エイジングケアは、将来の老け方を予測して行う方がダンゼン効率がいい。今回は日本人が悩みやすい4大老化サインと、あなたの肌に現れやすい老化サインがわかる診断テストをお届けします。
未来に備えて、最短ルートで予防する
“老け方タイプ”から考える、
最適エイジングケア
これが日本人女性の平均的な老け方
こちらの画像は加齢による見た目の変化をシミュレーションしたもの。シワやたるみなど、エイジングサインが複合化して現れるのが見てとれる。
画像提供/ポーラ「加齢による顔変化シミュレーション」
銀座ケイスキンクリニック 院長
慶田朋子先生
日本皮膚科学会認定皮膚科専門医。最新の論文に目を通し、エビデンス重視で医療情報を発信。最先端の照射&注入治療の組み合わせでナチュラルに「暦年齢マイナス10%の若さ」を取り戻す施術を得意とする。
肌質や骨格、生活習慣で
老け方タイプは予測できる
「老け方を分類すると、まず30代で明暗が分かれるのは脂肪萎縮による、『肌コケ』タイプです。肌コケが目立たない人に比べて、頬の下やこめかみが痩せてくるタイプは、過去に行った過剰なダイエットで急激に脂肪や筋肉を減らしてしまった人に多いですね。
『肌コケ』タイプとは逆に、太りやすい人は『たるみ』の傾向が。肌質はキメが細かく羽二重餅のようで、毛穴も目立たず、きれい。このタイプはコラーゲン線維による網目構造自体がプニュプニュと柔らかい質感のため、首の食い込みジワなどが30代半ばぐらいから出てきます。
『シミ』は本来、持っている抗酸化力の差もありますが、浴びてきた紫外線量、紫外線対策の歴史が現れます。シミができやすいのは、やはり肌が白い人。紫外線を浴びてすぐに黒くなる人は、自前でSPF3〜5ぐらいの防御力を持っているので、過剰なメラニンが作られず、シミ化しにくいです。
『シワ』タイプは、圧倒的に乾燥をケアせず放置してきた人。肌の擦りすぎや、油抜きダイエット、喫煙といった生活習慣の要素も多いです。
どのタイプも20歳を過ぎたら、UV対策・洗顔・保湿といった基本的なケアと太りすぎず痩せすぎない“適性の体重”に保つことも大切です」
日本人が悩みやすい
4大老化サイン
肌コケ
20歳ごろを過ぎると増えることがない皮下脂肪(中性脂肪とは別モノ)や筋肉が減ることでこめかみや頬などの肉が削げてコケた印象に。頬や額の骨が高い人は比較的なりづらい。
たるみ
顔の輪郭が曖昧になり、顔全体が下がった印象に。もたついたお肉に引きずられ、目の下のゴルゴラインやほうれい線、口もとのマリオネットラインも目立ってくる。
シミ
紫外線を浴びる&浴びたことによる光老化由来のシミと女性ホルモンやこすれによる肝斑の2種のシミがある。メラニンの生成は生体の防御反応なのでストレスでも濃くなる。
シワ
紫外線や乾燥、湿疹などで表皮から真皮に炎症が生じて目立つ乾燥小ジワ。それが進行し、真皮のコラーゲン・エラスチン線維などが減少・変性すると表情ジワも深くなる。
あなたはどのタイプ?
老け方診断で傾向を知る
慶田先生の話を基にチェックリストを作成。該当項目が一番多いものが、将来のあなたの肌に顕著に現れやすい老化サイン。真っ先に対策すべき現象はどれ?
Type 01
□ どちらかというと痩せやすいのが悩み
□ 過去に過激なダイエットをしたことがある
□ お肉や魚より、米やパンが好き
□ 骨が華奢で鎖骨や指の骨が目立つ
□ 指で頬を押すと肌がズボッと凹む
この項目にチェックが多い人は
肌コケの進行に要注意
筋肉や脂肪のボリュームロスによる肌コケは、食事でしっかりとたんぱく質を摂ることが先決。スキンケアでは表皮の水分量を保つ・ターンオーバーを適切に保つ、コラーゲン分解を進める紫外線を徹底的にブロックするなど、肌の厚みを損なわないケアをメインに。
Type 02
□ 手で触れると吸い付くように肌がやわらかい
□ 首のシワが目立つ
□ 骨感はあまり目立たない
□ 筋肉がつきにくい
□ どちらかというと色白だ
この項目にチェックが多い人は
たるみの進行に要注意
加齢により、誰しもキュッと引き締まった輪郭は徐々にゆるんでいく傾向にあるが、もともと肉質が柔らかな人はたるみの進行が特に顕著。キメ細かく、毛穴も目立たない肌なので、表皮の肌を下支えするコラーゲンやエラスチンの質を低下させないケアを意識して。
Type 03
□ 日に当たると肌が赤くなる
□ アウトドアな趣味がある、または仕事で外回りが多い
□ 日焼け止めをうっかり塗り忘れることがある
□ 野菜や果物を食べる習慣が少ない
□ ちょっとしたことでクヨクヨ悩む
この項目にチェックが多い人は
シミの進行に要注意
紫外線に対する耐性が弱く、抗酸化力が低め。日焼け止めでの防御はもちろん、日傘や帽子などの物理的なUVカットも徹底して。紫外線を浴びたら、酸化ストレスを即消去するケアも必須。フィトケミカル、ポリフェノールリッチな果物や野菜の摂取も有効だ。
Type 04
□ お酒が好きで飲酒量も多い
□ 肌をこすりがち
□ 肌の乾燥が気になる
□ 若い頃に無防備に日焼けした経験がある
□ 四六時中スマホ漬けで顔が下向き
この項目にチェックが多い人は
シワの進行に要注意
原因に生活習慣的要素が多いので、逆を言えば最もリカバリーしやすい。保湿を徹底し、肌を強くこするなどの過剰なケアを行わないよう心がけて。アルコールは、肌の生まれ変わりに必要なビタミンB群を大量に消費するので、極力控えるのが美肌維持には重要。
MAQUIA 9月号
撮影/李 有珍〈aosora〉 イラスト/green K 取材・文/平 輝乃 企画/火箱奈央(MAQUIA)