おうちでのケアも大切だけれど、肌悩みがある時には美容医療に頼るという手も。自分に合うクリニックや施術の選び方など、押さえておきたい情報をドクターに聞きました。

2022年 美容医療 ドクター

0からわかる美容医療BOOK

基本から最新まで
2022年の美容医療事情
自分に合うクリニックや施術を選び、安心&安全を確保しながら大満足の結果を得るために。押さえておきたい情報をレクチャー。

お話を伺いました
友利 新先生

内科・皮膚科医

友利 新先生

シロノクリニック恵比寿院、表参道スキンクリニック勤務。豊富な知識を垣間見れるYouTubeも大人気。

海野由利子さん

美容·医療ジャーナリスト

海野由利子さん

手掛けた美容医療の記事は数知れず。医師などが情報を交換し合う、日本抗加齢医学会の会員でもある。

石川浩一先生

クロスクリニック銀座 院長

石川浩一先生

日本形成外科学会認定専門医。照射機器の保有数は国内トップレベルで、その人にベストな機器を提案。

寺島 洋一先生

アヴェニュー六本木クリニック 院長

寺島 洋一先生

日本形成外科学会認定専門医。ごく少量で、人に気づかれず効果を出す注入技術には特に多くのファンが。

美容医療のそもそもQ&A


Q 美容医療ってどういうもの?
A 本人の希望に合わせて
美の欲求を叶える治療
「シミやシワ、顔立ちの悩みなど、病気ではないけれど本人が気になる部分を治療するのが美容医療。一般的な保険診療はマイナスをゼロに戻しますが、美容医療はマイナスをプラスにするもの。高い結果を出すために、様々な機器や注射などが用いられます」(友利先生)。「美容医療という言葉ができたのは1999年。実は私が某女性誌の記事の中で使いはじめました」(海野さん)

Q スキンケアと美容医療、
どう使い分けるのがいい?
A 日々のケアで基盤を固めて
美容医療で大きく躍進!
「美容医療は何でも叶えてくれる魔法のように思われがちですが、きちんとスキンケアをしていない肌は、美容医療の効果も出にくいもの。いざとなったらシミとりレーザーを打てばいいから、UVケアはサボっても大丈夫、なんて考えは大間違いです!」(海野さん)

Q 美容医療、どんな種類がある?
A 悩みに応じて様々です
「どんな治療にもメリット&デメリットが。1つの悩みに対して、治療方法がいくつもあるのも美容医療の特徴。選ぶクリニックによって選択肢も変わります」(友利先生)

照射機器
シミ、たるみ、痩身などあらゆる悩みに対応でき、比較的、痛みやダウンタイムが少ない。求める効果などに応じて、何回か続けて照射する必要があるものがほとんど。

照射機器の種類

【レーザー】
単一の波長の光を放ち、シミや脱毛など特定の悩みにパワフルな効果を発揮する。例:ピコレーザー、マドンナリフト

【超音波】
肌の深い層にまで到達できるのが特徴。最近、人気の「ハイフ」は、超音波を高密度に集中させて熱エネルギーを発生させるもの。例:ハイフシャワー

【高周波】
電磁波を利用した機器。周波数や出力によって効果は様々だが、肌内部に熱を加え、引き締めや痩身に使われることが多い。例:サーマクール、ヴァンキッシュ

【光治療】
幅広い波長の光を同時に照射し、薄いシミや小ジワなど複数の悩みに広く浅く働きかける。フォトフェイシャル(IPL)が有名。例:ステラM22

注入・注射

注入・注射
気になる部分に注入することで、肌のボリュームアップ、シワ改善、肌質向上などの効果が得られる。1回で高い効果が得られるものが多いが、施術中の痛みや内出血などのダウンタイムがあるものも。例:ヒアルロン酸注入、ベビーコラーゲン注入、ボトックス注射、水光注射

薬剤を塗布する施術
痛みに弱い人におすすめ。ケミカルピーリングやイオン導入のように機器をプラスするもの、ゼオスキンのように自宅で薬剤を塗布するものもある。例:ケミカルピーリング、イオン導入、ゼオスキン、ハイドロキノン

オペ
メスなどを使って切開し、主に顔の造形を変化させる施術。大きな変化が得られるというメリットがあるが、元の状態には戻すことが難しい、傷跡が残るなどのリスクも大きいので、慎重な判断が必要。例:眼瞼下垂手術、隆鼻術、鼻尖縮小術、フェイスリフト手術など

その他、知っておきたいキーワード
スレッドリフト
皮膚内に糸を入れ、肌を引き上げる治療方法。糸の物理的な効果に加え、糸の周辺はコラーゲンやエラスチンの生成が促されるので、ダブルの効果が得られる。

ダーマペン
超極細の針で肌に無数の穴をあけるマシン施術。肌の創傷治癒効果を引き出し、深部から​肌​再生を促す。毛穴の開きや小ジワなど、肌の凹凸悩みにも対応。


Q クリニックとエステとの違いは?
A 資格や認可の点で
似て非なるもの!
「クリニックでは医師や看護師が施術を行います。機器も厚生労働省から認可を受けたものか、輸入された機器でも医療機関でしか扱えないという制約が」(石川先生)。「ハイフやピーリングはエステでも行われていますが、クリニックとは機器の出力や、有用成分の濃度や種類も異なります」(友利先生)

クリニックとエステとの違いは?

