長く続いたストレスと、閉塞感いっぱいの毎日から解き放たれつつある今、肌だけでなく心身も健康でありたい。そんな思いを背景に、ますます多様化するコスメ選びは本質を見極めて。そう語る二人が今期注目の美容キーワードを考察!
\全力で推したい/
MAQUIA2022上半期
ベストコスメ発表
安倍佐和子×松本千登世が解説します
2022年上半期
美容トレンドはより広い視点で、よりウェルネスに!
ビューティエディター
「『サステナブル』は、ハイブランドでもプチプラでもスタンダードに」
美容界の動向を、時代性や人々の意識から読み解いて解説。丁寧な生き方が透けて見える文章や語り口にファンが多い。多くの雑誌やWEBで活躍、著作も人気。
新知見
大人毛穴の敵は“酸化”と“糖化”
今期、大手メーカーが本気で取り組んでいたのが毛穴コスメ。「毛穴や角栓など肌の“ノイズ”を物理的に取り去るんじゃなく、内側=根本からケアする秀作が新しかった。サイエンス的なアプローチに変わったよう」(安倍さん)。「エストの洗顔の抗酸化、ポーラの化粧水の抗糖化アプローチは確かに象徴的。今年は『毛穴年』になるという声も」(松本さん)
スター成分
多機能ブライトニングにナイアシンアミド
美白コスメで注目された成分がナイアシンアミド。「今期のスター成分は、間違いなく美白にもシワ改善にも肌荒れ防止にも働くナイアシンアミドで、ディオールみたいにその進化型を開発するところも。エイジングケアといえば、今後はNMNも要注目。今はサプリメントなど経口がメインだけど、今後コスメでどう化けるか楽しみ!」(安倍さん)。「美白を『ブライトニング』というようになり、ランコムの美容液やディオールの乳液をはじめ、エイジングケアまでするものも増えました」(松本さん)。「今年は美白コスメが様変わり。肌の色の均一化より『質』の均一化を目指し、より本質から肌を見つめ直すようになってきましたね」(安倍さん)
ストレス肌
マスク敏感肌の救世主 ヘパリン類似物質
長引いたマスク生活で敏感肌を意識したコスメが激増。「ディオールやゲランといったブランドも敏感肌、肌荒れ対応を意識し出したのは面白いな、と」(松本さん)。「治療薬に使われ、カルテHDで認知度が上がったヘパリン類似物質は、保湿力や抗炎症効果に優れ、肌がゆらぎやすい人は覚えておくといい成分」(安倍さん)
ベースメイク
ヘルシーな肌印象のグロウベース
健康への脅威が身近にあった中、肌にも生命力やウェルネスを求める傾向が。「だからベースメイクは『グロウ』に。SUQQUの『艶高い』というキーワードは響きました」(安倍さん)。「マットでも自然なツヤは消さない方向に。ベースメイクも多様化して、きちんと服を着る人も青空の下が好きな人も自分に合うものが選べるけど、SUQQUは両方いけるのが魅力的」(松本さん)
サステナブル
肌&海を守る“持続可能”なビーチフレンドリーUV
サステナブルはもはやコスメにおいてもスタンダードに。「同じ価格ならそこを意識したものを選びたいと思う」(安倍さん)。「シャネルをはじめ、以前からそうした取り組みをしていたハイブランドも、そこを深めてアピールするようになりました」(松本さん)。「そんな中、嬉しいのがアリィー、ネクスタなど海洋汚染に配慮したUVの登場。環境を意識しながらUVケアできる製品は今後ますます増えていくと思います」(安倍さん)
トレンドカラー
アイメイクのトレンドは曖昧ニュアンスカラー
黒でも茶でもなく、微妙な色のアイライナーをはじめ、「何色」といえないニュアンスカラーのアイメイクがトレンドに。「そのあえて強く主張させない力の抜けた感じが今期の気分にぴったり」(松本さん)。「髪色に合わせて眉色を選ぶのが当たり前になり、眉と合わせたり、マスクと目もとをコーデする人もいたり、トータルなバランスで考えるようになったかも」(安倍さん)
トピックス
ビューティギアのヒットの裏にシェア美容
美容ギアも大充実。「ヤーマン、ReFaをはじめ、フェイス用もボディ用もヘア用も。おこもり美容の延長なのかも」(安倍さん)。「自力以上他力未満で外に行かずにキレイになれたら嬉しい。今、そのニーズはもうジェンダー関係なくボーダレス。パートナーとシェアすることも増えています」(松本さん)。「最近はスキンケア、ヘアケアだってシェア。これからコスメもますますボーダレスの方向に」(安倍さん)
MAQUIA8月号
撮影/天日恵美子(人物) ヘア&メイク/藤本 希〈cheek one〉 取材・文/巽 香 構成/髙橋美智子(MAQUIA)
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