1985年のブランド誕生以来長い間愛され続けているプチプラコスメのクイーン・キャンメイク。コスメ戦国時代の今も幅広い世代から支持され、下は小学生、上はなんと80代まで！ 手に取りやすい価格ながらトレンドを押さえたコスメが揃い踏みのキャンメイクを深掘りすべく、製品が誕生するまでのヒストリーや安さの秘密など、キャンメイクさんにお伺いしました。
Q.最近のヒットアイテムは？
A.新感覚の涙袋コスメから、ミニサイズの多色パレットまで以下の５品！
それぞれのアイテムがヒットした理由、こだわりポイント、ネーミング秘話など、PR＆商品企画を務める担当者目線で深掘りしていただきました。
通常１ヶ月で出荷する数量を、まさかの３日で達成！ 【プランぷくコーデアイズ 01】
キャンメイク プランぷくコーデアイズ 01 ￥792／井田ラボラトリーズ
“１つで３種の涙袋が作れる仕様が画期的”“特に下段中央の影色がいい！”など、MAQUIAスタッフやメイクアップアーティストの間でもバズった製品が大ヒット！
「涙袋の作り方に悩んでいる方が迷わず涙袋を作れるところが刺さったのではと考えています。アプリコット系ベージュの01は、イエベもブルべも使いやすい色味。キャンメイクでは赤みのあるアイシャドウが人気なので、涙袋メイクとしてはピンク系の02よりも01の方が合わせやすく、より人気が出たのではと考えています。
また、個人的な体感ではありますが、"プランぷく"という何かよくわからないけれど、”ぷっくりした丸みのあるもの”を想像できて、覚えやすいワードだった点も拡散しやすく、ヒットに繋がったのかも。お客様が”プランぷく”と覚えてくださり、SNSでもよく目にしましたし、より大勢の方に知っていただけた印象があります。
”プランぷく”は造語なのですが、キャンメイクのオリジナルで涙袋を可愛く表現できたお気に入りのネーミング。中身で１番こだわったのは下段中央の血色影カラーで、実はチークを参考に調色しています。クマに見えない影にこだわったので、ぜひ一度使ってみてください！」（山口さん）
限定で発売後即売れ。定番製品となり過去イチのとんでもない数量を製造することに！ 【プティパレットアイズ 02】
キャンメイク プティパレットアイズ 02 ￥1078／井田ラボラトリーズ
全８色もシャドウが入って、持ち歩けるミニサイズ、毎日使いできる配色も気が利きまくっているこちらのパレット。発売時のざわめきを覚えている人も多いはず。
「先行で限定発売したとたん、即メーカー在庫が完売。７月下旬の先行発売時には、増産予定数量がとんでもない数でした！
商品としては1000円ちょっとで８色もアイシャドウが楽しめること、それでいてリアルに使える色ばかりのカラーがセットされているところが売り。ヒットの理由は①持ち歩けるサイズ感、②パッケージの可愛さ、だと思っています。02はキャンメイクの売れ筋アイシャドウの色味を参考にした赤味ブラウン系で、TPOに関わらず毎日自然と手が伸びてしまうような万能カラーを目指しました。
何度も改良した中身はもちろんなのですが、一番こだわったのは容器の特に蓋なんです！ キャンメイクの中では高価格帯の製品なので、可能な限り高級感があって、キャンメイクらしさがありつつも既視感のない、他社さんの多色パレットにはない可愛さを持った容器にしたいと思っていました。はじめに参考にしたのは波打ったガラスのお皿で、最終的には水面の画像をターゲットにして作りました。初めてサンプルを見た時はうるうる感が想像以上に可愛くて、”これは絶対キャンメイクのお客様が好きだ!!”と、自分でも発売が楽しみに。
他にも容器裏にハートを彫ったり、型押しをしたりと、可愛さをこれでもかとぎゅっと詰め込んだパレットです。
企画歴10年の担当者が作ったのですが、過去イチ、デザインにこだわった思い入れも強い商品です」
全３色で発売したものの、この色だけ什器が空っぽに。【むちぷるティント 02】
キャンメイク むちぷるティント 02 ￥770／井田ラボラトリーズ
製品名の通りむっちりとした唇になれ、色持ちも◎。デパコス級の発色と使用感ながらたったの￥770というお手頃プライスで、美容マニアをも虜にした名品。
「02番は果汁感たっぷりのまさに“モモ”そのものという色が作りたく試行錯誤しました。色チップでイメージを探りながら何度も理想の”モモ”になるように改良しました。
ズバリわかりやすいように、色名も”モモ”としたことで、SNSでも色名でたくさんの口コミを書いていただけたことがヒットに繋がったのではと思っています。
むっちり＆ぷるぷるな唇に見せたい！（※メイクアップ効果による）、ツヤも欲しい！ 色持ちも絶対大事！ そんなわがままを１本に詰め込んで作ったリップです」
大好評につき限定品から定番製品に。【クリームチーク（パールタイプ） P05】
キャンメイク クリームチーク（パールタイプ） P05 ￥638／井田ラボラトリーズ
プロにも愛用者の多いキャンメイクのクリームチーク。今年発売されたこの色は、テクなしで透けたような肌に見せ、ほのかなツヤも宿す絶妙なラベンダーカラーが話題に。特にブルベ民を熱狂させた！
「クリームチーク（パールタイプ）シリーズ初の、青ラメ入りのP05番。チークとしてもハイライトとしても使える絶妙な淡い色味にしたかったため、何度も改良を重ねました。ピンクみのあるパープル加減とパールの配合量に特にこだわっています。
ヒットの理由としては、意外と使いやすい色味がお客様に受けたのでは、と考えています。ブルベだけではなく、イエベの方でも使えるというお声もあり、絶妙な透け感と発色にこだわった甲斐がありました。発売後、多くのお客様がSNSで載せてくださったことによってさらに売れた印象です！この色がヒットしたことで改めて製品自体を注目していただけるようになり、既存色の出荷数も上がりました」
PRチームも予測していなかったのに、まさかの大ヒット製品に！ 【マシュマロフィニッシュパウダーブラシ】
キャンメイク マシュマロフィニッシュパウダーブラシ ￥528／井田ラボラトリーズ
ずっと人気のマシュマロフィニッシュパウダーにセットインできる専用のブラシ。付属のパフよりも抜け感のあるマット肌を素早く作れるし、メイク直し時にも重宝。毛量たっぷりの本格派ブラシもキャンメイクだと￥528というから凄い。
「以前、マシュマロフィニッシュパウダーに使っていただけるブラシを販売していたことがありましたが、その頃は目立つ商品ではありませんでした。
５色のコントロールカラーを混ぜて使う、”マシュマロフィニッシュパウダー ～Abloom～”のヒットにより、お手持ちのブラシでAbloomをご使用いただいているお客様がSNSで多数見受けられ、パフで仕上げるよりもブラシの方がよりナチュラルなマット肌になることから、ブラシ需要があることがわかりました。
より粉取れがよくなるように、ブラシの毛のウェーブ具合にもこだわり、何パターンものサンプルを試し、既存のブラシを改良をしました。
最大の特徴ともいうべき、”容器にセットして持ち運べる専用ブラシ”という点が認知されていない印象だったためパッケージに目立つように記載したことで、”マシュマロフィニッシュパウダー ～Abloom～”を今まで使っていた方に手に取っていただけたと思います」
Q.製品構想から完成までどのくらいかかる？
A.基本的には製品構想から完成まで、約1年です
「”こんなのあったらいいのにな”という製品を、作ることは商品企画がいつも考えていることであり、目指しているところでもあります。
“消費者の思いにフィットする製品”というのは、声を大にしていうほどではない、お客様もあまり気が付いていないほどの小さな不満や小さな悩みを解決できるものだと思いますが、それを見つけることは簡単ではありません。大きい不満や大きい悩みは見つけやすいのですが、既にそこをカバーする商品が出ていることが多いためです。
しかし、歩いている時やお風呂の中など、プライベートでなぜか急にひらめくこともあり、無意識のうちに生活の中やSNSから目にするもの、自分でメイクしていて思うことからヒントを探しているような気がします。
“なぜスピーディーに製品化できるのか”と聞かれると、これが作りたい！ と思った時に、すぐに相談して作り始められる環境、消費者目線に近い私たち企画の意見を尊重して進めさせてもらえる環境が大きい気がします。
考案から発売までを各担当が一貫して担うことも、スピーディーに発売できる要因の一つだと思います」
Q.手に取りやすい価格で販売することができる理由を教えて！
A.「ひとりでも多くの方に気軽にメイクを楽しんでほしい」というブランド誕生当初からの想いに基づいているためです
「細かい工夫は多々ありますが、ブランド誕生のきっかけが、”ひとりでも多くの方に気軽にメイクを楽しんでほしい”という想いだったので、今でもその姿勢を変えずに日々頑張っているという点に尽きます。
キャンメイクは安心・安全な品質とともに、化粧品の適正価格にもこだわってみなさまに製品をお届けしたいと思っています」
Q.新製品のアイデアはどこでキャッチしている？
A.あらゆるSNSや媒体、情報を日々チェック。自身の悩みからヒントを得ることも多々
「SNSの情報やお客様の口コミ、ファッション雑誌、美容雑誌、他社の売れ筋・新商品は、日ごろからチェックしています。
商品企画はカテゴリーごとに担当者が分かれていますが、担当カテゴリー以外の売れ筋やスキンケア商品からヒントを得ることもあります。
その他、自分が毎日メイクしている中での”悩み・不満”から生まれることも多いです。年齢的な悩みをはじめ、気が付いていない悩み・不満が埋もれていないか、新商品のミーティング前はとにかく必死に考えています（笑）」
Q.製品のどこにこだわって開発している？
A.一言では言い尽くせませんが、担当のこだわりが出やすいのは容器かもしれません
キャンメイクのロゴとリボンが型押しされたリップマスク。細かいところまでときめきというこだわりを詰め込むのがキャンメイクスピリット！ キャンメイク メロウデューリップマスク ￥792／井田ラボラトリーズ（先行発売中。12月下旬より定番化）
「これは絞るのが難しいですね……。全部！ というのが正直なところです。どうしたらお客様に手に取ってもらえるかを真剣に考えて、中身・容器・色名・商品名・箱などに、各担当のこだわりを詰め込んでいます。
私はお買い物をする時に“ときめき”が購入するきっかけになることが多く、“ときめき”が大きいほどお気に入りになることが多いです。なので私の商品は“ときめいてもらえるか”を第一に考えていることが多いです。
中身をよくすることは大前提として、こだわりが出やすいのは容器かもしれません」
Q.復活希望が多い製品は？
A.クリーミータッチライナー 10 ココアグレージュ
「既存色にはない絶妙なニュアンス感のある淡めのグレージュが好評で、お客様サービス室へも度々復活希望のお声をいただいております」
撮影／久々江 満 取材・文／通山奈津子 企画・構成／横山由佳〈MAQUIA〉
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