常に時代の先頭に立って、数々のドラマや映画で私たちをドキドキさせてきた木村拓哉さん。変わりゆく時代の中で、変わらない美学を守って進化し続けてきた木村さんが、今、大切にしているものとは?

木村拓哉 インタビュー

人を愛し、時代に愛される男

木村拓哉
しなやかに進化する美学

後輩には、言葉よりも行動で伝えること

撮影現場ではもちろん、事務所でも多くの後輩に慕われている木村さん。4月から放送中のドラマ『風間公親―教場0―』で演じる、新米刑事の指導官・風間公親のように、アドバイスを求められることも増えた。撮影の合間には後輩俳優たちに声をかけられることも多々。
「呼び出しくらって雑談してるだけだけどね(笑)。アドバイスなんかも基本は、あまり言葉で伝えるタイプじゃないです。特に仕事なんて、本人が現場で感じて学ぶことだと思うから。必要な時は、こっちの行動を見てもらえたらいい。
ただ、現場は常に多くの人が携わっているし、時間に追われてもいるから伝えなきゃならないこともある。言葉を使った方が早い時は使うよ。現場の空気を変えたくないから、風間みたいに厳しくは言わないけどね(笑)」

笑うこと、歩くこと、人に触れることからもらうものが一番大きい

2020年5月から、インスタグラムをスタートした木村さん。そこには仕事現場での様子のほか、愛犬との散歩の様子や今日の空、心に触れた風景など、何気ない日常がたくさん綴られている。
「犬の散歩は日課なんだけど、同じ場所を歩いているといろんなことに気づくんですよ。夕方5時過ぎなのに、今日はまだ明るい。数日前より陽が長くなったんだな……とかね。そういう気づきが何だか嬉しいんです」
当たり前の日常こそがいちばん大切だと木村さんはいう。確かにコロナ禍を経て、そのことを実感した人もきっと多い。
「散歩とか美味しいご飯とか日々のルーティンもそうだけど、日常で心が動くって幸せなことだよなぁと。仕事現場に行って、一緒に語り合ってもの作りしたり、みんなで笑い合ったりね」
実は意外と笑い上戸な木村さん。インタビュー中も時折、ジョークやツッコミを挟み楽しそうに笑う姿が印象的だった。
「基本、どうでもいいことで笑っていたい! 今、ドラマ『風間公親―教場0―』で演じている風間はだいたい怖い顔している、感情を一切表さない男だから。その反動もあって、普段は笑いたくなるのかも。休憩中とか、監督やスタッフとしょっちゅうふざけちゃうんだよねぇ(笑)」

何を食べるか、どの意見や情報を摂取するかは自分次第じゃない?

揺るぎない自分と人生を築いているように見える木村さんも、かつては深い葛藤を抱き、変化の波に飲まれそうになったことも。
「今も揺らがない自分になれたのかはわからないけど、いちいち凹んでも仕方ないじゃんとは思う(笑)。この仕事は、自分の調子だけでなく、いろんな意見や情報を読んだり聞いたり、外側からの要素でアップダウンすることも多々あるから。ただ、自分を落ち込ませるものには、触れないという選択をすればいい。気にも留めないこと。体に悪い食べ物と一緒だよ。この世に存在はしているし、どんな味かもだいたい知っている。ただ、食べなきゃいいだけ。結局、何事も何を選ぶかは自分次第なんだよね」

TAKUYA KIMURA

木村拓哉

きむら たくや●1972年11月13日生まれ、東京都出身。歌手、俳優として常に最前線で活躍。特に俳優業では主演するドラマがどれも高視聴率を記録。今作で月9ドラマ主演が11回目、月9ドラマ主演回数歴代1位となる。

『風間公親—教場0—』

INFORMATION
『風間公親—教場0—』
2020年、2021年に新春SPドラマとして放送され大好評を博した『教場』シリーズ最新作。木村さん演じる風間公親が教官として警察学校に赴任する以前、新人刑事の教育に“刑事指導官”として当たっていた時代を描く。毎週月曜21時〜フジテレビ系にて放送中。

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取材・文/芳麗 企画/萩原有紀(MAQUIA)

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