習慣化すればリフトアップ効果が期待でき、髪質や生えグセまでも改善できると注目が高まる頭皮ケア。今回はセルフでできる効果的な頭皮マッサージ法をプロが徹底レクチャー。これを読めば誰でも完璧な頭皮マッサージをマスターできます。

教えていただいたのは
根本克己さん

「HEAD-DETOX」開発者/ヘアアーティスト 

根本克己さん

SPICを代表するメニュー「HEAD-DETOX」の開発者。ヘアアーティスト歴30年。頭皮全体のコリをほぐし、全身をリフレッシュすることで美しく健やかな髪を育てる「HEAD-DETOX(ヘッドデトックス)」で約20,000人の頭皮・髪の悩みを解決。その経験を活かし、現在は株式会社スピックでヘアケア商品の開発やサービスプロデュースにも携わり、シャンプ―とスキャルプケアから始める未来の健康づくりを進めている。  

頭皮ケアは後回しになりがちですが、実は若いうちからのケアが大切

「そもそもなぜ頭皮が大切なのか―。それは美しい髪は健やかな頭皮で育つから。しかも頭皮の衰えは顔よりも先に始まり、頭皮のコンディションは、心と体と直結しているものでもあります。まずは普段のシャンプータイムを見直すことで、健やかな頭皮や髪に近づくことができます。さらに、土台となる頭皮環境を整えることで、そこに育つ髪も変わりますし、生えグセなどを変えることも夢ではありません!」(根本さん)

頭皮マッサージのやり方① 予洗いの段階から頭皮マッサージ開始

頭皮マッサージというとアウトバスで行うイメージが強いけれど、シャンプーの時間を使って行えば、頭皮を清潔に保てるうえに時短にもなって一石二鳥。まず、髪を濡らして予洗いしながら頭皮マッサージ。

使うのはコレ!

究極の「頭皮マッサージ」のやり方を髪のプロが解説。髪質や生えグセ改善、リフトアップも!_1

柔軟性のある特製ゴムの突起“ラバーピークス”で頭皮を優しく洗浄。両手で持ってマッサージできるので効率的。スピック レディーバード(2個セット)¥4620/SPIC

STEP 1:後頭部を揉みほぐす

究極の「頭皮マッサージ」のやり方を髪のプロが解説。髪質や生えグセ改善、リフトアップも!_2

首と頭の境目の深層にある後頭下筋群あたりから後頭筋を揉みほぐす。まず中央の①の範囲を、次に外側の②の範囲へブラシを移動。

頭皮マッサージ

肘を顔の高さまで上げ、左右の肩甲骨を寄せるように胸を開く。顎を下げた状態で、盆の窪(うなじの中央の窪んでいるところ)のやや上の位置にブラシをあてる。左右のブラシを同時に上下へと動かして後頭筋をほぐす。20回程度を目安に、ブラシで頭皮をホールドしたまま、頭皮を上下に動かし後頭筋の奥をゆっくり揉みほぐす。

頭皮マッサージ

盆の窪の位置よりも、ブラシ1個分外側にずらす。同様にブラシを上下に動かして、外側の後頭筋をゆるめる。20回程度を目安に。

STEP 2:側頭部を揉みほぐす

頭皮マッサージ

耳上からこめかみの上あたりに位置している側頭筋を①→②の順に揉みほぐす。

頭皮マッサージ

耳上の位置にブラシをホールドする。ブラシを同時に上下に動かして側頭筋をほぐす。この時、親指を意識しながらブラシを動かすと、まんべんなく力を入れることができる。20回程度を目安に。

頭皮マッサージ

こめかみ位置にブラシを移動。先ほどと同じようにブラシを上下に動かして、側頭筋をほぐす。20回程度を目安に目元まで引き揚げながらゆっくり行う。

頭皮マッサージのやり方② シャンプーをつけて小刻みにマッサージ

予洗いで全体の凝りをほぐしたら、シャンプーを泡立てて頭皮の表面や毛穴をリズミカルにマッサージ。1箇所を洗う回数は自分が満足する回数でOK。

STEP 1:耳周りの側頭部を丁寧に洗う

頭皮マッサージ

シャンプーを地肌につけて泡立てたら、耳周りからゴシゴシ洗いをスタート。

頭皮マッサージ

顔は正面を向き、左右の耳下にブラシをあてる。ブラシをジグザグと小刻みに、後頭部の中央に向かって動かす。後頭部の頭皮や根元は、どうしても洗いが不十分になりがちなので、ブラシの先端を感じながらしっかりめに洗う。ジグザグの動きは6〜8回程度を目安に。

頭皮マッサージ

ブラシ1/2個分上の部位を同様にゴシゴシ。ジグザグの動きは6〜8回程度を目安に。

頭皮マッサージ

さらに、ブラシ1/2個分上の部位を同様に。ブラシはリズミカルに動かすとやりやすい。ジグザグの動きは6〜8回程度を目安に。

頭皮マッサージ

そのまたブラシ1/2個分上の部位を同様に洗う。ジグザグの動きは6〜8回程度を目安に。1から8まで終わり、洗い足りなさを感じるようなら、再度1から8を繰り返す。

STEP 2:こめかみから頭頂部を洗う

頭皮マッサージ

こめかみから頭頂部にかけて洗う。


頭皮マッサージ

こめかみからハチのラインに沿って、ブラシをジグザグと頭頂部まで動かす。ジグザグの動きは6〜8回程度を目安に。


STEP 3:額の生え際から盆の窪まで洗う

頭皮マッサージ

額の生え際〜頭頂部〜盆の窪を洗う。

頭皮マッサージ

額の生え際にブラシを置き、頭の丸みに沿って頭頂部から盆の窪までブラシをジグザグと動かす。ジグザグ動きは10〜12回程度を目安に。

STEP 4:後頭部をゴシゴシ洗う

頭皮マッサージ

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左右のブラシをランダムに動かし、少しずつ位置を上にズラして頭全体をほぐしながら洗う。回数は頭皮がほぐれて、汚れをしっかり落とせたと思うまででOK。

頭皮マッサージ

さらに、その上のハチの位置にブラシをあてる。左右のブラシを互い違いに動かしてハチゾーンを洗う。

STEP 5:眉上の生え際から後頭部をゴシゴシ洗う

頭皮マッサージ

同様の動かし方で、眉上ラインの生え際~盆の窪あたりを洗う。

頭皮マッサージのやり方③ タオルで包み込んで頭皮マッサージ

頭皮マッサージ

シャンプーを洗い流す前に、熱めのお湯で作ったスチームタオルで頭を包み込む。シャンプーの美容成分を浸透させながら、これまで行った頭皮マッサージで浮き出た汚れを、さらにしっかり取り除くのが目的。タオルが冷める前に、シャンプーを洗い流す。この時もブラシをランダムに動かしながら、洗い流すのがオススメ。その後、トリートメントやコンディショナー、マスクなどを塗布し、しっかりと洗い流す。

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お風呂から上がり、乾いたタオルで軽く地肌や髪の水気を取る。そのまま髪全体をタオルで包み込み、顎を上げて、盆の窪あたりをブラシでプッシュ。頭からタオルをかぶり、その上から、生え際から後頭部に向かってブラシをジグザグと動かし、地肌や髪の根元に残っている水気をしっかりとタオルに吸い込ませる。

頭皮マッサージのやり方④ 洗髪後は頭皮と肩周りのストレッチ

「そもそもシャンプーは、インド・ヒンディー語の「champo(チャンピ)」=ヘッドマッサージの意味が語源とされています。シャンプーは何を使うかよりもどう洗うかで、健康や美容のステップアップに繋がります。正しいシャンプーケアも大事ですが、その後の耳周りや肩周りのストレッチも合わせて行うことで、蓄積された頭皮の老廃物がリンパに流れやすくなり、リラックス効果も期待できます」(根本さん)

STEP 1:耳周りのストレッチ

頭皮マッサージ

頭皮用ジェルを地肌になじませ、素頭に潤いを与えて頭皮環境を整える。①親指と人差し指で耳を挟む。前から後ろへとグルグルと回して、頭皮の老廃物をリンパに流す。②人差し指と中指で耳を挟んでグルグルと回す。

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③中指と薬指で耳を挟む。④薬指と小指で耳を挟む。⑤指の腹で首の側面にあるリンパ節を押さえる。③~⑤も①②と同様に手をグルグルと回す。各5回程度を目安に。


STEP 2:肩周りのストレッチ

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背筋を伸ばして、両腕をまっすぐ伸ばして、頭の上で手を組む。

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①そのままの腕を伸ばした状態で、上半身を傾ける。②反対側にゆっくり傾けて、体の側面を伸ばす。③肘を伸ばしたまま腕を真上に上げ、頭だけを後ろに倒して、肋骨を開く。①〜③の動きをゆっくり1回。


 

撮影/藤澤由香 ヘアメイク/本多遥香(ROI) モデル/福吉真璃奈 取材・文/佐藤 梓 構成/有住美慧(MAQUIA)

最終更新日:

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