美容成分からコスメを選びたくなったら始めどき。おなじみの成分から話題の新成分まで、正しい知識を#美容成分辞典でディープに楽しく学んでいきましょう。ここでは、「グリセリン」の特徴や働きについてコンパクトに解説。
医師が回答するMAQUIA公式ブロガー・美容ライターなど美容に関心の高い方からのさらに踏み込んだQ&Aも掲載しているので、美容成分について、もう一歩深く知りたい方にお勧めです。
- 「グリセリン」の成分をチェック!
- 「グリセリン」配合スキンケアコスメの肌に嬉しい効果とは?
- 「グリセリン」を含むスキンケアコスメを選ぶ・使用する際に注意すべきことは?
- 医師が回答! 美容成分「グリセリンのここが知りたい 」
≫化粧品の基本成分として広く使われている「グリセリン」 の魅力
「グリセリン」の成分をチェック!
ヤシ油などの油脂、もしくは石油を原料として得られる無色透明の液体で、毒性がほとんどないため、目薬や脳圧降下薬など医薬品にも使われるほど。化粧品には植物由来のものが多く使われています。
生体内にも存在するきわめて安全性の高い成分なので、BG(ブチレングリコール)と並ぶ化粧品のベース成分となっています。やや粘性があり、水分を吸収する性質があるため、化粧水からクリームまでさまざまな化粧水に使われる代表的な保湿剤です。水となじむと発熱する特性があるため、ホットクレンジングなどにも配合されることがあります。
※イメージ図
「グリセリン」配合スキンケアコスメの肌に嬉しい効果とは?
「グリセリン」は肌をうるおすだけでなく、柔らかく整える作用もあるので、乾燥肌や硬さのあるエイジング肌のケアにおすすめです。保湿力が高く低刺激なので、敏感肌の人でも安心して使える保湿剤のひとつです。
「グリセリン」を含むスキンケアコスメを選ぶ・使用する際に注意すべきことは?
冬場など湿度が低い時期には肌のうるおいを吸収してしまい、逆に肌荒れを招く可能性があります。単独で使用するのではなく、他の保湿成分と組み合わせて使うことが重要です。濃度が高いとベタつきを感じることがあり、アクネ菌のエサになってニキビを招く可能性があるので、ニキビができやすい人、皮脂分泌が活発な部分への使用には注意が必要です。
≫美容成分Q&A
医師が回答! 美容成分「グリセリンのここが知りたい 」
美容に関心の高い方から募った「グリセリン」についての疑問を、医師・友利新先生に伺いました。
内科・皮膚科医
友利 新先生
医師(内科・皮膚科)、日本内科学会会員、日本糖尿病学会会員、日本皮膚科学会会員、日本抗加齢医学会会員。東京女子医科大学卒。同大学病院の内科勤務を経て皮膚科へ転科。「体で一番大きな臓器である肌を健やかに保つことは、健康を保つことにつながる」をポリシーに、見た目だけでなく心のQOL(生活の質)を上げていく丁寧な診察で人気に。現在都内クリニック勤務のかたわら、美容と健康のための正しい情報を発信する啓蒙活動を、マキアを始めとした雑誌やWEB媒体、テレビなどで多く手がける。2004年第36回準ミス日本。YouTubeやInstagramでの発信も好評。著書多数。最新刊は、YouTubeで紹介したトピックスを中心に美容知識と最新情報を盛り込んだ『女医が教えるキレイのとっておき 読む 友利新チャンネル』(飛鳥新社)。
Q.グリセリンにはいくつか種類はありますか? 白ニキビができることがあるので、グリセリンの種類による効果の違いがあれば知りたいです(MAQUIA公式ブロガー 麻衣子さん)
A.「グリセリンにもいろいろ種類がありますが、市販されているものは基本的に“グリセリン”としか書かれていないので、その種類を知る必要はないかなと思います。また、グリセリンでニキビができるという声が時々上がりますが、今のところ、そういった医学的な報告されていません。
そして、グリセリンはどちらかといえばアミノ酸などに近い、水を吸着して保湿する成分なので、使うとニキビができやすくなる油膜とは違います。もちろん、ご自身がグリセリンを使うことでニキビができやすくなると思われるなら避けた方がいいですが、ニキビができやすい成分というわけではないですね」(友利先生)
Q.食品添加物としても使われるようですが、添加物と聞くと少し抵抗があります。体への悪影響はありますか?(MAQUIA公式ブロガー Sayakaさん)
A.「食品添加物として使われるものと、化粧品に使われるものとは多少の違いがあります。また、添加物と聞くと抵抗があるかもしれませんが、『食べられるくらいに安全性が高い』ともいえます。濃度によりますが、アルコールの一種なのでそこまで怖いものではないですよ」(友利先生)
Q.グリセリン配合のアイテムを使用する際の注意事項はありますか?(MAQUIA公式ブロガー Luminousさん)
A.「昔から使われていて、とても安全性が高い成分です。もともと人の肌の上にも存在しているものですし、化粧品のベースとしてよく使われる成分ですから、配合されていない化粧品を探すのが難しいほど。使用する上で特別に何か注意する必要はありません」(友利先生)
取材・文/高見沢里子 イラスト/きくちりえ 構成/有住美慧 監修/友利 新
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