人気ヘア&メイクアップアーティスト、岡田知子さん&岡野瑞恵さんのメイク対談が実現! 無駄のないメイクでその人の個性を引き出す両名が一番こだわる「洗練」について、徹底トークします。

岡田知子 岡野瑞恵 メイク

メイク界のLEGEND×NEXT LEGENDが語り合う

私たちが大事にしている新・美人論

ジャンルに縛られず美の可能性を広げる
岡田知子さん

ヘア&メイクアップアーティスト

岡田知子さん

ヘア&メイクを目指し、20代で単身渡米。コレクションのバックステージで多くの経験を積み、帰国後はあらゆるジャンルで活躍。

『MAQUIA』 2022年5月号 撮影/横浪 修

「細部の繊細さに『さすが!』と唸った1枚。儚げでありながら、甘すぎず芯のある雰囲気に釘付けに」(岡野さん)

初対面の印象は?
Tamae←Tomoko
メイクも人柄もムダがない
「とてつもないテクニックをお持ちなのはもちろんですが、それをあえて匂わせない仕上がりはさすが。岡野さんが纏う空気に触れるだけで、美しくなれるような気がしました」

ミニマムな中に洗練を香らせる
岡野瑞恵さん

ヘア&メイクアップアーティスト

岡野瑞恵さん

資生堂の専属アーティストを経て独立。資生堂時代に経験したパリコレには、巨匠のテクニックを盗むべく血眼になって参戦。

『大人のMake Book』(ワニブックス)

「ヌーディなのに、こんなにも印象に残る写真はなかなかない!」(岡田さん)。『大人のMake Book』(ワニブックス)

『MAQUIA』 2022年8月号 撮影/菊地泰久〈vale.〉

「岡野さんがメイクするえみちゃんがとても印象的。内面の可憐さを引き出す力に改めて尊敬した写真です」(岡田さん)

初対面の印象は?
Tamae→Tomoko
この人にしてこのメイクあり!
「経験や感性が非常に似ているなというのが率直な感想。新しい風を吹き込みつつ、軸がしっかりしていてブレないところも、洗練メイクにつながっている気がします」

私たちが大事にしている新・美人論 PART3

TALK ABOUT
削ぎ落とすことこそ洗練の醍醐味
無駄のないメイクでその人の個性を引き出す両名が大事にする、「洗練」に欠かせない条件とは?

土台に息づくのは海外コレクションでの経験

岡田 実は私、NYにいた頃に資生堂チームのコレクションのバックステージをお手伝いさせていただいて。岡野さんとニアミスしているんです。
岡野 そうなの!? 私は主にパリコレに参加していたから、NYは行ったことがないんだけど。でも、同じ時期に共通する経験があったんだね。
岡田 はい。あの頃を振り返ると、コレクションに飛び込みでアシスタント営業なんて、結構無茶してました(笑)。
岡野 でも、そういうバイタリティは絶対必要だよね。コレクションのメイクってとても独特で、シーズンを先取りしているからすごく勉強になる。しかも当時は、アーティストもビッグネームばかりだったし。
岡田 今でも当時のメイクを参考にすることは多いです。
岡野 私も。バックステージでは穴が開くほどデモを見て、ひとつでも多くのテクニックを持ち帰ってやろうって必死だった。
岡田 同感です! 
岡野 今思えば、当時の経験が私の「洗練」メイクの基本を作っている気がする。例えば、一度きっちりしたメイクを作って、その上からわざとオイルを重ねて、メイクをなじませるとか。自分では思いつかないような抜け感の作り方を学べたな。

引き算を恐れないことが洗練への第一歩

岡田 岡野さんの著書『大人のMake Book』の表紙を見たとき、とにかくハッとしたんです。「あぁ、メイクってシンプルで美しいものだったんだよな」って。
岡野 あの表紙、発売当初は「すっぴんですか?」ってよく聞かれたんですよ。そんなわけないのに(笑)。
岡田 でもそれって究極だと思うんですよ。コスメの匂いは極力消して、その人が持つ素材を最大限かつ自然に美しく見せる。まさに私が目指すところなので、本当に尊敬しかないです。
岡野 ヘア&メイクだからもちろんメイクはするけど、必要以上に作り込む必要はない。メイクって完璧にすればするほど、その人らしさが見えにくくなって、美しさは増しても魅力がなくなってしまうんですよね。型にハマった美は、洗練とは言えない気がする。
岡田 メイク好きな人ほど完璧を目指しがちだけど、ちょっと引き算することで洗練に近づけるということを、マキア読者にも実践してほしいですね。

押しつけがましくない腹八分目メイクがベスト

岡田 今回の企画で改めて洗練について考えたんですけど、ズバリ「腹八分目」だと思うんです。デザートやコーヒーの分を残しておく余裕が洗練に繋がる気がします。
岡野 私にとって洗練は、自分に合うものを知っているということ。だから、表情を覆ってしまうほどの過度なメイクは絶対にNG。まさに腹八分目がちょうどいいよね。ミニマムなんだけど雑じゃない。ちゃんとその人の良さが際立って見えるのが洗練なのかなーと。
岡田 雑じゃないっていうのも絶対外せないポイントですね。

ミニマムだからって手を抜いてはダメ

岡野 ミニマムだからこそ、こだわらなきゃいけない部分というのもあるよね。
岡田 そうですね。例えば爪とかアイラインの始末とか。メイクがシンプルでも、指先までケアが行き届いていれば洗練につながる。逆に、肌がカジュアルでアイラインも渗んでいたら、ただのだらしない顔に。
岡野 アイラインもネイルも意味があってやっていることだから、丁寧に仕上げるべき。細部にこだわることで、洗練の格が高まるよね。
岡田 確かに。人にプレッシャーを与えないことも洗練の条件かな。キメすぎていなくて、親近感を感じるような隙も大切。
岡野 その隙からその人らしさが見えるのかもしれないね。

Tomoko's must

まず取り入れるならニュアンス眉アイテム

まず取り入れるならニュアンス眉アイテム
「初めての引き算メイクにおすすめなのが眉メイク。少しトーンアップさせるだけで洗練度が変わる」(岡田さん・以下同)

A「カラー眉ブームの火付け役は今もフル活用」。ニュアンスブロウパレット 02 ¥3520/ジルスチュアート ビューティ B「小回り抜群のブラシが秀逸」。アイブロウマスカラ マイクロ Marron ¥3080/アディクション ビューティ

隙アリ肌をつくるこだわりベース

隙アリ肌をつくるこだわりベース
「FDの前にツヤ系の下地を仕込むことで、素肌感のある仕上がりに。MY定番をブレンドしつつ、カスタムして使用」

「ハイライターとトーンアップ下地を自己流でブレンド」。A「透明感溢れるライブリーなツヤ肌が叶う」。ル ブラン ロージー ドロップス 30ml ¥6930/シャネル 「モデルの肌に合わせてどちらかをチョイス」。B UVイデア XL プロテクショントーンアップ、C同 ローズ SPF50+・PA++++ 30ml 各¥3740/ラ ロッシュ ポゼ

Tamae's must

まぶたに抜けを生むきらめきアイシャドウ

まぶたに抜けを生むきらめきアイシャドウ
「いつものアイメイクに抜け感をプラスしたいなら、ラメだけ残るカラーレスのアイシャドウを最後に足して」(岡野さん・以下同)

A「目元をドレスアップする華やかなラメ」。アイグロウ ジェム WT083 ¥2970/コスメデコルテ B「スキントーンのパールカラーがしなやかにまぶたに沿い、品のあるツヤが宿る」。キャビアスティック アイカラー R2 ¥3300/ローラ メルシエ ジャパン

その人の素を感じるスキニーリップ

その人の素を感じるスキニーリップ
「ヌーディなのにくすみのないリップはそれだけで素肌美を引き出せるので、女優さんの洗練メイクに欠かせません!」

A「じんわり発色で素の唇をブラッシュアップ」。マニフィカトゥールレーブルn[医薬部外品] ニュートラルピンク ¥4400/クレ・ド・ポー ボーテ B「ふっくら弾力のある唇に」。ディオール アディクト リップ マキシマイザー 001 ¥4180/パルファン・クリスチャン・ディオール

MAQUIA 11月号
撮影/菊地泰久〈vale.〉(モデル) 岩城裕哉(物) 取材・文/野崎千衣子 構成/若菜遊子(MAQUIA)


※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

最終更新日:

MAQUIA書影

MAQUIA2024年11月21日発売号

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