「いつもの春より色を楽しみたい」という神崎さん。年齢を重ねれば重ねるほど、気恥ずかしさを感じるピンクの大人な使い方は? 春色メイクで重要な甘辛バランスも必読です。

神崎恵 春メイク パステル ピンク ピンクメイク メイク

神崎 恵の恋させる瞬間 美容劇場
きゅん♡を誘う女になる

Megumi Kanzaki

神崎 恵

1975年生まれ。美容家であり、3人の息子をもつ母。ひとりひとりに合わせたメイクやビューティスタイルを提案するアトリエ「mnuit」を主宰し、美容誌をはじめ、各女性誌で連載を持つ他、コスメブランドのアドバイザーを務め、女性を美しく導く製品の開発、プロデュースなど活動の幅を広げている。書籍の累計発行部数は145万部を超え、最新刊『老けない美容、老ける美容』(講談社)が話題に。

Scene:春のパステルメイク
気負わずに楽しみたい
大人のためのピンクメイク


春色といえば、ピンク。物心ついた頃から、ピンクはいつだって心ときめく色だったし、どんなに寒い日もこの色を見るだけで、春のようなあたたかでやわらかな気持ちになれる。触れる誰もの心をほんわり包み込む。これがこの色の最大の魅力だと思う。


私とピンクの一番遠い記憶はクレヨンだ。幼い頃、一番大切に使っていた「ももいろ」のクレヨン。おえかきちょうに描く花やお姫様のドレスは、ピンクで埋め尽くす。だから、ももいろはどの色よりも先に短くなったし、この色にみずいろやしろを混ぜ、自分なりのももいろを作る楽しみも特別なものだった。何色かあった女の子色と言われる色の中でも圧倒的にやわらかくかわいいこの色は、もはや色の頂点。絆とか運命とか、そんな大袈裟な言葉が当てはまってしまうほど、当時の私にとって特別な色だった。


けれど、この世界一かわいい色、思春期に近づくにつれ、距離感がちょっと難しくなってくる。かわいいものへの抵抗感。見るからにかわいいこの色を素直に受け入れることができなくなるというか、しっくりこなくなる。黒や白といったクールな色。かわいさより、冷たい色を選ぶ方がかっこいい、そんな気分になる年頃だ。でも、ピンクとの距離を取るようになってからしばらく経つと、今度はピンクが恋しくなる。ピンクとの復活愛だ。人生の甘さ、辛さを経験した大人は、ピンクという甘みが恋しくなる。人の目線より、自分が心惹かれるものを選びたい、そんな進化するマインド的にも、ピンクを楽しむ準備が万端に整うのかもしれない。


この数年、まさに私はこのタイミングの中にいる。今までなんとなく甘すぎて重さを感じていたこの色が、改めてかわいくて仕方ない。メイクはもちろん、服や小物、至る所にピンクを纏いたくなる。
ただ、大人には大人のピンクとの付き合い方がある。大人の風合いが育った肌には、ピンクが映える透明感がどうしても必要になる。トーンアップ下地を使い、艶ファンデを重ねたら、繊細なフェイスパウダーを纏う。ここに透けるように色づくピンクのパウダーチークを薄く広めに頬に重ねることで、艶はありながらもほわりとやわらかな透明肌が仕上がる。アイカラーは淡いピンクにブラウンを組み合わせて落ち着かせ、さらにパープルも足して、身につける服もパステルに。今春はこんな風にとことんパステルムードを楽しみたい。

目元はとことん甘く、くすみチークで程よく引き締め

目元はとことん甘く、
くすみチークで程よく引き締め
ラベンダーとピンクでまぶたをトーンアップさせながら、目のキワには締め色ブラウンを。さらに、チークにはシックに仕上がる上品なくすみ色を足して、甘辛バランスを完成。

a ブルームクチュール アイズ 07 ¥6380/ジルスチュアート ビューティ b メルティング パウダー ブラッシュ 02 ¥6050/SUQQU

a 上まぶた目頭側にラベンダー、目尻側にピンクを広げて春らしい華やかさを。ブルームクチュール アイズ 07 ¥6380/ジルスチュアート ビューティ b チークは頬の高めの位置に広めになじませて、HAPPY感を表現。メルティング パウダー ブラッシュ 02 ¥6050/SUQQU

甘さを極力抑えたシンプルストレート

甘さを極力抑えた
シンプルストレート
メイク×ファッションの甘さが印象的な分、ヘアスタイルはできるだけシンプル仕上げに。髪全体にストレートアイロンを丁寧にかけつつ、毛先にはやさしい丸みを感じさせて。

メイクに合わせてファッションにはやわらかさをプラス

メイクに合わせてファッション
にはやわらかさをプラス
メイクに合わせて、色みも素材も透け感もやわらかくまとめた、ピンクドレススタイル。「ファッションも甘く」が神崎さんの春メイクの気分だそう。

MAQUIA 3月号
モデル・メイク・文/神崎 恵 撮影/菊地泰久〈vale.〉 ヘア/津村佳奈〈Un ami omotesando〉 スタイリスト/松島 茜〈io〉 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)


※本記事掲載商品の価格は、税込み価格で表示しております。

最終更新日:

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