みなさんから届いた質問やお悩みに、えみが真正面から向き合う大人気連載。長い間表舞台で活躍を続ける中で、大きな変化をもたらした出来事とは。

鈴木えみ

えみはどう考えて、どう思う?
EMI SAYS...,

Q.人生のターニングポイントを教えてください

A.3つのポイントが大きな節目に


age14
ここから全てが始まった。
『Seventeen』のモデルになったこと
今年で37歳になったけれど、今振り返ってもここから全てが始まった、まさに最初にして最大のターニングポイントだと思ってます。当時は中学2年生で、『Seventeen』のモデル募集ページを見た友達が、身長が高かった私に「えみ、応募したらいけるんじゃない?」って言ってきてくれたことがきっかけに。最初はノリで応募してみたら一次審査を通過して。東京で面接をすることになって、「初めての東京! やった、ディズニーランドに行ける!!」って、むしろそれが嬉しかったくらい(笑)。結果モデルとしてのスタートを切ることになったけれど、もともと獣医さんを夢見ていたこともあって、未来が激変。でも第二の学校みたいな居場所が出来て、撮影のたびに京都から通って楽しかったな。事務所に所属して、モデルだけでなく俳優や音楽活動も一通り10代で経験させてもらったけれど、そのときに自分に向いている環境や仕事内容、ペースを知れたんです。実は、昔も今も私はそんなに表に出たいタイプじゃないので、こぢんまりと活動できる方が落ち着いて楽しんでやれると気付いて、“モデル”を自分の軸に決めました。

鈴木えみさん-1

age25
新しい世界へと旅立つきっかけに。

メインモデルだった雑誌
『PINKY』の休刊後
ありがたいことに、『Seventeen』を卒業すると同時に編集部の人たちが用意してくれていた新たな場所が、雑誌の『PINKY』でした。残念ながら今は休刊してしまったけれど、そんなわけでモデルデビューから約10年間、ずっと自分の席がそこにあるという環境で、家族同然のようなスタッフさんたちとお仕事をさせてもらっていたから、休刊後に他誌でお仕事をするようになって初めて、急に外に放り出されたような感覚になったんです。例えるなら、会社員がフリーランスに転身したような感じというか。それまでは、一つのジャンルの雑誌の世界だけで生きてきたけれど、ストリートからコンサバ誌まで、月に45本くらい撮影が入っているような時期が数年続いて。最初は人見知りしてしまったり、閉じてしまっていた時期もあったと思うけど、撮影のコンセプトや求められていることについてコミュニケーションを取るうちに、人に興味を持つといいことがあるんだなって、一気に世界が広がる感じがしたんです。今、私が知らない人にもよく話しかけたりするようになったのは、この時の経験が関係しているのかも。『PINKY』の創刊から約5年の間に、私が体調を崩してお休みしたりペースを落とした時期もあって。私が休まなかったら雑誌がなくならなかったのかな、私は100%力になれたのかなって、責任や悔しい思いは今でももちろんあります。でもそれと同時に、『PINKY』の休刊という出来事は、私に新しい世界を見せてくれて、自分に幅を持たせてくれるきっかけにもなったんです。

鈴木えみさん-2

age27
生活の全てが激変した。
結婚と出産
3つ目のターニングポイントは、やっぱりこれかな。まず結婚して子供を産んだことで、ライフワークとして1個仕事を増やしたいなと思って始めたのが、アパレルブランドの『Lautashi』だったんです。モデルのお仕事は基本的にオファーを受けて初めて成立する受け身のものだから、自分軸で動けるものが欲しいなと思って。洋服を着てきた数なら誰にも負けない自負があったし、私がやる意味があると思えるのはファッションかなって。周囲にアパレル関係の友人も多かったし、アドバイスをもらいやすい環境だったことも心強かったかも。
さらに、大きく変わったのが食生活。若い頃は冷蔵庫にコーラしか入っていないような時期もあったくらいだったけど(笑)、妊娠をしてからはジャンクなものはほとんど口にしなくなったし、娘にはなるべく体に良いものを食べて欲しいと思うように自然となっていったの。昔の自分じゃ想像できなかったけど、食育の一環として農業体験とかにも興味が湧いたり、ビーチクリーンみたいな環境問題について考えるようにもなったし。生活リズムも大きく変わったよね。撮影がある日以外は、やらないといけない仕事や家事はほとんど午前中に終わらせちゃう。夜も、今は娘と一緒に早めに寝て、朝早く起きるようになりました。
何よりも一番大きな変化だったのが、コミュニケーション力かな。娘を育てながら、親として自分も育てられているなってすごく思うんです。伝え方ひとつとっても試行錯誤するし、子育てにはやっぱり忍耐力や許容する気持ちが必要だなって日々実感しているところです。
今こうやって思い返してみたけれど、自分もだいぶ大人の階段を昇ってきた気がします。今後、ターニングポイントって何回あるんだろう。きっと子供が家を出て一人暮らしを始めるタイミングとかなのかな。今の自分の人生、毎日色んなことが起こるけれど、小さなことでも必ず自分なりの成功体験を心に思い浮かべながら眠りたい。そうやって、日々生きていくのみかなと、そう思っています。

鈴木えみさん-3

MAQUIA 11月号
撮影/Sakai De Jun ヘア&メイク/山口恵理子 スタイリスト/榊原優佳 モデル/鈴木えみ(マキアミューズ) 構成・文/森山和子 企画/吉田百合(MAQUIA)

最終更新日:

MAQUIA書影

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