Q 費用の分割やカード払いは可能?
A カード払いはOKだけど
ローンはお勧めしない
「最近はカードが使えるところがほとんど」(海野さん)。「美容医療は無理してするものではないので、分割払いは賛成しません。ローンを組むよう強く進めてくるクリニックは、金儲け主義で不要な施術まで売り付けてくるケースが多い印象です」(寺島先生)

Q クリニック選びのポイントは?
A 医師の有する資格や
カウンセリングで判断
「皮下構造まで熟知している医師がいること。皮膚科的なアプローチでも、形成外科専門医の資格を有しているか否かで治療方法や結果が違ってきます」(海野さん)。「カウンセリングを医師以外の人、カウンセラーなどが行うクリニックは絶対に避けるべき。患者さんの希望、肌の状態、表情の癖や骨格など総合的な条件から適切な施術を見極めるのは、医師にしかできない仕事です」(寺島先生)

Q 行くときに持っていったほうが
いいものは?
A ノートや携帯などに
メモできる準備を
「カウンセリングで聞いた説明を忘れてしまったという声が多いので、メモが必須。治療の特徴や注意事項をきちんと記録して、家でも確認できるようにしましょう」(海野さん)

クリニック選びのポイントは?

Q 美容医療はどのように進化している?
A 治療の種類も効果もアップして、
治せる悩みが増えてきた!
「当院は開院20年ですが、当時と同じ施術はほとんどありません。レーザーなどの機器や注入・注射の種類が増え、効果も高まり、ダウンタイムや痛みはより少なく。首のシワのように、昔は治療が困難だったけど今は対応可能になった悩みも増えました」(寺島先生)

Q 美容医療も行っている一般皮膚科、
美容専門の美容皮膚科、どちらに行けばいい?
A 悩みや進行具合によって変わります
「さほど複雑でない肌悩み、例えばポツンとできたシミやニキビなら、まずは身近な皮膚科で相談してみては。場合によっては保険診療で治療できることも。肝斑が混在しているシミ、たるみなどエイジングの悩みは専門の美容皮膚科がいいでしょう」(石川先生)

Q どうやって最新の情報を追いかければいい?
A 情報が精査されたマキアを読んで!
「私は学会で最新の研究発表に触れていますが、一般の人は最新の情報にこだわる必要はないはず。インターネット上に溢れる真偽不明の情報に惑わされるより、出版関係の人々が責任を持って作った、『マキア』のような雑誌から情報を得るのが◎」(海野さん)

Q 口コミで選ぶ時の注意点を教えて
A 他人に効果があった施術が
自分に合うとは限らない!
「SNSの情報の信憑性は言わずもがなですが、友達の口コミであっても、自分が同じ施術を受けて、同じ結果が得られるとは限りません。『この施術を受けたい』と決めて行くより、解決したい悩みを伝えて、医師に施術を提案してもらうほうが確実」(友利先生)

Q 保険証は必要?
A 基本的には不要だけど
持っていくと安心
「美容医療は、治療費の全額を自分で負担する自費診療なので、保険証は不要。眼瞼下垂や多汗症、一部のシミなどは保険診療を行っているクリニックもあります」(海野さん)

 Q 世代によるおすすめや注意点ってある?
A 40代以上は秘密主義、
20代はオープン!
「今の20代は『アイプチを続けるより、オペで二重まぶたにするほうがコスパが良い』と考える合理主義が多い。小顔を求め、たるみ治療を希望する20代も増加」(友利先生)

Q コロナ禍で需要が増えた
施術ってある?
A マスクから出ている
額、眉、目元の施術
「顔の上半分の施術、額や目元のシワ治療や眉のアートメイクの需要がものすごく増えましたね。一方でマスクで隠れているうちに、シミやほくろをとりたいというニーズも。リモートワークも多いので、ダウンタイムがある施術も挑戦しやすいはず」(寺島先生)

Q クリニックによって
値段が違うのはなぜ?
A 安い=ダメではないけれど、
できることに差が
「自由診療なので、基本的にはどんな値段にも設定できるんです。レストランに安くて美味しいところや高くてまずいところがあるように、美容クリニックも値段で一概にジャッジはできません」(寺島先生)

Q 韓国など海外で美容医療を受ける際の注意点は?
A リスクはあり。
トラブル時の対応は必ず確認を。
「厚労省や消費者庁、美容外科学会も取り組んでいますが、海外の治療でのトラブルは多々報告されています。ダウンタイムの状態がヘビーな場合や、仕上がりが気に入らない時にどんな対応をしてもらえるのかは事前にしっかり確認を」(海野さん)

Q デメリットある施術って?
A 血管障害のリスクなどは知っておくべき
「日本の法律では皮膚の専門家でない医師も美容医療を行えるので、トラブルが起きることも。消費者センターへの美容医療の相談や苦情は増加しているので、どこで受けても同じと思わないこと。また、注入での血管損傷リスクはゼロではないので、丁寧な治療を続けるベテランにお願いすべき」(海野さん)

Q ドクターや施術者の指名はできる?
A もちろん!
「ドクターの指名はもちろん、うちでは看護師の指名もできます。マシンを扱うのにも技術や経験が必要ですから」(石川先生)。すべてのクリニックで看護師指名ができるわけではないけれど、感覚が合う、仕上がりがいいと思う施術者の名前はチェックしておいたほうがいいかも。

Q 気になるダウンタイム、
おすすめの過ごし方やケアは?
A 赤みや熱を伴う施術も。
医師の指示に従って。
「レーザーなど熱を加える施術は、どうしても赤みやひりつきを伴います。2~3日しても落ち着かなければ医師に相談を。シミとりも傷が治るプロセスなので、1カ月後に色素沈着がひどくなることがほとんど。また、ゼオスキンなどレチノールは剥離が前提なので、保湿はほどほどにして皮剥けをある程度受け入れて」(友利先生)。「同じ施術でも肌質や状態によって過ごし方が変わるので、担当医師の話をしっかり聞くこと」(海野さん)

気になるダウンタイム、おすすめの過ごし方やケアは?

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