肌/体/心 季節の変わり目はみんなゆらぎます
秋ゆらぎを解決する100問100答
誰にでも起こりうることなのに春より無防備で、ケアが遅れがちな秋ゆらぎ。先手先手のメンテナンスで深刻な事態をくい止め、美肌、美ボディ、安定した心をキープして。
教えてくれたのは…
自身も敏感肌。30年にわたり、ゆらぎ肌コスメの取材を続ける。
皮膚科医。多くの女性のゆらぎ肌と向き合い、ケア法を指導。
資生堂 ブランド価値開発研究所
菊田雅之研究員
長年、敏感肌についての研究・製品情報開発に従事。
東京女子医科大学附属 東洋医学研究所所長
木村容子先生
日本内科学会認定医。日本東洋医学会理事、専門医、指導医。
天気痛ドクター 愛知医科大学客員教授
佐藤 純先生
日本初の気象病外来・天気痛外来を開設。天気痛の第一人者。
漢方コンサルタント 国際中医相談員
櫻井大典先生
中医学と心理学で健康にたくましく生きられる生活習慣を提案。
ともクリニック浜松町院長 精神科医
福永伴子先生
著書に『わたしのココロにしてあげたいこと。』(朝日新聞出版)。
急激にピンチに陥る
<秋の肌>
季節の変わり目は、肌にとって「迷い」の時期。肌ゆらぎを放置すれば、敏感肌やエイジングを招いてしまう!
Q1. 秋ゆらぎって どういう肌状態?
A 環境変化にうまく順応できないプチトラブル状態
「夏から秋にシフトするときの急激な環境の変化に適応できず、肌がカサつき、バリア機能がダウンした状態が秋ゆらぎ。いつものスキンケアがしみたり、赤みやひりつきなどが出てしまうことも」(髙瀬先生)
Q2. なぜ、秋に肌がゆらぐの?
A 乾燥、気温の低下、花粉、大気汚染物質の影響でバリア機能がダウン
「夏の紫外線ダメージの蓄積、急激な湿度の低下、気温の低下(寒暖差)が秋ゆらぎの原因に」(菊田さん)「秋特有の花粉や、秋にも空気中に漂っているPM2.5が肌にダメージを与えているのも原因の一つです」(小田さん)
(右)寒暖差による肌の潤い低下をケア。d プログラム カンダンバリア エッセンス 40ml ¥3300/資生堂インターナショナル (左)秋花粉、PM2.5の付着をブロック。フイルナチュラント エクスバリア スキンプロテクト スプレー 70g ¥1320/ドクターフィル コスメティクス
Q3. 残暑も乗り切って気持ちのいい季節なのに、なぜ肌が不調に?
A 夏のあいだの紫外線ダメージで肌免疫が低下
「湿度が下がると快適だけれど、肌にとって理想の湿度60%を下回ると乾燥し、不調に」(髙瀬先生)「夏の紫外線ダメージの蓄積で、肌に備わる免疫力がダメージを受けてしまうからです」(菊田さん)
(右)肌免疫をケアして強い 肌に。アルティミューン パワライジング コンセントレ ート Ⅲ 50ml ¥13200/SHI SEIDO(左)低湿度でも潤 う肌へ。リポソーム アドバンスト リペアセラム 50ml¥12100/コスメデコルテ
Q4. マスクゆらぎは打つ手なしなの?
A いえいえ、日中保湿が打開策に!
「呼気で蒸れた肌から一気に水分が奪われるのがマスクゆらぎの原因。マスクを外したら、ミストなどで保湿を」(髙瀬先生)
(右)ツボクサエキス(シカ)がゆらぎをケアしながら保湿。シカメソッド ミスト 100ml ¥1760/コジット(左)秋花粉やPM2.5をブロックしながら保湿。アヤナス モイストバリア ミスト 50ml ¥2970/ディセンシア
Q5. 肌がゆらぐとシワ、たるみになりやすい?
A はい。炎症がさまざまなエイジングを誘発させます
「ゆらぎ肌の根底には、炎症があります。放っておけば炎症がシミ、シワ、たるみのもととなる指令を誘発。ゆらぎ肌はすみやかに鎮静ケアを」(髙瀬先生)
(右)肌を鎮静しながらシミ、シワを改善。肌ラボ 極潤薬用ハリ化粧水(医薬部外品) 170ml ¥1100 (編集部調べ)/ロート製薬(中)肌免疫を高めながらシミ、シワをケア。 immuno アドバンスド ホワイトリフト(医薬部外品) 20g ¥5940/プレミアアンチエイジング(10/13発売)(左)外部刺激から肌を守り、シミをケア。イハダ 薬用クリアバーム(医薬部外品) 18g ¥1760(編集部調べ)/資生堂薬品
夏の疲れを癒やして冬への備えを
<秋の体>
急に涼しくなる秋は、体にも不調が起きがち。また、食欲も出やすく太りやすい時期。元気に過ごすコツとは?
Q1. 秋に起きやすい体の不調って?
A 空咳など乾燥によるトラブルが増える
「漢方では秋は五臓の“肺”と関係が深い季節。体が乾燥しやすい時期でもありますが、肺は乾燥に弱く、弱ると空咳が出たり、鼻やのどが乾くなど、乾燥によるトラブルが増えます」(木村先生)
Q2. 秋を元気に過ごすための養生の基本とは?
A 夏疲れのリセットと、うるおい補給
「夏疲れを持ち越すと冬に風邪をひきやすくなるのでリセットを」(木村先生) 「乾燥すると肺が弱るので加湿器や食べ物で乾燥を防ぎましょう」(櫻井先生)
Q3. 秋バテかも。改善するには?
A 胃腸を休めて、十分な睡眠を
「夏に水分や冷たいものを摂り過ぎて、胃腸が弱って秋バテした人は、温かいものを摂って胃腸の働きを良くしましょう。夏の寝苦しさからくる睡眠不足によって秋バテした人は、十分な睡眠を」(木村先生)
Q4. 朝晩の寒暖差から体調を崩すのを防ぐには?
A 入浴で体温調節機能を整えて
「気温の差が5度以上あると自律神経が乱れ、体温調節機能に影響し不調を招きます。入浴で循環をよくすると機能が整うので、せめて週に2回は湯船に」(木村先生)
Q5. 急に涼しくなる頃に気を付けることは?
A 薄着も、急な厚着も避ける
「夏のままの薄着を続けないこと。とはいえ、急に厚着をすると汗をかいて乾燥を招いてしまうので、ストールや羽織りものを常備して調節しましょう」(櫻井先生)
どことなくさみしくなる季節
<秋の心>
”物思いの秋”という言葉があるように、秋は心の状態も不安定になりがち。対策を覚えておいて乗り越えて。
Q1. 秋になってから落ち込みやすくなりました
A 日照時間が減ることからくる季節性うつかも
「幸福感をもたらす神経伝達物質のセロトニンは太陽光を浴びると増えますが、秋〜冬は日照時間が減るので落ち込みやすく。これを季節性うつといい、その可能性があります」(福永先生)
Q2. 季節性うつの対策は?
A 早めに起きて日光を浴びる時間をとって
「朝、いつもより早く起きるようにして太陽光を浴びる時間を増やしましょう。セロトニンはウォーキングやヨガなど体を動かすことでも増えるので実践を」(福永先生)
Q3. 季節性うつの改善にいい食事って?
A トリプトファンを含む食品をしっかり摂る
「セロトニンの材料となるのがトリプトファンという成分。納豆などの大豆製品、チーズやヨーグルトなどの乳製品、バナナ、肉、魚などに多いので補給して」(福永先生)
Q4. 夏が終わってしまって、なんだかさみしさや悲しさが……
A “肺”が弱ると悲しみに襲われやすいので注意
「漢方で秋は“肺”の季節ですが、肺は悲しみの感情とつながり、肺が弱ると悲しみに襲われ、するとさらに肺が疲弊します。肺は乾燥に弱いので、加湿器やうるおす食材などで予防を」(櫻井先生)
Q5. 最近、無気力で、やる気が出ない。原因は?
A セロトニン不足を可能性が
「やる気が出ないのはセロトニン不足の可能性が。セロトニンが不足するといつもは耐えられるストレスにも耐えられなくなり、気力や体力が削られるのです」(福永先生)
MAQUIA 2021年11月号
撮影/三宮幹史〈TRIVAL〉(モデル) 藤澤由加(マキアビューティズ) ヘア&メイク/北原 果〈KiKi inc.〉(モデル) 榛沢麻衣(マキアビューティズ) スタイリスト/松尾正美 モデル/椎名美月 Yuk(i マキアビューティズ) イラスト/しらいしののこ 取材・文/小田ユイコ 和田美穂 構成/村岡真知子(MAQUIA)撮影協力/AWABEES
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編集部
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