美と健康をキープするために何より大事なのが食事のバランス。でも、バランスのいい食事って? 知っているようで知らない食事のバランスについて管理栄養士の浅野まみこ先生がアドバイス。
ダイエットにも美肌にも!
知って役立つ【食事バランス】の正解
エビータ代表。食育活動やレシピ開発、講演など多方面で活躍。著書は『コンビニ・ダイエット』(講談社)など。
「忙しいと食事のバランスって乱れがちですよね。若いうちは大きな支障が出ないかもしれませんが、疲れが取れにくかったり、肌があれたり、便秘になったりと小さな不調が出やすくなります。それが続くと将来、生活習慣病になったり、早くから骨密度が下がってしまったりすることも。今から整える意識を持つことが大切」(浅野先生)
Q.バランスの良い食事というけれど…その定義は?
A.一汁三菜か主食、主菜、副菜を基本に
「食事のバランスはたんぱく質15%、脂質25%、炭水化物60%の割合がよいとされ、これにビタミンやミネラルが摂れる食品をプラスするのが理想的です。これを叶えるには一汁三菜の食事が理想的と言われますが、おかず3品、汁物1品はハードルが高め。まずはごはんなどの主食、肉や魚などの主菜、野菜や海藻などの副菜を摂るように気をつけましょう。自然と栄養バランスのとれた食事になります」(浅野先生)
Q.1日3回食事しなきゃだめ?
A.1日3食だと肥満防止や代謝アップによく◎
「基本的に1日3食がおすすめ。3食摂ると血糖値が安定するうえ、食事のたびに胃腸が動くので腸内環境が整い、代謝も上がります。3食の中でも朝食を抜く人が多いと思いますが、朝食を摂ると“セカンドミール効果”と言って、昼食を食べたときの血糖値の上昇が緩やかになり、太りにくくなります」(浅野先生)
Q.栄養バランスは1食の中で成立してなきゃだめ?
A.1日単位で考えて必要な栄養素が摂れていればOK
「1食の栄養バランスがとれていなくてもよく、1日単位で必要な栄養素が摂れることを目指せばOK。また、摂ったカロリーが脂肪として定着するのは2週間後と言われているので、たとえば日曜日に食べ過ぎても栄養バランスを整える意識をするなど、1週間の中で調整すれば大丈夫です」(浅野先生)
Q.いつも同じメニューではだめ?
A.不足する栄養素が出てくるので毎日同じメニューでなくいろんな食材を
「たとえば魚を食べずにPFCバランス※の整った食事と野菜を摂っていても、魚に多いビタミンDやDHA・EPAなどが不足するように、同じメニューだと必ず摂れない栄養素が出てきます。旬の食材はその時期の体に必要な栄養素が多いですし、季節も考えていろんな食材を摂りましょう」(浅野先生)
※たんぱく質、脂質、炭水化物のバランス
Q.35品目摂らなきゃだめ?
A.35でなくても多品目を摂ることを目指して
「35品目でなくてもいいですが、多品目を摂ることは大事。食べている品目が少ない人は腸内細菌の種類が少なくて腸内環境が悪く、多品目を食べている人は細菌の種類が多くて腸内環境がよいことがわかっています。人と食事をすると自分が普段食べないものを食べる確率が高まるのでおすすめですよ」(浅野先生)
MAQUIA9月号
撮影/佐々木美果 スタイリスト&料理製作/竹中紘子 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA)