『マキア』が創刊して来年で20年。振り返れば、コスメ、特にスキンケアは大いなる進化を遂げ、さまざまなブームを生み、現在へ。この20年の歴史を振り返ります!
ジャーナリスト&サイエンティストが語る
―美容は時代のうつし鏡―
伝説のスキンケア20年史
あの時、世間を騒がせた革新は、脈々と「今」に継承
キーワードでひも解く20年
美肌の本質をとらえようと革新を繰り返した20年。キーワードはその進化の歩みを表していた!
2004
『MAQUIA』が華々しくデビュー。「うっとり」がキーワードだった。
マキア創刊
2005
高級化粧水が各ブランドから続々。美容液にも負けない肌ケア力が!
「成分フォーカス」
成分にフォーカスしてスキンケアを選ぶようになった始まりは、『マキア』が創刊した2000年代に突入した頃から。各社で美白成分開発ブームが白熱するなど、スター成分の製品が続々登場。
HAKUデビュー
新規美白成分が話題に
「遺伝子研究」
「人の設計図」遺伝子の、遺伝情報をすべて読み取るヒトゲノム解析が終わったのが2003年。化粧品メーカー各社もエイジングの謎を解明すべく遺伝子研究にのりだした。SK-IIはいち早く製品に応用。
SK-Ⅱが老化の核心に迫る
2007
ヘレナ ルビンスタインの黒い包帯クリームの前身が誕生するなど、高額クリームが大ブーム。
「炭酸美容」
2剤を混ぜて作るのがあたりまえだった炭酸マスクを、エストがシートマスクにして話題に。炭酸の肌への効果が見直され、現在の泡で出てくる炭酸コスメのブームへとつながっていく。
エスト 炭酸マスク誕生
2009
カネボウ化粧品から3Dシートマスクが登場するなど、ご褒美マスクが話題に。
「洗顔革命」
有名美容家の推奨などで、肌にうるおいを残すクレンジングに注目が集まる。2009年に誕生したカバーマークのクレンジングミルクは、その後、売上を伸ばし続け、ロングセラーに。
カバーマークが先鞭を切る
2014
オバジCシリーズがバージョンアップし、高濃度ビタミンCブームに火がつく。
「免疫コスメ」
肌の免疫力や抵抗力を高める“アルティミューン”の初代が誕生。肌トラブルやエイジングの大きな原因が肌環境にあることが注目され、強い肌を作る「底上げ」の発想が生まれた。
アルティミューンがすい星のごとく登場
アルティミューン パワライジング コンセントレート IIIn 50ml ¥13200/SHISEIDO(10月1日発売)
2017
コスメデコルテがストレスをケアし、肌感度を高める「AQ」ラインを発表。
「シワ改善」
日本で初めてシワの改善効果が厚生労働省から認可され、ポーラが「ニールワン」を配合したリンクル ショットを発売。続いて、資生堂が純粋レチノール配合のシワ改善コスメを発表し、大きなムーブメントに。
ポーラが初めて承認取得
2018
たるみケアに技術革新が! 無重力、リフトをうたうコスメが多数登場。
「幹細胞コスメ」
ロート製薬の再生医療研究から生まれた、エピステーム ステムサイエンス ローションがジャーナリストたちを夢中にさせた。これを機に、幹細胞を応用したスキンケアが本格的にスタート。
エピステームが幹細胞の培養上清液に注目
2019
美白にもシワにも効く、「ナイアシンアミド」配合のコスメが次々にデビュー。
「美肌菌」
すでに人気を博していたランコムのジェニフィックが、美肌菌をケアする成分を搭載してリニューアル。以後、美肌菌は「なんとなく肌不調」を解決するという、ムーブメントに。
肌の菌活が世の中に浸透
2021
コロナ禍のおこもり美容で、価値ある投資先として「効く」コスメに人気集中。
「リポソーム」
発売29年のロングセラー美容液、通称“モイリポ”が満を持してリニューアル。超微細なカプセル、リポソームが1滴に1兆個も入っているという驚きが、実際に使って感動に変わった。
コスメデコルテの名品がリニューアル
2023
コロナが開けコスメも新時代へ
3年間のマスク生活による、下半顔のたるみを解決するコスメに注目が集まる。
今人気のコスメは進化の結晶!
スキンケアコスメは1日してならず。
チャレンジの歴史が名品を作る
多くのスキンケアコスメが生まれては消えていったこの20年。がしかし、時代を象徴するようなエポックメイキングなコスメはリピーターが絶えず、各ブランドはファンのさらなる期待に応えるべく、最先端の技術を搭載してバージョンアップを重ね、現役コスメとして人気を博している。20年の進化は、化粧品ブランドのたゆまぬチャレンジの歴史そのもの。
おかげで私たちは、『マキア』誕生以前は考えられないほど、労せずに美肌を手に入れ、キープできるようになった。
MAQUIA11月号
撮影/Kevin Chan 取材・文/小田ユイコ 構成/若菜遊子(MAQUIA)
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