磨き抜かれた肉体や放つ言葉に、人生への飽くなき探究心が滲む。タフで麗しく、内なる炎は誰より熱い。現在50歳。日々進化を遂げているGACKTが語る、美に対する取り組みと、揺らぐことのないその生き方。
MAQUIA SPECIAL INTERVIEW
輝きの裏にある努力、そして変わらない信念
GACKT
極める男の美学
ガクト●沖縄県出身。バンド活動を経て、1999年にソロ活動を開始。男性ソロアーティスト シングルTOP10獲得数は歴代1位を誇る。音楽以外にも活躍の場を広げ、前作の『翔んで埼玉』では第43回日本アカデミー賞にて優秀主演男優賞を受賞するなど、躍進を続ける。
感動を共有することこそがエンターテイメントの本質
みんなで笑い合える作品が今の日本には必要
今号の発売日は、ボクが出演する映画『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』の公開とほぼ同じタイミング。ただ、映画は公開中止になっている可能性も……? そうなってもおかしくないくらい、全てが大人の悪ふざけとしか言えない作品なんだよ。前作は多くの人が楽しんでくれたけど、ある意味、運が良かっただけ。これ以上はリスクを伴うから、続編の話を聞いた時は一旦断った。でも、『翔んで埼玉』の制作チームは、仕事への愛がすごく深い。ほぼロケだから移動が大変で、撮影時間も異常に長い。演者のボクらも大変だけど、先に現場に入って準備をしているスタッフはもっと大変。そんな凄まじく過酷な状況でも作品への愛とプライドをもって仕事に取り組んでいる彼らを見ると、頑張ろうって思うんだよ。そうやって現場が白熱した結果、ヤバい作品になったわけだけど。
とはいえ、こういう作品って今の日本に必要だと思う。なぜなら、どんどん閉鎖的になってエンターテイメントの本質を見失いかけている時代だから。ボク自身は、感動って誰かと共有することに意味があると思っていて。共有すると感動は倍増する。小さな画面を通して一人で観る時には得られないものが必ずある。だから、どれだけ時代が進んでもライブや映画館に足を運ぶ意味は存在するし、見知らぬ人と一緒にゲラゲラ笑い合えるこの作品が映画館に足を運ぶきっかけになることを心から願ってる。
誰かと一緒に笑いながら観てほしい
INFORMATION
『翔んで埼玉〜琵琶湖より愛をこめて〜』
埼玉県をひたすらディスり、大きな話題を呼んだ前作から4年。スケールアップした本作は、事態が関西にまで飛び火し東西対決に発展。熱い郷土愛がぶつかり合う。GACKTさんが「2〜3回観ないと把握しきれないかも」と語る多彩な出演陣にも注目。11月23日(木・祝)全国公開。
©2023 映画「翔んで埼玉」製作委員会
MAQUIA 1月号
撮影/黒沼 諭〈aosora〉 ヘア&メイク/タナベコウタ スタイリスト/Rockey 取材・文/真島絵麻里 構成/火箱奈央(MAQUIA)
衣装/HARAJUKU VILLAGE