「MAQUIA」6月号では、今注目されている栄養素「たんぱく質」について大特集。美肌のためにも、そしてコスメの成分としても活躍するそのパワーを解説します!
筋肉や美肌だけじゃない! メンタルや免疫にも深く関係
たんぱく質がよくわかる100知識
女子栄養大学教授
上西一弘先生
スポーツ栄養学の観点から選手の体作りを研究。たんぱく質に関する著書多数。
ビューティサイエンティスト
岡部美代治さん
化粧品の基礎から製品化までを研究してきた経験を基に、正しい美容情報を発信。
管理栄養士
大島菊枝さん
東京農業大学卒。著書に『一生太らない食べ方習慣 朝ごはんはすごい』(ワニブックス)。
ハリもうるおいももたらす立役者
たんぱく質でもっと美肌に
たんぱく質は肌の材料になるだけでなく、コスメの成分としても活躍。たんぱく質なくして美肌はならず!
コスメに配合されている
コラーゲンは保湿とハリを与える
「コスメに配合されたコラーゲンは、肌にうるおいやハリを与えるほか、角層を保護・補強する働きが。ただ、低分子のコラーゲンは真皮への働きかけが期待できるものも」(岡部さん)
7種のペプチドや低分子フィッシュコラーゲン配合でコラーゲン産生にアプローチ。mgb skin バイオセルポーション 8g×4本 ¥8800/MEGOOD BEAUTY
コスメに配合されている
アミノ酸は
肌で栄養として使われる
「コスメに配合されているアミノ酸は、保湿効果がメインで、肌の栄養として使われます。私たちが自ら作り出すのと同じ天然保湿成分なので肌に優しいのが特徴」(岡部さん)
1 うるおいやハリ感に関与する11種のアミノ酸や、ハリシェイプペプチドを配合。ミノン アミノモイスト エイジングケア ミルククリーム 100g¥2530(編集部調べ)/第一三共ヘルスケア 2 保湿バリア機能を改善するD-アミノ酸配合。アクアレーベル スペシャルジェルクリームN 90g¥1980(編集部調べ)/資生堂
コラーゲンに働きかける
最新コスメには2大潮流がある
「コラーゲンに働きかけるコスメには、大きく分けると2つの潮流があります。ひとつは真皮のコラーゲンを劣化から守るタイプのもの。もうひとつはコラーゲンの産生を促すタイプのものです。シワの改善や、ハリ感アップなどの効果が期待できます」(岡部さん)
1 ピュアビタミンCが、紫外線による活性酸素でコラーゲンが破壊されるのを予防し、産生も促進。オバジC25セラム ネオ 12ml ¥11000/ロート製薬 2 真皮のたんぱく質を変性させるカルボニル化を防ぐ成分や高濃度ビタミンCで美白。スーパーホワイト377VCブライトニングセラム 30ml ¥7700/ドクターシーラボ
1 コラーゲンを作るほか肌本来の保湿や生まれ変わりの機能を助ける酵素に着目。クラリフィック デュアル エッセンス ローション 150ml¥12100/ランコム 2 肌表面、真皮、皮下組織にアプローチし、ハリを損なう要因を排除。セラムラフェルミサンS 40g¥33000/クレ・ド・ポー ボーテ 3 ヒートショックプロテインに着目。良質なコラーゲンを産生し、ハリ肌へ。ドモホルンリンクル クリーム20 30g¥14300/再春館製薬所
コスメでも
真皮のたんぱく質に
アプローチできる
「たとえばポーラの『リンクルショット』に含まれるニールワンは、真皮のたんぱく質の生成と分解のバランスを整え、シワを改善することがわかっています。また、レチノールも真皮のコラーゲンやヒアルロン酸などの産生を促してシワを改善します」(岡部さん)
1 純粋レチノールでシワ改善。エリクシール シュペリエル エンリッチド リンクルクリーム S 15g¥6380(編集部調べ)/エリクシール 2 ピュアレチノールが肌のきめをケアし、なめらかに整える。レダミック R アイクリーム 15ml¥3740/ラ ロッシュ ポゼ 3 肌のコアに働きかけるチオレドキシン配合。コアエフェクター 18ml ¥8030/ファンケル 4 真皮に働きかけシワを改善。リンクルショット メディカル セラム N 20g ¥14850/ポーラ
美肌目的なら
ビタミンCも一緒に摂るべし
「コラーゲンの原料となるアミノ酸のひとつ、ヒドロキシプロリンを合成するにはビタミンCが必要なので、たんぱく質と一緒に摂るのがおすすめ。柑橘類や緑黄色野菜などから補給を」(上西先生)
最強の美肌たんぱく質食材は鮭と卵
「卵はたんぱく質はもちろん、ビタミンC以外のすべての栄養を含む完全栄養食。ビタミンC食材を足せば最強です。また、鮭はたんぱく質が多いうえ、抗酸化成分アスタキサンチンも摂れ、最強の美肌食材!」(大島さん)
最強の美肌食材で作る美肌メニュー
「サーモンとディルのせゆで卵」
材料(1人分)
サーモン…1切れ
ゆで卵…1個
A
オリーブオイル…適量
ビネガー(白ワインか白バルサミコ)…小さじ1
塩…適量
粗びき黒こしょう…適量 ディル…適量
ベビーリーフ…適宜
作り方
① サーモンに塩ひとつまみ(分量外)振って5分ほどおいてから水気を拭く。オリーブオイル大1/2(分量外)をフライパンに熱し、弱めの中火で焼き、サーモンの半分くらいまで火が通ったら、返して同様に焼く。
② ゆで卵を食べやすい大きさに切り、Aと混ぜ合わせかける。刻んだディルと粗びき黒こしょうを振る。あればベビーリーフを添える。
ダイエットをすると、
コラーゲンやヒアルロン酸
の合成量が減る
「ダイエットをするとたんぱく質摂取量が減るので、コラーゲンやヒアルロン酸の合成量が激減し、肌のたるみの元に。食事を制限するダイエットはNG」(上西先生)
太ってもコラーゲン合成が妨げられる
「体脂肪が増えるとコラーゲン作りに関わるホルモンが減り、合成が妨げられる可能性があるので注意。太らないよう、たんぱく質は低脂質の食品を選んで」(上西先生)
美白に効果的な
アミノ酸L-システインも
たんぱく質
「アミノ酸のL-システインは、色素細胞のメラノサイトの中でメラニンが作られるのを抑えたり、黒いメラニンを肌色メラニンにする働きがあり美白に効果的」(岡部さん)
たんぱく質は変性すると害になる
「古い角層はたんぱく質で、変性するとバクテリアが食べて繁殖し、肌に悪さをします。糖化もたんぱく質の変性で体へのダメージに。また、コンタクトレンズの汚れも変性たんぱく質で、細菌が繁殖すると目のトラブルの元に」(岡部さん)
変性たんぱく質を
リニューアルする機能が
人間の体にはある
「私たちの体には、細胞内でたんぱく質が変性したときに、これを作り直すシステムが備わっています。これをオートファジーと言います。変性したたんぱく質を分解し、再利用するシステムです。ただ、糖化した変性たんぱく質は、なかなか分解されずオートファジーが働きにくいと言われています」(岡部さん)
MAQUIA 6月号
撮影/菊地泰久〈vale.〉(人物) 豊田朋子(料理・食材) ヘア&メイク/河嶋 希〈io〉 スタイリスト/黒崎 彩〈Linx〉(モデル) シダテルミ(料理) モデル/佐々木莉佳子(アンジュルム) 料理製作/大島菊枝 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA) 撮影協力/UTUWA
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最終更新日: