クリスマスや忘年会、新年会とイベントが多く、食べ過ぎてしまうことが多いこの時期。重めの食事続きで胃腸が疲れてしまった……という事態に陥りがち。そんなときにぴったりの、胃腸にやさしい鍋レシピを今、大人気の料理家で管理栄養士でもある長谷川あかりさんが提案。シンプルな食材で簡単に作ることができる、胃腸にやさしい鍋4品をご紹介します。あっさり塩味、ほっこり味噌味、さっぱり梅ポン酢味、やさしい豆乳味と風味もいろいろなので、好みの鍋を作って、おいしく胃腸をリセットしましょ!
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胃腸が疲れているけれど、満足感はほしいときにおすすめ
「豚肉とかぶのシンプル鍋」 -
食べ過ぎてお腹が張っているときにおすすめ
「鶏とじゃがいものトマト味噌キムチ鍋」 -
二日酔いや疲れを改善したいときにおすすめ
「牡蠣と長ねぎのしゃぶしゃぶ 梅ポン酢だれ」 -
とにかく胃腸を休めたいときにおすすめ
「豆腐と春菊の豆乳鍋」
まずは、疲れた胃腸を休めるためのポイントについて長谷川さんに伺いました。
「胃腸が疲れているからといっても食事を全部抜いてしまうと、栄養が不足してしまうので、胃腸に負担をかけずに栄養補給できるものを摂るのがおすすめ。そのためには、油が多いような重いものは避け、消化がよい食材を選んで摂りましょう。また、発酵食品など腸内環境を整えてくれるものも取り入れて、腸内にたまったものをお掃除するのもおすすめ。今回ご紹介する鍋は、こういったポイントをふまえて考案したもの。胃腸をいたわりつつ、おいしく食べられるから心も癒されますよ」(長谷川さん)
さっそく長谷川さんおすすめの4品を紹介していきます!
胃腸が疲れているけれど、満足感はほしいときにおすすめ
「豚肉とかぶのシンプル鍋」
たっぷりのかぶと豚肉にすだちをのせたシンプルな鍋。すだちやしょうが、にんにくの風味が効いた爽やかでやさしい味わい。
「かぶはとても消化にいいお野菜で、胃腸を労わりたい時にはもってこい。豚肉も油が比較的少ないロース肉を使っていて、調理にも油を使っていないので胃腸に負担がかからずヘルシー。しょうがとにんにくが効いていて味に程よいパンチもあります」(長谷川さん)
材料(2人前)
豚ロース肉しゃぶしゃぶ用……250g
すだち……適量
かぶ……大3個
昆布……6g
塩……小さじ1と1/4
おろししょうが……2片分
おろしにんにく……2片分
黒こしょう……適量
作り方
①かぶは皮をむいて、2㎜厚さの輪切りにする。すだちも薄く輪切りにする。
②鍋に水600ml(分量外)、塩、昆布、おろししょうが、おろしにんにくを入れ、中火にかける。沸騰したら豚肉とかぶをいれ、蓋して弱火で5分煮る。昆布を取り出しアクをとったら、味をみて、塩で調える。黒こしょうをふってすだちをのせ、スープごと器に盛り付けていただく。
食べ過ぎてお腹が張っているときにおすすめ
「鶏とじゃがいものトマト味噌キムチ鍋」
トマトの酸味やキムチの辛味が味噌によってマイルドになり、絶妙なおいしさに。うま味が染み込んだ鶏肉と、じゃがいものほくほく感に心も癒されます。
「味噌とキムチという2つの発酵食品を組み合わせているので、腸内環境を整えるのに効果的。じゃがいもは余分な塩分の排出を促すカリウムも豊富なので、食べ過ぎによるむくみの解消も助けてくれます。キムチの効果で体がポカポカと温まって代謝も高まるので、冬太り対策にもぴったり。基本調味料だけで簡単に作れます」(長谷川さん)
材料(2人前)
鶏もも肉……1枚(250g)
トマト(中)……1個
じゃがいも(大)……2個
白菜キムチ……100g
小ねぎ……適量
味噌(中口)……大さじ2
ごま油……小さじ2
みりん……大さじ3
しょうゆ……大さじ1
作り方
①鶏もも肉はひと口大に、トマトは8等分に、じゃがいもは皮をむいて、4~6等分に切る。小ねぎは小口切りにする。
②鍋にごま油を中火で熱し、鶏肉とトマト、塩ひとつまみ(分量外)を加える。あまり触らずにトマトから水分がでるまでじっくり焼いたら、トマトを軽く潰して鶏肉と一緒に炒め合わせる。味噌、汁気を切ったキムチを加え、さらに炒める。
③水500ml(分量外)、みりん、しょうゆ、じゃがいもを加え、沸騰したら蓋をして10分煮る。味を見て足りなければ塩で調え、小ねぎをのせ、スープごと器に取り分けていただく。
二日酔いや疲れを改善したいときにおすすめ
「牡蠣と長ねぎのしゃぶしゃぶ 梅ポン酢だれ」
冬にいっそう美味しくなる牡蠣を使った鍋。爽やかな梅ポン酢だれをつけていただく、プリプリの牡蠣は正に絶品!
「牡蠣は貝類の中でも消化がいいのが特徴。牡蠣はたんぱく質のほか、肝機能をサポートして二日酔いの改善を助けてくれるタウリンや、脂質の代謝を助けるビタミンB12、健康な肌や髪を作るのに欠かせない亜鉛、貧血や疲れの改善を助ける鉄などが含まれる栄養の宝庫。胃腸に負担をかけずにしっかりと栄養が摂れる優秀な食材です。長ねぎをたくさん使うことで、牡蠣特有の臭みが消え、梅ポン酢だれでさっぱりと食べられます」(長谷川さん)
材料(2人前)
牡蠣(加熱用)……10~15個(200g~250g)
長ねぎ……2本
昆布……6g
塩……小さじ2/3
▽梅ポン酢だれ
ポン酢……150ml
梅干し(塩分濃度10%)……大2個 ※正味20g
オリーブオイル……小さじ2
作り方
①長ねぎは斜め薄切りにする。梅干しは種を取り置き、梅肉は軽く叩いたら、ポン酢、オリーブオイルと合わせておく。
②鍋に水600ml(分量外)、昆布、塩、とっておいた梅干しの種を入れ、中火にかける。沸騰したら長ねぎを加え、蓋をして弱火で5分煮たら昆布を取り出す。牡蠣を加え、火が通ったら長ねぎと一緒に梅ポン酢につけていただく。
とにかく胃腸を休めたいときにおすすめ
「豆腐と春菊の豆乳鍋」
豆腐と春菊のみのシンプルな豆乳鍋で、胃腸を休めたいときにぴったりのほっと癒される鍋です。
「豆腐も豆乳も消化がよく、胃腸に負担をかけずにたんぱく質を摂ることができる、食べ過ぎたときのお助け食材。また、春菊は香り成分に胃腸の働きをよくして消化を促進する作用があるほか、むくみ改善によいカリウムや、腸内環境を整える食物繊維も摂ることができます。鍋のスープは塩味のみのやさしい味わいで、コチュジャンごまダレをつけるとコクがプラスされます」(長谷川さん)
材料(2人前)
絹ごし豆腐……1丁(300g)
春菊……1袋
豆乳(無調整)……400ml
塩……小さじ2/3
▽コチュジャンごまだれ
コチュジャン……大さじ1
白ねりごま……大さじ1
塩……小さじ1/3
作り方
①豆腐は6等分に切る。春菊は食べやすい大きさに切る。コチュジャン、白ねりごま、塩は合わせておく。
②鍋に水200ml(分量外)と塩を加えてよく混ぜたら、豆腐を入れて中火にかける。沸騰したら豆乳を加えてひと煮立ちさせ、春菊を加えてさっと煮込んだら完成。
③器にスープごと移し、コチュジャンごまだれを加えていただく。
撮影/佐々木美果 スタイリスト/竹中紘子 取材・文/和田美穂 構成/福島美歩(MAQUIA ONLINE)
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