年齢や経験を重ねても、悩みは次から次へと現れ、自信が持てなかったり、他人と比べてしまったり。自分自身を受け入れ、前に進むにはどうすれば?「MAQUIA」11月号から、人気メイクアップアーティスト吉川康雄さんのアドバイスをお届け!
メイクは自分を好きになるツール
吉川康雄さんの
ココロまでキレイになるメイクセラピー
メイクアップアーティスト
吉川康雄さん
NYを拠点に、世界中の雑誌のカバーや広告、著名なセレブリティも手がける人気メイクアップアーティスト。著書に『いくつになってもキレイ!になれる』(世界文化社)がある。
\吉川さん、教えてください!/
どうしたら自分の顔を好きになれますか?
「このパーツさえ○○だったら」「あんな顔に生まれていれば」と理想と現実のギャップに苛まれ、鏡を見るたび落ち込む日々……。このネガティブなスパイラルと、一生付き合わなきゃいけないのですか!?
美容の悩みや問題はドミノ式に繋がっている
「ドミノ倒しのように、ひとつの問題の解決は、次の問題の解決に繋がっていく。つまり、自分の顔が好きになれない人は、いきなりそれを解決しようとしなくても良いってこと。まずは他人の良いところを見つけ、褒めることから始めてみよう。他の人の長所を意識して探すようになると、色々な良さが見えてくる。それが、いつの間にか自分自身への見方を変えることにもなるはず」
「誰かになりたい」っていう発想は
捨てた方が良い。
それよりも自分研究!
「誰かに憧れることは構わないけれど、その誰かにはなろうとしないこと。人にはそれぞれ違った個性があり、魅力がある。他人よりも、まずは自分を知り、大切にしよう。Netflixの『クィア・アイ』や映画『アイ・フィール・プリティ!』は、そんな“LOVE YOURSELF”精神が学べるよ」
『アイ・フィール・プリティ! 人生最高のハプニング』
Blu-ray&DVD発売中 発売:バップ
©2018 TBV PRODUCTIONS, LLC. ALL RIGHTS RESERVED.
Netflixオリジナルシリーズ『クィア・アイ』シーズン1~5独占配信中
コンプレックスは、
その人の良いところに直結する。
悪い言葉でばかり表現しちゃうのは勿体無いよ。
良い言葉に言い換える練習をしてみよう!
「ネガティブな要素は、実はポジティブな要素と表裏一体。例えば“キツそう”“強そう”と見られる場合は、裏を返せば“しっかりしてそう”とも言える。表現の仕方が少し違うだけだから、自分にも周りの人にも、ポジティブに変換していこう」
10代の頃の悩みを
解決しないまま大人になっているのかも
「誰かが決めたステレオタイプの美人やモテの定義に縛られて、ティーンエイジャー時代の悩みを抱えたまま大人になってしまった人が多いよね。一重や目が小さいなんて悩みを聞くけれど、無理やりパッチリ二重にする必要なんてないんだよ。自分にない美しさを追い求めず、自分をリスペクトすることが大切」
自分のことを好きじゃない人生は
あまりにも長過ぎる
「人生100年時代を前に、自分を好きでいられないのはしんどいよね。コンプレックスを持つことは自然なことだけど、その悩みは意外と個性だったりするし、美の正解はひとつじゃない。だからこそ、そこで自分を否定するのではなく、向き合い、どうすればより良くなるかな?と自分自身を研究してみよう。その過程が美しさや魅力を引き出すし、自信にも繋がるから」
世界中みんな同じ
悩みを抱えているよね。
誰もが憧れるセレブだって同じ
「コンプレックスを受け入れ、乗り越えられたとき、ものすごく強みになる。それを教えてくれたのが、SATCでおなじみのサラ・ジェシカ・パーカー。彼女は一見、個性的な顔立ちだけど、振る舞いや仕草がとてもキュートで、思わず見とれてしまうほど。結局は造形やメイク云々じゃなくて、自信が美しさを作るんだよね」
©Sipa USA/amanaimages
人間の美しさや魅力は
デリケートなもの
「若さが正義な訳でもないし、年齢を重ねたからといって劣化するなんてありえない。どの世代であっても美しさはあるし、みんなそれぞれ素敵。ただし、ありのままの美しさ=何もしないこととは違う。生まれ持った姿を受け入れ、エイジングと向き合い、その魅力を引き出す努力をする。それは、日々変化する自分自身にとって大切なこと」
MAQUIA 11月号
撮影/天日恵美子 取材・文/谷口絵美 構成/火箱奈央(MAQUIA)