話題作への出演が続く俳優・高橋文哉。『ブラッククローバー 魔法帝の剣』では声優にも初挑戦。声の仕事で感じたこと、役者としての熱く真摯な想いを聞きました。

高橋文哉 インタビュー

躍進の陰にある、細やかな努力
高橋文哉
澄みわたる透明感の正体

about ME

声優に挑戦した理由

『ブラッククローバー 魔法帝の剣』は、僕にとって初挑戦となる声のお仕事。最初にお話を頂いた時は、“本当に自分にできるのか?”という不安もありました。でも原作はもちろん、今回僕が演じるジェスターという役も本当に魅力的ですし、関係者の方々が「ぜひ高橋さんに演じてほしい」と言ってくださったことがすごく嬉しくて。期待して頂いたことに感謝するのと同時に自分の可能性が試されているんだな、とも感じたんです。だからこそ絶対に妥協はできないと思い、不慣れながらも魂をまっすぐにぶつけて後悔のないようにアテレコに挑みました。

難しさを感じた点

これまでずっと役者として体を使ったお芝居をしてきたので、声だけで役の感情を表現する点や、もともとある絵に対して自分で息を吹き込むという点にはかなり苦戦しました。役が抱える苦しみの感情を自分なりに想像しながら、できる限りの体の動きを実際に取り入れて演じてみたりも。別作品で共演していた宮野真守さんには「自分が思っている5倍の表現でやって大丈夫だからね」と言われたのですが、思っている半分もできなくて……。でも演じているうちに役が乗り移る感覚もあり、徐々に面白さを実感できた気がします。

髙橋文也さん

少年漫画の主人公に背中を押された

原作の『ブラッククローバー』を読んで衝撃を受けたのが、主人公・アスタの「諦めないのがオレの魔法だ」という言葉。僕自身もどちらかというと失敗を恐れないタイプかもしれませんが、アスタは次元が違い尊敬できる部分がたくさんあるなって。実は原作を読んだ頃は、僕もお仕事で新しいことに挑戦していた時期だったんです。わからないことって怖いし不安を伴うけれど、そこにどんどん突っ込んでいく主人公の姿にすごく背中を押されましたし、少年漫画を読んでここまで素直に勇気づけられている自分は改めて“単純だな〜”と思いましたね(笑)。

声優と役者の相違点

今回は共演者の皆さんとは収録が別々で、録音された声に合わせてお芝居をする形だったんです。相手の言葉を聞いて自分の言葉を紡ぐという点は役者の時と同じだけれど、絵がすでに存在していてセリフの始まりと終わりのタイミングが決まっているのが声のお芝居の特徴。それを経験したことで、相手との間の取り方みたいな部分を普段どれだけ自由にやっていたのか気づきました。ちなみに、僕は作品ごとに役作りの方法を変えているのですが、ジェスターに関しては僕の自然な声ではイメージが伝わらないと思って、ちょっとクセをつけてみたんです。役者の時とは違うアプローチ方法ですが、表情を気にせずにすむからこそ出せる声もあるんだと学んだし、その一方で表情管理をしないとできない声のお芝居もある気が。そう考えると、声優と役者は似ているようでまったく違っていて、どちらもすごく魅力的な仕事だなって思います。また機会があれば挑戦してみたいですし、ジェスターのスピンオフも可能ならぜひ(笑)。今回は戦ってばかりだったので、普通に食事したりしている彼を演じてみたいですね。

高橋文哉

FUMIYA TAKAHASHI

高橋文哉

2001年3月12日生まれ、埼玉県出身。2019年に俳優デビュー。ウソからはじまる恋物語を描いた映画『交換ウソ日記』(7/7公開予定)では、学校イチのモテ男子を演じる。

映画「ブラッククローバー」

累計発行部数1800万部超の人気作品の初映画『ブラッククローバー 魔法帝の剣』(6月16日(金)日本全国ロードショー、Netflix全世界配信)。高橋さんは映画オリジナルキャラクターで重要な役割を担うジェスターを熱演。
©2023「映画ブラッククローバー」製作委員会
©田畠裕基/集英社

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撮影/神戸健太郎 ヘア&メイク/池上 豪〈NICOLASHKA〉 スタイリスト/鴇田晋哉 取材・文/真島絵麻里 企画・構成/萩原有紀(MAQUIA)

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