った。
- 負けず嫌いの性格が、不振でも腐らない木浪聖也を育てた
- 「恐怖の8番」と言わしめた虎の攻めの切り札に
- 「努力」を努力と思わないことが明日の自分を強くする
- グッドパフォーマンスの源は近本選手と家族の存在
- 阪神タイガース屈指の“美肌”は奥様仕込み
阪神タイガース
木浪 聖也さん
1994年6月15日生まれ。青森県出身。「阪神タイガース」所属。小学校1年生から野球を始め、青森山田高校では1年生からベンチ入り。亜細亜大学、Hondaを経て、2018年のドラフト会議で阪神3位指名を受けて入団。2023年ゴールデングラブ賞を受賞。
負けず嫌いの性格が、不振でも腐らない木浪聖也を育てた
2023年の開幕から、岡田監督は言い続けていた。「このチームは強くなる」と。その予言通りに阪神タイガースが38年ぶりの日本一に。最後の打者を打ち取りゲームセット! 全選手たちが一斉にマウンドに飛び出した。その歓喜の輪の中にはもちろん木浪選手の姿があった。プロ入り5年目で味わったチームのこの歴史的タイトルをどのように捉えているのだろう。
「チームが日本一になったらどうなるのかな? そんな期待もありながら戦った2023年のシーズン。リーグ優勝だけでなく日本一を勝ち獲ることができて、チーム全員、そしてたくさんのファンの方々と一緒に喜べたことがとにかく嬉しかったです。個人的には、開幕スタメンは叶いませんでしたが、その後は遊撃手として試合に出続けることができたことも自信になりました。入団からのこの5年を、苦しみながらも頑張ってきて良かったなぁと改めて感じたシーズンでしたね。自分は、すごく負けず嫌いな性格なんです。それが功を奏したのかもしれませんね(笑)」
「恐怖の8番」と言わしめた虎の攻めの切り札に
上位打線(1番から5番)のイメージが強い木浪選手。しかし、指揮官である岡田監督は、彼を8番に据えた。それが、切れ目のない打線を生み、日本一を引き寄せたと言っても過言ではないだろう。存在感を示したこの打順について、木浪選手自身はどのように感じているのか?
「シーズン前のキャンプ時から、『守り、確実にアウトを取れる二遊間。ショートは打たなくていい!』と、岡田監督から言われたんです。ですから自分自身もバッティングよりも守備に集中していましたし、まさに守備を第一に考えた上で“8番”っていうのはいい打順だったと思っています。結果、8番で良かったではなく、8番が良かったですね、自分としても(笑)。一番記憶に残る象徴的なシーンは? と聞かれれば、クライマックスシリーズ ファイナルステージ第2戦でのサヨナラ打ですね。9回裏2アウト満塁。自分の目の前でフォアボールで出塁した坂本誠志郎選手が『後は任せた!』ってエールをくれて自分のモチベーションも高まっていましたし、すごく打てる気がしたんです。あの時のヒットは本当に気持ち良かった。後でVTRを見ると飛び上がっていましたね、自分(笑)。でも、シーズンが終わってみての数字(127試合に出場、打率2割6分7厘、1本塁打、41打点)には決して満足していません。打順は自分で決められるものではないですが、もし今シーズンも8番!と言われれば、昨年以上に相手チームに嫌がられる8番打者になりたいとは思っています」
「努力」を努力と思わないことが明日の自分を強くする
1年を通して、そして野球人生を通して、絶好調をキープすることは難しい。誰にでもあるアップダウンに左右されないために木浪選手が行なっていることとは?
「“努力”はプロ野球選手のみんながしていること。だから、自分はそれを努力とは思っていないんです。なんか、努力することは当たり前のことだし。それよりも、自分のやるべきことをしっかり毎日継続してやるということが、すごく大事なことだと思っています。そこを継続できているからこそ、自分の強みが出ているのかな? と。具体的に言うと、チームの全体練習だけでなく、自分の時間になった時に何をするか? それが大事。今シーズンも継続していきたいですね。そんな中、最近強化していることは“自分の体をよく知る”ことです。自分の体のどこが動きやすくてどこが動きにくいのか? 動きにくいところをどうやって動きやすくするのか? など自分の体を知ることに取り組んでいます。自分を知ると弱点が見えてくるんですよね。たくさんあり過ぎて言えませんけど(笑)。このオフシーズンは、自分をとことん追い込んでいきたいです」
グッドパフォーマンスの源は近本選手と家族の存在
言うまでもなく、2023年の木浪選手の活躍は一際光っていた。あのグッドパフォーマンスの源は何だろう。
「去年に関しては、プレッシャーと言うものがなかったんです。今までがそんなに良くなかったので、チャレンジする気持ちの方が強かった。行ってやろう! 行ってやろう! その気持ちがパフォーマンスとしてカタチになったのかもしれません。あえて言うなら、ストレスを溜めないことは意識していました。まぁ、もちろんいろんなストレスはありますが、誰かに吐き出して自分の中でモヤモヤ感を引きずらないようにしていましたね。同期のチカ(近本光司選手)とは、ご飯に行くといろんなことをお互い話します。それが発散になっているのかと……。また、リラックス法として、実は“香り”アイテムの貢献度が高いですね。昨年の誕生日にピッチャーの大竹(大竹耕太郎選手)から、お香をプレゼントされ、遠征の度にそのお香をホテルの部屋で試していますが、これがすごく心地よくて。もともと香り好きで、試合のときはリストバンドに愛用の香水を数プッシュ付けておいて、守備についた時に嗅いだりするほど。これから始まるキャンプにも持参します。そして、あとはやっぱり家族の存在は大きいですね。子供がまだ小さいのでシーズン中はナイターの試合から戻ると寝ていますが、寝顔を見るだけで、ストレスも疲れも吹き飛びますから」
阪神タイガース屈指の“美肌”は奥様仕込み
ご存知だろうか? 木浪選手は知る人ぞ知る美肌の持ち主であることを。取材チーム全員が、その毛穴を感じさせないツヤ肌に釘付けとなった。MAQUIAとしては、その秘密を聞かずにはいられない!
「スキンケアですか? 全部やってます!!(笑)。妻が美容好きでいろいろやっているんですけど、それを真似しています。例えば、洗顔代わりにシュウ ウエムラのW洗顔不要のオイルクレンジングで汚れを落とします。水を加えて乳化もしますよ。朝の洗顔後や夜のお風呂上がりには、コスメデコルテの導入美容液をつけ、コットンでSK-IIの化粧水を塗布、そのあとは乳液も。夜はクレ・ド・ポー ボーテのナイトクリームも使います。乾燥やシワが気になるときは目元用のアイテムもプラス。もちろん、太陽によく当たるので、日焼け止めは欠かせません……。人は何も言ってくれませんが、妻は自分の肌について指摘してくれるので、危機感を持つようになったのがスキンケアを始めたきっかけです。肌も野球と一緒で手入れが大事だなとやってみて分かりましたね。肌がキレイなことっていいなって思います」
今年30歳という節目を迎える木浪聖也選手。しかし、身体の衰えも全く感じないという。今後の目標は「1日でも多く野球をやり続けること」。そしてチームとしては今年も「アレ」= 史上初の連覇を目指す。2024年の木浪選手のさらなる活躍にも期待したい!
撮影/藤澤由加 取材・文/靏田由香 企画・編集/福島美歩(MAQUIA ONLINE)
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