TVやラジオでたびたび嫁・真由美さんとの夫婦生活を語り、芸能界きっての愛妻家として知られるアルコ&ピースの平子祐希さんがインタビューに登場。この度、真由美さんとの出会いから現在までの熱すぎる夫婦愛を綴った初の著書『今日も嫁を口説こうか』(扶桑社)を発売。「今日はどうやって真由美に好きになってもらおうか」、「家事はデート」、「高校二年生の付き合い始めて2カ月目の感覚が16年間続いている」…など、どこまで本気かわからないフレーズをバカバカしく思う反面、妙に納得させられる。「平子節」が冴えまくりの一冊です。
平子祐希さん/1978年12月4日福島県生まれ。酒井健太さんとのお笑いコンビ・アルコ&ピースのボケ担当。TBSラジオ「D.C.GARAGE」(毎週火曜24:00〜25:00)が好評放送中。
「私たち、もともと一つだったんじゃない⁉」
はじまりは、たった一度の軽いハグ。服装も性格も「大嫌いなタイプの女の子」だった真由美さんと抱き合ったときに感じた、隙間のない絶対的な一体感。真由美さんが発した「私たち、もともと一つだったんじゃない⁉︎」の一言から、奇跡のような恋愛が始まります。
――嘘みたいなエピソードから始まり、最後まで笑いっぱなしでした(笑)。夫婦の仲を近づけるための実用的な例が多くあったと思いますが、意識して書かれましたか?
平子さん(以下、平子):今まで700回くらい「嘘だろ」って言われているんですが、本当にあったことですよ(笑)。僕たちの夫婦関係を言葉にすると、「好きでしょうがない。毎日抱いていたい」で終わってしまうので。それを紐解きながら、そこに至るまでのことを説明しようと思いました。
――奥様への愛がほとばしる一冊に仕上がっていますが、ここまで「感覚」で付き合える人に巡り合えるなんて、羨ましいです。
平子:きっと似たような経験ってみんなありますよね? 「あれ、この人落ち着くな、心地いいな」って思う相手に出会ったことって。だけど、それよりも相手の仕事や年収、外見とか、条件のほうが先に立ってしまって、結果的に運命の相手を逃しているんじゃないかな。僕と出会ったころの真由美は、ド派手な服装とメイクで見た目が好みじゃなかったし、僕は月収数万円の駆け出しの芸人だったけど、お互いの感覚を信じた。出会ってから今まで高校二年生のような恋愛感情が16年間ずっと続いているんです。僕らのように、もっとみんな感覚を信じていいと思うんだけどなぁ。
「メイクで隠すよりも生かす。もったいないよ、素材が」
――メイクといえば、本の中で薄メイクの人が好きと書かれていますね。
平子:メイクで美しくなりたいっていう乙女心は好きですけど、女性単体として見たときは、ベースメイクのさらにベース、つまり目の大きさとか、骨格とか、素材の部分を活かしたメイクが僕は好みなんですよね。真由美が素材をぶち壊すようなメイクや服装をしていたら、「真由美がもったいない」って僕は伝えます。食材で例えるなら真由美はA5ランクの牛肉。素材のいい肉は塩で十分美味しいですから。「真由美は綺麗なんだから、塩でいいんだよ」って。
――素材を生かしたいとは思いつつ、メイクも服装もつい盛りすぎてしまうという女性はわりと多いと思います。
平子:彼氏や旦那から「それくらいがいいよ」じゃなくて、「それがいいよ」って言い方をされれば、また違いますよね。妥協点じゃなくて、「今がいちばん綺麗だよ」って、思わせてくれる言い方が大事なんじゃないかな。「大好きだよ」「いっぱい可愛いよ」「綺麗だね」っていうシンプルな言葉でも、あるとなしとじゃ、がらっと変わる。「誰かに好意を持ってもらえている」って意識は、自分自身で分泌できるスーパーオーガニックな化粧水だから。
――奥様を好きということをきちんと表現できる感覚はどうやって養われたのでしょうか。
平子:僕の両親も妻の両親も自分の気持ちを言葉にきちんと出す人たちなので、サラブレッドみたいなものですね。
「家の中でも感情が揺さぶられている」
――お子様の前でもいちゃつきますか?
平子:いちゃつきます。キスぐらいはしますよ。日常生活でも、朝ごはんを食べていて醤油を手にとるときの横顔、子供たちを送っていく背中、ふとしたときに「綺麗だな」って感情を揺さぶられます。仕事中もこまめにラインでやり取りするし、泊まりのときは必ずホテルからスカイプ。家の中で真由美が座る場所は僕のおなかの上なんですけど、触れていないのは違和感がありますね。離れられるのは15分がマックスです。
――過去の恋愛に嫉妬したりすることありますか?
平子:めちゃめちゃしますよ。真由美にとっては20年前の話でも、僕にとっては昨日みたいなもんなんで。自粛中に家族でツイスターゲームをしたんですけど、真由美がやけにルールを把握していたから「大学時代にどこの男と覚えてきたんだ」って想像したら、嫉妬で身体が震えましたし。
――本の中では赤裸々に語られていますが、奥様からNGはないのですか?
平子:一応、ここまではOKっていうボーダーは自分の中で引いてるので。もっと話そうと思ったらいくらでも出てくるんですけど。ディープすぎて、誌面じゃ語りつくせませんね。
「つべこべ言わず黙って抱いてろ」
――平子さんは一見、IT社長みたいな雰囲気もありますし、モテるのでは? 心配されたりしませんか?
平子:芸能界には綺麗な方も多いので、時々、「気になっちゃったりするんじゃない?」って心配されたりしますけど、今の僕と真由美の関係で、僕が浮気してたらそれはもう……バケモノですよね。逆に真由美が浮気していても同じですよね。もうそうなったら手に負えないなと(笑)。信頼と実績を重ねているし、お互いそこは理解しています。
――いつまでも熱い気持ちでいられる秘訣はなんでしょうか?
平子:「男」と「女」であること。瞬間瞬間で、真由美に「お母さん」を感じるときもあるんですけど、基本ベースは「女」です。子供たちが独立したら、また二人きりの時間がくるんでしょうけど、そのときはまた違った真由美が見られるんでしょうね。飽きるなんて傲慢ですよ。
――この本で一番伝えたかったことは?
平子:一言でいうと「つべこべ言わず黙って抱いてろ」ですね。
ふざけているのか、本気なのか? だけどなぜか腑に落ちてしまう、平子さんの言葉。アルピーファンはもちろんのこと、なんだか最近、恋愛や夫婦関係がうまくいかないと悩む人の背中を押す一冊になっている、かも?
■書誌情報
『今日も嫁を口説こうか』(扶桑社)
著者:平子祐希
定価:本体1300円+税/発売中
撮影/アベユキヘ 取材・文/佐藤 陽