星の数ほどあるアイパレットの中でも、私たちを夢中にさせる名品にクローズアップ。その比類のない素晴らしさを、コスメを愛する二人が熱くしゃべり倒します。今回は、ディオールを徹底分析!
シャネル/ディオール/スック/セルヴォーク
誰をも夢中にさせる理由を徹底分析
私たち断然、4大パレットにぞっこんです!
美容エディター&ライター
森山和子さん
フリーランスの美容エディター&ライター。数々の国内外のコスメを、日々試しまくる。
マキアエディター
火箱奈央
きめ細かく繊細な肌を持ち、アイテムの良し悪しを瞬時に見極める。
纏うだけでイマドキの洗練された顔に
ディオール
サンク クルール クチュール 429
1987年に初代が誕生。2020年に、ランウェイのクチュールドレスを着想源に進化した。今回名品としてピックアップしたのは、今年の秋新色の1種。¥8360/パルファン・クリスチャン・ディオール
ここがすごい!
色で主張するんじゃなくて
そのひとの「気配」になる不思議な色
森山 今年の7月に新色として2種が追加になったんだけど、早くもこのパレットが名品入りの気配がプンプン!
火箱 柔らかいモーヴ系パレットが、すごくデイリー使いに活躍しそうですよね。
森山 だよね! 去年リニューアルされたときのラインナップがパワフルなカラバリだったから、この色出しが新鮮‼
火箱あえて擬人化すると、箱入り娘というか、お嬢さんな雰囲気を感じるくらい、品の良さが漂ってますよね。
森山 分かる~‼ アンニュイなこのトーンが目元にのると、甘くて優しくて、洗練された気配になってくれる気がする。
火箱 確かに、派手ではないのに不思議と惹きつけられる魅力を感じます。誰もが分かる感じの良さが手に入る、“好印象パレット”とも言えるのかも!
森山 まさにそれだわ、うん。だからこそ、どんなシーンにも使いやすくて、且つ今っぽさも出せるという……何て便利。
火箱 とにかく良い印象を与えたい日には、間違いなくコレにキマリですね!
透けるシアーなきらめきの他、淡くくすんだモーヴトーンのバリエーションがin。締まるブラウン入りで使いやすい。
ここがすごい!
ひとつのパレットに
いろんな表情のきらめきがある
火箱 このアイパレット、一見ソフトな配色で肩の力が抜けた感じがしますけど、5色にしっかり主張がありますよね。
森山 色は淡めだけど色づきはしっかりしているし、実は輝きがそれぞれ違う!
火箱 ただの濃淡グラデパレットじゃないんですよね。左上のピンクベージュは、偏光パール効果で青みピンクになるというトリッキーな仕掛けが!
森山 センターのブラウンもパーリーな淡いピンクに発色するし、左下のくすんだピンクはコッパーっぽくなるという、一筋縄ではいかない奥ゆかしさ‼
火箱 「きらめきが欲しい!」っていうときには、右上のシアーで多色に光るラメが活躍しますしね。この見た目を裏切る発色に、見事に翻弄されますね(笑)。
森山 そこがまた、名品たる所以かもね。
火箱 あと、付属のチップとブラシもとっても優秀じゃないですか⁉ 全て違うツールが、合計4種も!!!
森山 同感。細部まで手を抜きませんっていう、メゾンのこだわりを感じるなぁ。
ここがすごい!
ピーター・フィリップスは
キャッチーなアイテムを作る天才!
森山 毎シーズンたくさんのプロダクトを見るじゃない? でね、私の中で“トレンドを知るなら、ディオールをまずチェックする”っていう持論があって。
火箱 めちゃくちゃ分かります! 私、ピーターが作るプロダクトの発想力がすごく好きなんです。エンターテインメント感があるというか、新しい製品を目にする度に、すごく楽しませてもらっていて。
森山 いつもキャッチーなアイテムが多いもんね。
火箱 そうなんですよ。勝手な私の想像ですけど、純粋にメイクアップやプロダクト創りを楽しんでいて、「良い物がいっぱい出来ちゃって絞り切れないから、全部作っちゃった!」みたいな空気さえ感じます(笑)。
森山 実際はどうかは分からないけど(笑)、世にリリースされるものが毎回その時のトレンドと一致していながら、常に先端にいて牽引しているのが本当にすごい! トレンドカラーとか、必ずマッチしてるの‼
火箱 ですよね! ラグジュアリーなブランドという立ち位置で常に冒険している姿に、拍手とエールを!
ファッションからスタートし、メイクアップの世界へ。2014年から、ディオールのメイクアップ&クリエイティブ イメージ ディレクターを務める。
HOW TO USE
青みピンクに光る左上のピンクベージュをアイホール広めにのせ、右下のトープブラウンを上まぶたのキワに細くアイライン状に引き、影色で引き締める。下まぶたの目尻側に左下のカッパーに光るくすみピンクをのせて赤みをプラス。
A 淡い気配を活かすように、ブラウンでまつ毛の隙間を埋める。ディオールショウ オン ステージ ライナー 781 ¥3960、B 素まつ毛を際立たせるため、黒マスカラでまつ毛上下を軽くひと塗り。マスカラ ディオールショウ アイコニック オーバーカール ウォータープルーフ 091 ¥4730、C 頬に広くブラシで広げ、ツヤやかな立体感をオン。ディオールスキン フォーエヴァー クチュール ルミナイザー 06 ¥6380、D 頬中央に小さく重ねてにじみ出る赤みを。ディオールスキン ルージュ ブラッシュ 962 ¥6270、E 唇の山の上下だけブラシで縁どり、あとは直塗りでラフに色づける。マット質感で落ちにくさも魅力。ルージュ ディオール フォーエヴァー リキッド 100 ¥4950/パルファン・クリスチャン・ディオール(Cは9月17日発売)
MAQUIA10月号
撮影/柴田フミコ(モデル) 橋口恵佑(物) ヘア&メイク/犬木 愛〈agee〉 スタイリスト/西野メンコ モデル/林田岬優 イラスト/吉岡香織 取材・文/森山和子 構成/火箱奈央(MAQUIA)
※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。