透明感あふれる美肌と、子犬のような黒目がちの瞳が印象的な俳優・鈴木康介さん。放送直後から国内外問わず話題となっている放送中のBLドラマ『ジャックフロスト』での、ナチュラルで繊細な演技の裏側についてインタビュー。そこには、相手役を演じた本田響矢さんとの絶対的な信頼関係が。さらに、美しいビジュアル維持のヒケツにも迫ります。

海外でも作品のよさが伝わっているのが嬉しい

俳優・鈴木康介さんインタビュー

事故に遭い記憶を失った同棲中の恋人と、関係をゼロからやり直していくボーイズラブストーリーが注目を集めているドラマ『ジャックフロスト』。鈴木康介さんが演じるのは、記憶喪失になった恋人・奥沢律(本田響矢)に、付き合っていた事実を秘密にしたまま共同生活を再開する営業マン・池上郁哉。

「放送後、韓国やインドネシア、いろんな国の方からの感想が届いて驚きました。僕のSNSに海外の言葉でコメントが届くんです。それをコピーして翻訳すると“素敵なフェイス!”みたいなコメントもあったりして(笑)。字幕で見てくださって、いろんな反響をいただけているのが嬉しいです。


そしてデビュー当時から僕のことを応援してくださっている方は、主演であることを喜んでくれるのと同時に“やっと(世間に)見つかった!”という声も。その期待に応えないといけないと思いながら、郁哉を演じていました。郁哉は僕がこれまでに演じたことのない、いわゆる二枚目な役。ただ二枚目な役を演じるのは……難しいですね。変な顔できないじゃないですか(笑)。ずっとかっこよくいなきゃいけないのはプレッシャーでもあります」

そう優しく微笑みながらも、鈴木さんと、演じる郁哉には共通点も多かった様子。


「郁哉は面倒見がよくて、頼まれていないのに何かお世話をしたくなるような性格。そこは僕にも似た部分があります。僕には5つ下の弟がいるんですが、忘れものがないかをチェックしたり、服を買いにいって弟に似合いそうなものを見つけるとそれを買ったりとか。弟は服にあまり興味がないこともあり、多分ほとんど僕があげた服で生活していると思います(笑)。


あとはしっかりしているように見えて、少し抜けた部分があるのも、郁哉と僕の共通点かなと思います。よく親から注意されていたのは、何でも“やりっぱなし”なところ。洗面所でドライヤーを使って、コンタクトをつけて、着替えてリビングに行って……という感じで、僕が何をして、どの経路で準備していたのかがわかることが多いみたいなので、そこは直していきたい部分です」

素でキュンとしているシーンにも注目してほしい

俳優・鈴木康介さんインタビュー

自身と近い部分があるからこそ、ラブストーリーを演じるのは照れくさい部分もあったのだとか。
「郁哉が僕と近いというのもあるんですが、この作品は台本に書かれた部分が終わってからも、カットをかけずに撮り続けることがよくありました。その部分はもちろんアドリブ。素でキュンとしたり、思わず笑ってしまったりもしていて。そこも本編に採用されていることもあるので、“ここがアドリブかな”と注目していただけたら嬉しいです」


アドリブも多く含まれているからこそ、律を演じる本田響矢さんとの相性のよさも重要になってくる?


「響矢くんとは同じ作品に出演していたことはあったんですが、ガッツリ一緒にお芝居をするのは今回が初。でも響矢くんがすごく自然に律として僕の前に立ってくれていたので、アドリブ部分も含めてすごく演じやすかったですし、一緒にお芝居ができて楽しかったです」


本作の特徴は会話だけじゃなく、ふたりの表情や空気感だけで感情が伝わるシーンも多いとのこと。


「台本を読んでいてもセリフが少ないシーンが多いんですよね。技量次第で空気をぶち壊してしまうこともあるので、そのプレッシャーは常に現場で感じていました。5秒間、セリフなしで埋めるのは実際、すごく怖かったです。今までにないくらい監督に“今のシーン大丈夫でしたか?”と聞きにいっていた気がします」

響矢くんと一緒だから演じることができた

俳優・鈴木康介さんインタビュー

そんな“間”のお芝居も、相手役が本田さんだったからこそ乗り越えられる部分も大きかったと話す。


「事前に少しは気持ちを作ったり準備してはいくんですが、でもどんなに準備しても響矢くんのお芝居次第で変わるじゃないですか。なのでシーンの流れは頭に入れつつ、感情は作りすぎずに、その場で響矢くんのお芝居を受けてのリアルなリアクションをしようと思って臨んでいました。当日にならないとどう転ぶがわからないというのも怖かったですけど、響矢くんが演じる律が繊細でナチュラルだったからこそ、僕も自然に郁哉としてリアクションをすることができたなと思います」


本田さんとは、お互いにどんな芝居をするかはあえて相談せずに撮影に挑んだよう。


「事前に相談していると“律はこうくる”と身構えてからお芝居をしてしまうこともあって。そうすると監督にはバレてしまうんですよね(笑)。たとえば“ありがとう”ってセリフひとつでも、身構えた上で言うと『今、本当にありがとうって思えてた?』と聞かれるようなことはよくありました。だからこそ、響矢くんとは事前に打ち合わせはしませんでした。


