「MAQUIA」6月号では、今改めて注目される「たんぱく質」についてQ&A方式で詳しく解説。体に起こるさまざまな不調を改善するのにも重要な栄養素でした!
筋肉や美肌だけじゃない! メンタルや免疫にも深く関係
たんぱく質がよくわかる100知識
女子栄養大学教授
上西一弘先生
スポーツ栄養学の観点から選手の体作りを研究。たんぱく質に関する著書多数。
QOLを上げる!
たんぱく質で不調改善
たんぱく質不足は不調の原因になり、逆にきちんと摂れば改善しやすく。効果的な摂り方を解説します。
たんぱく質が不足すると
冷え性になりやすい
「たんぱく質が不足すると体で熱を生み出す筋肉が減り冷え性に。たんぱく質食材に、しょうが、ねぎ、にんにく、にらなど体を温める食材を組み合わせて改善を」(上西先生)
たんぱく質不足だと
慢性疲労になりやすい
「慢性疲労は体内に活性酸素がたまり、細胞が傷つくことが要因。抗酸化作用の高いペプチドを多く含む豚肉や鶏肉、牛肉などに、抗酸化成分のビタミンCが豊富な緑黄色野菜やキウイ、ビタミンEが多いアーモンドなどを合わせて摂って」(上西先生)
たんぱく質不足だとむくみやすい
「むくみは、組織の水分量と血液量のバランスを保つアルブミンというたんぱく質が不足していることも要因。アルブミンはアミノ酸スコアが高い食品に含まれるので取り入れて」(上西先生)
肩こりや腰痛の改善には
高たんぱく食材で筋力低下を防ぐ
「筋肉が減ると体を支えきれず肩こりや腰痛の原因に。たんぱく質と、血流を促すビタミンEが多いアーモンド、疲労を回復するクエン酸が多いレモンや梅干しなどを」(上西先生)
貧血には
鉄とたんぱく質を含む食材を
「血液で酸素を運ぶヘモグロビンの量が低下すると貧血に。ヘモグロビンは鉄とたんぱく質が主原料なので、ふたつを補えるレバーや魚介類、大豆のほか、造血に必要なビタミンB群が摂取できるしじみやあさりなども摂って」(上西先生)
抜け毛にはレバーや大豆
「髪の主成分のたんぱく質が不足すると抜け毛を招きます。抜け毛改善には亜鉛やイソフラボンもよいとされるので、これらがたんぱく質とともに摂れるレバーや大豆食品が◎」(上西先生)
下痢には脂質の少ない肉や魚を
「たんぱく質は消化酵素の原料なので、不足すると消化がうまくできず、下痢を起こすことも。脂質が少ない赤身肉や白身魚、大豆などや、腸内環境を整える食物繊維が多い海藻類やごぼうなどを摂りましょう」(上西先生)
がんはたんぱく質の異常が関係している
「がんはがん細胞の分裂を促すたんぱく質、もしくは分裂を抑えるたんぱく質に異常が起きて分裂が進み、遺伝子の修復ができなくなって発症すると言われています」(上西先生)
たんぱく質は
心の状態にも関係し、
不足するとうつになることも
「人の感情には、喜びや快楽を感じさせるドーパミンや、精神を安定させるセロトニンなど、多くの神経伝達物質が関係。この神経伝達物質の原料もたんぱく質。うつや不安神経症などは神経伝達物質不足も原因とされ、メンタルの安定にもたんぱく質は不可欠」(上西先生)
不眠に悩む人は、
アミノ酸のグリシンを
「睡眠の質の向上によいのがグリシン。摂ると手足から体内の熱放散が促され、深部体温を低下させ寝つきがよくなります。えびやほたて、かになどに含まれます」(上西先生)
グリシンにより、すみやかに深睡眠をもたらし、睡眠の質向上をサポート。グリナ 30本入り ¥5560(編集部調べ)/味の素ダイレクト
MAQUIA 6月号
イラスト/熊野友紀子 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA) 撮影協力/UTUWA
※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。
最終更新日: