女優として着実に成長を遂げる一方で、YouTubeなどで見せる飾らない素顔も評判に。27歳を迎えた今、揺らぐことのない輝きを身に付けた川口春奈さんの美の軌跡に迫ります。
目の前の階段を、一つずつ、真摯に。
川口春奈
かがやきの理由
自分の機嫌は、自分で取るべき。
「顔って、その人の生き方が出ますよね。悪いことをしてきたら、しっかり悪い顔になる(笑)。だから自分をきちんと律する必要があるし、浮き沈みの激しい仕事だからこそ、自分で自分の機嫌を取りながらいい顔にしていかないといけないなって」
ファッションや美容も機嫌を取る方法のひとつ、と川口さん。好きな色を纏う時や髪を巻いた時の浮き立つ気持ちが、生きる上でのテンションを高めてくれるという。そうやってコツコツと形作ってきた今の顔をどう感じているのか尋ねてみた。
「前よりも関心を持つようになったかな。昔の私は自分の写真チェックもほぼしないくらい、顔に興味がなかったんです。今は“こんな見え方もするんだ”っていう発見もあるし、自分の顔を少しは褒めてあげられるように。不思議なもので、自信が持てると表情が変わるし、人付き合いも自然に変わってくる。そこからの広がりで価値観や生き方も変化していくので、顔と人生って本当に深く繋がってるんだなって感じます」
自身を俯瞰する眼差しはどこか達観しており、多少のことでは動じない落ち着きが漂う。昨年末の紅白歌合戦でも堂々とした初司会ぶりが話題を呼んだが、大舞台でも顔色ひとつ変えない強靭なマインドはどのように培われてきたのだろうか?
「昔から好奇心が強くてマイペース。どの仕事に対してもフラットで“とりあえずやってみよう”っていう精神で取り組んでいるから、特別に気負うことってあまりないんです。ただ、仕事を通してたくさんの貴重な経験をさせてもらえていることは本当にありがたいなって感じます。そうやって一つずつ経験値を上げて自信をつけることがいい顔に繋がっていくと思うので、今後も人との出会いを大切にしながら自分らしく楽しんでいきたいですね」
目尻にできる可愛いシワは
素敵な人生を生きてきた証
「年齢を重ねても、老いに抗うことはしたくないんです。そう感じるのは、素敵な年配の方が周りにたくさんいるから。近所にある定食屋のおかみさんもその中の一人。60代後半くらいなのかな。髪は白くなっていて目元も笑うとシワシワだけど、それがすごくあったかくって。きっと酸いも甘いも経験されて、充実したいい人生を送ってこられたんだろうな〜って伝わってくるんですよね。美味しいごはんが食べたいのもあるけれど、愛嬌たっぷりでいくつになってもチャーミングなおかみさんに会いたくって、しょっちゅう通っています(笑)。」
Haruna Kawaguchi
1995年2月10日生まれ、長崎県出身。2007年に雑誌オーディションでグランプリを獲得。2009年にはドラマ『東京DOGS』で女優デビューし、数々の作品に出演。今春放送のNHK連続テレビ小説『ちむどんどん』ではヒロインの姉を演じる。公式YouTubeチャンネル『はーちゃんねる』は登録者150万人超えの人気。
MAQUIA 5月号
撮影/伊藤彰紀〈aosora〉 ヘア&メイク/河北裕介 スタイリスト/杉本学子〈WHITNEY〉 取材・文/真島絵麻里 構成/木下理恵(MAQUIA)