もちろん合間に作品の話もします。ただ、あくまでセリフの確認をしあうくらいだったので、お互いに感情は入れずに棒読み。そこにどう感情を入れてくるのかは、本番のお楽しみでしたね。でも響矢くんと“そうしよう”と話していたことは一度もないんです。自然とそうなっていったんですが、後から確認したら、響矢くんも僕と同じ意図で棒読みにしていたことがわかって安心しました。本番にならないとどう転ぶかわからない撮影は緊張感はありましたし、やりがいも大きかったです」

家事の向き合い方に関しては郁哉と僕は真逆です

俳優・鈴木康介さんインタビュー

郁哉と律が同棲しているということから、洗濯物を畳んだり、料理をしたりと、日常生活のシーンも多くある。得意な家事を聞くと「めっちゃ苦手なんです」と苦笑い。


「洗濯物を畳むときも、僕は“ちっちゃくなればOK”と思っているし、料理もしますけど適当にワンプレートで完成させちゃうくらいザツです。でも郁哉は家事をうまくこなせるタイプ。だからこそ、家事をするシーンは事前に練習してから撮影に入っていました。目標にしていたのは、ちょっとした仕草でもノールックでできるようになるということ。1話で郁哉がチャーハンを作るシーンがあるんですが、フライパンで炒めながら、ノールックで塩を取れるように自主練しましたね(笑)。


洗濯物畳みもYouTubeで“畳み方”を調べて練習したり、めっちゃがんばりました! 放送後に“家事をされるんですね”という感想をいただいたときは、練習の甲斐があったなとホッとひと安心。練習していなかったら多分、ひどいことになっていたと思います(笑)。撮影後もしばらくは郁哉の影響を受けて丁寧に畳んでいたけど、最近はすっかり“ちっちゃくなればOK”に戻りました(笑)」

演じる役が何キロなのかを決めて、コツコツ体型作り

俳優・鈴木康介さんインタビュー

普段の食事は自分で作るという鈴木さん。メインは主に低温調理した鶏の胸肉やローストビーフ。そこに+サラダというシンプルなワンプレート料理は、体調管理の一環だとか。


「この仕事を始める前からボディメイクをするのが好きだったんです。食べた物のカロリーを計算してノートに記録をとっていた時期もあって、なんとなくのカロリーはわかります。1日に何キロカロリー摂取すれば体型をキープできるのか、増減できるのかも。僕の場合はだいたい1800kcalとると痩せていくことが多いです。もはやちょっとした趣味ですね」


そんな趣味は役作りをする上でかなり役立っているそう。


「作品に入る前は、その役が何キロくらいかを自分の中で設定して、できるだけ近づけるようにしています。郁哉の場合は65キロで標準より少し痩せてるくらい。なので夜だけは炭水化物を抜いて、鶏の胸肉が主食の生活をしていました。とは言え、毎日胸肉だと飽きてくるので、調味料を工夫して味変を楽しむことも多かったです。トリュフ系が好きで、トリュフ塩やトリュフタルタル、トリュフマヨネーズとかいろいろ持っています。胸肉料理に飽きている人はぜひ、好きな調味料で味変を楽しんでみてください!」

乾燥しがちな肌の調子を整えてくれた救世主

俳優・鈴木康介さんインタビュー

体重管理と共に大事になってくるのが、お肌の管理。


「体重を増やしたいときはあえてピザだったりジャンキーな物を食べたりもするんですけど、そうするとやっぱり肌荒れしてしまうんですよね。なので、日ごろから肌ケアにも気を付けています。いろいろ試したけど、やっぱり『ニベア』の青缶が1番! 一時期、粉ふくくらい肌が乾燥していた時期があったんです。そのときにニベアの青缶(ニベアクリーム)で顔が真っ白になるくらいベタベタに塗って寝ていました(笑)。枕にクリームがつかないようにバスタオルをしくくらいのベタベタ。それで乾燥がすごくよくなったので、冬の乾燥する季節は基本の化粧水、乳液のあと寝る前にニベアがマスト。夏になると汗をかきやすいので、ニベアは使わず化粧水と乳液のみ。日によっては化粧水とパックだけの日もあったり、季節ごとに肌の調子をみて変えています」


体調と肌の管理をした上で挑む撮影現場で欠かせないのがミントタブレット。


「爽快感がかなり強いものが好きです。食べると鼻にツーンとくることで、不思議とスイッチが入るんです。ポケットには必ず入れていて、リハーサルが終わって本番の前に食べるのがルーティーン。最後のほうは噛み砕くのが好きです」

鈴木康介さんが出演するドラマ・ジャックフロスト

ドラマ『ジャックフロスト』

MBS 毎日放送の「ドラマシャワー」枠にて、『ジャックフロスト』が放送中。同枠初のオリジナル作品。別れ話の直後に事故で恋人と付き合っていた記憶だけを失った律と、彼の恋人・郁哉の切なくもどかしい「両片想い」が描かれる。

鈴木康介

俳優

鈴木康介

1997年12月19日生まれ、愛知県出身。2019年のAbemaTV 配信番組『白雪とオオカミくんには騙されない♥』への出演で一躍話題に。その後、ドラマ『赤ひげ』(NHK)シリーズ、『高良くんと天城くん』(MBS)、ドラマ+『アカイリンゴ』(朝日放送テレビ)など話題作に出演。今最も注目されている俳優のひとり。

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お問い合わせ先/03-6447-2762 (Sakas PR) 

撮影/小笠原真紀 ヘア&メイク/カスヤユウスケ(ADDICT_CASE)  スタイリスト/emi ito(ADDICT_CASE) 取材・文/上村祐子 企画・構成/萩原有紀

最終更新日:

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