「MAQUIA」5月号では、何年先もぶれない美を手に入れるための内臓美容に注目。女性の一生に大きく関わる臓器である「子宮・卵巣」のQ&Aに、ドクターが答えます!
健康こそが最高の美容法♡
内臓美容100BOOK
産婦人科専門医
宋 美玄先生
丸の内の森レディースクリニック院長。女性の性、妊娠などの啓蒙活動を行う。著書に『医者が教える 女体大全』(ダイヤモンド社)など。
女性の一生に
大きく関わる臓器
子宮・卵巣
女性ホルモンを分泌する卵巣と胎児を育てる子宮。妊娠したいと思った時に対応できる体作りを。
子宮を温めても
変化なし
「子宮は体の深部にあり、体内の環境は一定に保たれています。日本に住んでいれば少し温めたくらいで状態は変わりません。ただ、冷えは体によくないので、冷やさないようにして」
ホルモンバランスが悪いと
ニキビができやすい
「女性でも男性ホルモンが少量ながら分泌されています。ホルモンバランスが乱れると、男性ホルモンが優位になってニキビができやすく。体毛が濃くなるケースもあります」
生理があっても
妊娠できるとは限らない
「出血があっても無排卵性月経では妊娠しません。その場合、月経周期が乱れているケースがよくみられます。過度なストレスやダイエット、不摂生などが無排卵性月経の誘因に」
日本人女性の4人に1人が
子宮筋腫持ち
「子宮筋腫は子宮にできる良性の腫瘍。できた位置や個数、大きさを確認したうえで、経過観察することがほとんどです。悪性に変化することはほとんどありません。ですが貧血がひどくなったり、妊娠しにくくなるケースもあるので、放置しないで定期的な診察を」
貧血は子宮筋腫の
サインかも
「生理時は子宮内膜がはがれ、月経血に。子宮筋腫が子宮の内側に向かって大きくなると子宮内膜の面積が増えるため月経血も増加します。すると鉄分が不足し、貧血の症状が」
毎月の排卵は
体の負担に
「排卵を起こすために女性ホルモンが変動し、月経前の不調、子宮内膜症などの原因に。また、排卵は卵巣の細胞を傷つけます。妊娠を望まない時は排卵を休ませることも必要」
排卵を止めれば、
生理による不調がなくなる
「生理周期に伴って、2種類の女性ホルモンの量が大きく変動しますが、排卵が止まると穏やかに。すると子宮内膜が薄くなって生理も生理痛も軽減。生理前の不調もなくなります」
ピルは
いいことずくめ
「ピルの効果は避妊だけではなく、排卵を止めることで生理を軽くしたり、ニキビの改善や卵巣がんなどのリスク低下にも。ピルをやめれば3カ月ほどで排卵が再開し、妊娠も可能です。ピルは体に合うものが選べ、より体への負担が少ない黄体ホルモン療法もあります。副作用等は医師の説明を受けること」
女性ホルモンを
整えると美肌に
「女性ホルモンのエストロゲンには肌の水分量をアップさせたり、コラーゲンを増やす働きが。もう一種類の女性ホルモンとのバランスを整えることでうるおいとハリに満ちた肌が期待できます」
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30代で更年期に
なることはまれ
「卵巣機能が低下して生理が永久に来なくなる早発月経を除き、30代の更年期はまず考えられません。ただ、年に数回しか生理が来ないのに放っていると卵巣機能が衰えることも」
卵巣はストレスの
影響を受けやすい
「卵巣は脳の視床下部と下垂体から指令を受け、動いています。視床下部は自律神経のバランスも取っているため、ストレスで自律神経が乱れるとその影響が卵巣にも及びます」
過度なダイエットで
卵巣機能が低下
「過度なダイエットをすると体は飢餓状態に。すると、心臓や脳など生命維持に必要なところを優先して動かそうとするため、卵巣機能が低下。生理も止まってしまいます」
生理前に心の
不調が出る人も
「生理が始まる3〜10日くらい前からイライラしたり、気分が落ち込む人も。原因は排卵後に急激に増加する女性ホルモン、プロゲステロン。月経前症候群の症状のひとつです」
子宮内膜症は
もはや国民病
「腹膜や卵巣など子宮以外の場所に子宮内膜が飛び、増殖と出血を繰り返すのが子宮内膜症です。20〜40代に多く、日本人女性の約10人に1人といわれるほど。不妊症の原因にも」
健康には実は子宮より
卵巣が大きく影響
「妊娠すると子宮は胎児を育てる部屋になり、子宮内の胎盤から酸素や栄養などを胎児に送ります。それ以外の時は筋肉組織です。なので健康やメンタルに関係するのは実は卵巣の方なのです」
卵巣機能のために
睡眠は重要
「いい睡眠によって自律神経がきちんと働くと、脳の視床下部から卵巣に正しい指令が送られます。睡眠不足になると女性ホルモンの分泌に影響するだけでなく、様々な臓器にも悪影響が」
20~30代に多い
多嚢胞性卵巣症候群
「排卵障害のひとつで、生理不順やニキビができやすい、体毛が濃くなるといった症状が見られ、妊娠しにくくなることも。超音波検査や血液検査などで調べられます」
子宮や卵巣は
年1回の検診を
「女性特有の病気を早期に発見するために欠かせない定期検診。セックスの経験があるなら子宮頸がん検査も必要です。将来、後悔しないためにきちんと受けましょう」
卵巣と子宮を守るには、
生理周期を知ることから
「女性にとって生理は健康のバロメーター。生理周期を知ることで生理の遅れに気付いたり、不調が起きやすい時期などもわかります。最低限、生理の日を把握して」
MAQUIA 5月号
撮影/彦坂栄治〈まきうらオフィス〉 ヘア&メイク/木部明美〈PEACE MONKEY〉 スタイリスト/櫻井かおり モデル/朝比奈 彩 イラスト/德丸ゆう 取材·文/中木 純〈デジタルライツ〉 構成/萩原有紀(MAQUIA)
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最終更新日: