SNSを中心に話題になった「アイドル水」。緑茶にレモンを加えるだけで痩せるという噂は本当? 管理栄養士の浅野まみこ先生に、アイドル水のリアルなダイエット効果について教えていただきました。さらに、MAQUIAインフルエンサーによる一週間チャレンジの体験談やエディターの口コミも!
そもそも「アイドル水」とは?
K-POPアイドルが飲んでいると話題になったレモン緑茶
緑茶にレモン果汁を加えた飲みもののこと。韓国で活躍するK-POPアイドルやモデルが愛飲しているといわれ、InstagramやTikTokで話題に。「モデル水」や「ダイエット水」とも呼ばれ、高いダイエット効果が期待されるといわれているが、真相はいかに……!?
「アイドル水」の作り方
【材料】
・抹茶もしくは緑茶パウダー 5〜10g(またはティーバッグ 1個)
※カフェイン量が気になる人は薄めにつくるのがおすすめ。
・お湯 500ml
・レモン果汁 1/4個(または市販のレモン汁 大さじ2)
【作り方】
1.ティーポットや急須に抹茶もしくは緑茶パウダーを入れてお湯を注ぐ。
2.1を常温ぐらいまで冷まし、飲む直前にレモン果汁を加える。
「アイドル水」は痩せる? ダイエット効果は?
管理栄養士に聞いてみました!
総合病院、女性クリニック、企業カウンセリングにて1万8000人以上の栄養相談を実施した経験を生かし、現在は、食育活動やレシピ開発、食のコンサルティングをはじめ講演、イベントなど多方面で活躍中。『「コンビニ食・外食」で健康になる方法』(草思社)など著書多数。
Q.レモンと緑茶が持つ作用について教えてください!
A.レモンには疲労回復と美容効果、緑茶には腸内環境を整える働きがあります
「レモンなどに含まれるクエン酸は、体内でTCA回路を動かす働きのひとつであり、エネルギー産生に関わります。代謝を促して疲労を回復させる作用があります。そして、ビタミンCは代謝や抗酸化作用などの美容効果をサポートしてくれる成分。緑茶の場合、カテキンには脂質代謝に働きかける作用がありますが、ダイエット効果の明確なエビデンスはありません。ただ、善玉菌を増やして悪玉菌を減らす働きを助けるため、腸内環境が整うことで代謝向上につながるといえます。そして緑茶に含まれるテアニンはリラクゼーション作用を持ち、睡眠の質を向上させるというデータもあります。また、レモンと緑茶のどちらにも、むくみ改善につながるカリウムが含まれています」
Q.「アイドル水」にダイエット効果はありますか?
A.がぶ飲みすれば痩せる!というものではありません
「残念ながら、ダイエットに直接効果があるとはいえません。がぶ飲みすれば痩せる!というものではないけれど、先ほどお伝えしたレモンと緑茶それぞれの作用があるので、日常的に取り入れることでポジティブな効果は得られるかもしれませんね」
Q.より緑茶の効果を取り入れるには、粉末やティーバッグ、茶葉など、何を選ぶのがおすすめですか?
A.成分をしっかり摂りたいなら粉末がおすすめ
「粉末なら、カリウムやβカロテンをしっかり摂取できます。茶葉やティーバッグで抽出した場合、摂取できるカリウムやβカロテンの量は粉末の10分の1程度です。(せん茶茶葉:カリウム2200mgに対して、浸出液は27mg、βカロテン等量13000μgに対して、0mg※)ただ、カフェイン量は粉末のほうが多いので、カフェインを摂りすぎたくない場合や、たくさん飲みたい人は、煎茶で抽出するのがおすすめです」
※日本食品標準成分表(八訂)
Q.1日あたりのカフェイン摂取量の目安はどのくらい?
A.1日あたり400mgまでを目安にしましょう
「アメリカ食品医薬品局(FDA)の基準によれば、1日あたり400mgまでであれば、健康への危険な悪影響はないとしています。ただし、妊娠中や授乳中の方、妊娠予定の方や服薬している方はカフェインの影響を受けやすくなる場合があるので、かかりつけ医に相談しましょう。お茶で換算すると、玉露(茶葉10g)が100mlあたり160mgなので1日250mlまで。煎茶(茶葉10g)は100mlで20mgなので1日2Lぐらいまでは大丈夫です。抹茶(粉末1.5g)は70mlで48mgなので1日580mlぐらいが目安です。もしコーヒーなどでカフェインを摂取する場合は、さらに減らす必要があります」
Q.レモンは果物ではなく、市販のレモン果汁でもOK?
A.ビタミンCを摂りたいなら果物がおすすめ
「クエン酸の疲労回復作用やカリウムの効果を期待するのであれば、市販の濃縮還元されたレモン果汁液等でもまったく問題ありません。ただ、ビタミンCは含まれていないので、美容への作用を期待するなら、果物を使ったほうがいいと思います」
Q.甘さを加えたいときはどうすれば? 飲みづらさを感じた時に加えるといいものはありますか?
A.水溶性食物繊維のイヌリンを加えてみて
「甘味がほしいなら、血糖値上昇の少ないはちみつがおすすめです。糖分が気になる人は、水溶性食物繊維のイヌリンのパウダーを加えると、腸内環境を整える作用があるうえ、ほのかな甘みを感じられます。血糖値上昇も抑えてくれるので気軽に使えますよ」
Q.「アイドル水」を飲むなら、どのタイミングがベストですか?
A.夕方までの間にこまめに飲みましょう
「時間帯での吸収率を考えるよりも、ビタミンCはこまめに摂ったほうがいいですし、カフェインの影響を考えると夕方以降は避けたいので、朝から日中までの間にこまめに摂るのがおすすめです」
Q.日常的に摂る上で、注意点があれば教えてください。
A.貧血気味の人や鉄剤を服用している人は医師に相談を
「先ほどお話ししたカフェインは自分に合った量で調整してください。また、緑茶に含まれるタンニンは鉄の吸収を阻害する作用があるので、貧血気味の人や鉄剤を服用している人は注意が必要です」
「アイドル水」の効果を検証! 一週間試してみた結果と口コミ
makiさんがいちばん効果を実感したのはむくみ改善!
28歳・会社員。体がむくみやすく、夕方には脚がパンパンになってしまうのが悩み。睡眠不足の翌朝は二の腕までむくんでしまうことも。美容効果のあるお茶が好き。
【アイドル水ダイエット1〜3日目】ほどよい酸味がムダ食い防止にいいかも!
「緑茶にレモン?と半信半疑でしたが、意外とすっきりとしていて美味しい! 冷蔵庫にストックして、1日1Lは飲んでいました。ほどよい酸味がなんとなく食いを防いでくれるような気も。ちょうど生理前で、いつもは食欲が増して食べすぎてしまうのですが、今回はアイドル水を飲んでいるという意識もあって控えられました」
【アイドル水ダイエット3〜5日目】夕方にはパンパンになる脚のむくみがいつもよりスッキリ!
「普段はカリウムのサプリやマッサージ、湯船につかるなどのケアをしていても夕方には脚がパンパンなのに、脚のむくみがいつもよりスッキリしていてアイドル水の効果かも⁉︎と驚きました。味にも慣れてきたので、途中からちょっとだけレモンを増やして軽い味変をしてみたら、さっぱり感が増して朝イチの水分補給にぴったりでした」
【アイドル水ダイエット一週間後】むくみ悩みに効果を実感! 私のスタメンティーになりそう!
「むくみにいちばん効果を感じました! お通じもいつもよりスムーズな気が。私はストレスが溜まると便秘や肌荒れを起こしやすいのですが、仕事が忙しい時期でも特にトラブルがなかったのは、もしかするとアイドル水のおかげかも?と思っています。一週間経って、体重は約-1kg減。スーパーで気軽に買える材料で作れるので、私のスタメンティーになりそうです♪」
noaさんは便秘解消! 食欲が増す生理前の体重もキープ
44歳・会社員。下半身のむくみと、ぽっこり下腹部が悩み。筋肉量を増やそうとプロテインを飲んでいた時期もあるが続かなかった。在宅勤務多め。
【アイドル水ダイエット1〜3日目】想像以上に爽やか&はちみついらずのおいしさ!
「緑茶にレモンの酸味と風味がプラスされて想像以上に爽やか! はちみつも準備しましたが、そのままで十分おいしかったのでほぼ使いませんでした。在宅勤務が多く、日中はデスクワークでほぼ動かない&仕事中にあまり水分を取る習慣がないので、アイドル水を入れたマイボトルを目につく所に置き、意識して飲むようにしました」
【アイドル水ダイエット3〜5日目】チャレンジ前からの便秘が解消♪
「アイドル水の味にもすっかり慣れ、1日に1L程度は飲めるようになりました。実はチャレンジ前から便秘気味だったのですが、この頃には解消されました。アイドル水はさっぱりしているので、デスクワークはもちろん、食事のお供として和洋中どんな食事にも合わせやすかったです。散歩やお風呂にもマイボトルを持参し飲んでいました」
【アイドル水ダイエット一週間後】食欲が止まらない生理前も体重をキープできました
「一週間チャレンジは、ホルモンバランスの影響で食欲が止まらない生理前の時期と重なっていましたが、体重を増やさずにキープできました。脚のむくみにも効果を感じたので、日常的な水分補給としてこれからも続けていきたいと思っています。特別な材料も必要ないし、気負いなくライフスタイルに取り入れられるのでおすすめです!」
忙しい時期に感じやすい体のだるさが軽減されたかも
ライター
国分美由紀さん
「緑茶の苦味が強くなるかと思いきや、レモンの酸味がほどよく中和されて爽やかな飲み心地。パウダータイプの緑茶なら水にもすぐ溶けるので、忙しい朝も手間要らず。レモンの量を多めにすると、飲んだ時のリフレッシュ感がアップするのでおすすめ。こまめに飲むようにしていたら、忙しい時期に感じやすい体のだるさが軽減された気がします」
生搾りの方が美味しい! 夕方の足取りが軽くなった気が
「緑茶に生のレモンを絞って飲んでいましたが、爽やかな香りと緑茶のほのかな苦味がマッチして、想像以上に飲みやすい! 食後に飲むと「もっと食べたい」という気持ちが落ち着き、甘いものを欲しなくなりました。日中、こまめに飲んでいた日はトイレの回数も増え、デスクワーク後の夕方の足取りが普段より軽い気がしました」
※この記事に掲載している内容は個人の感想です。効果には個人差があります。
取材・文/国分美由紀 構成/織田真由(MAQUIA ONLINE)
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