筋肉や肌を作る材料となり、美と健康に不可欠の栄養素、たんぱく質。心の状態や、免疫にも深く関わっているからいまこそ積極的に摂るべき!「MAQUIA」6月号では、今気になるたんぱく質の知識をプロが解説します。
筋肉や美肌だけじゃない! メンタルや免疫にも深く関係
たんぱく質がよくわかる100知識
女子栄養大学教授
上西一弘先生
スポーツ栄養学の観点から選手の体作りを研究。たんぱく質に関する著書多数。
フィットネストレーナー
田上舞子さん
フィットネスの大会に挑み続けながら、フィットネスインフルエンサーとしても活動。
今、断然気になる栄養素
たんぱく質って何がそんなにスゴイ!?
そもそもたんぱく質ってどうして大切なの? なぜ必要? たんぱく質の妖精“たんぱくん”がたんぱく質の基本を解説します。
たんぱく質の知識を深めよう
知識01
たんぱく質は体を作るのに欠かせない栄養素
「たんぱく質は体のあらゆる組織を作る栄養素で、筋肉や内臓、骨、肌、爪、髪まですべてたんぱく質が含まれています。目の焦点を合わせる水晶体も、血液で酸素を運ぶのも、舌で味の情報を伝えるのも、ウイルスや細菌から体を守る抗体もたんぱく質。全身でさまざまな働きをしています」(上西先生)
知識02
体の60%は水、残りの約半分がたんぱく質
「たんぱく質は人体の大部分を占めています。人体を構成する物質として、最も大きな割合なのは約60%を占める水分ですが、それを除くと、およそ半分がたんぱく質。全身の部品を作るだけでなく、生きるのに必要なあらゆる機能を担う重要な物質です」(上西先生)
知識03
糖質に偏った食事でたんぱく質不足に
「たんぱく質は手軽に摂りにくいので、意識して摂るようにしないとすぐに不足しがちになります。朝はトーストとコーヒー、昼はサラダとおにぎり、夜はパスタというような食生活の人は要注意。糖質に偏った食事の人は不足傾向にあります」(田上さん)
知識04
たんぱく質不足だと体の機能が正常に働かない
「たんぱく質は体のあらゆる機能に関わる栄養素なので不足すると不調が発生。たとえば、熱を生む筋肉が減って冷え性になったり、たんぱく質が原料のヘモグロビンが減少して貧血になったり。身近な不調が実はたんぱく質不足が原因だということも」(上西先生)
知識05
ホルモンや酵素、抗体を作るのもたんぱく質
「たんぱく質の代表的な働きは、筋肉や骨、髪などの体の部品を作ること。また、体の働きを正常に保つホルモンや、食べ物の消化・吸収など生命維持のために働く酵素を作る働きや、ウイルスや細菌から体を守る抗体を作る働きなどもあります」(上西先生)
知識06
動物性と植物性のたんぱく質がある
「食品に含まれるたんぱく質には動物性たんぱく質と、植物性たんぱく質があります。動物性たんぱく質は、肉や魚、卵、牛乳、乳製品などで、体に必要な必須アミノ酸がバランスよく含まれているのが特徴。一方、植物性たんぱく質は大豆食品をはじめとした豆類や、米、麦、そばなどの穀類に含まれ、脂質が少ないのが特徴です」(上西先生)
知識07
たんぱく質はアミノ酸がつながったもの
「たんぱく質はアミノ酸がつながったもの。50〜数百万個以上つながっているのがたんぱく質、50個未満ならペプチドと呼びます。ペプチドはアミノ酸が2~10個のオリゴペプチドと、それ以上のポリペプチドに分かれます。人体を作るたんぱく質は5〜10万種類と言われますが、構成単位となるアミノ酸はたった20種類です」(上西先生)
MAQUIA 6月号
イラスト/熊野友紀子 取材・文/和田美穂 構成/山下弓子(MAQUIA)
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