ファッション誌やショップのウィンドウでは、秋の装いが本格化。「MAQUIA」10月号で連載中の『神崎 恵の恋させる瞬間 美容劇場』では、夏ワンピの上にさらっと羽織れる、秋先取りのトレンチコートで“モテる”をレクチャーします。
神崎 恵の恋させる瞬間 美容劇場
きゅん♡を誘う女になる
神崎 恵 Megumi Kanzaki
1975年生まれ。美容家であり、3人の息子をもつ母。ひとりひとりに合わせたメイクやビューティスタイルを提案するアトリエ「mnuit」を主宰し、美容誌をはじめ、各女性誌で連載を持つ他、コスメブランドのアドバイザーを務め、女性を美しく導く製品の開発、プロデュースなど活動の幅を広げている。書籍の累計発行部数は144万部を超え、現在は新刊の執筆&撮影で、普段以上に多忙を極めている。
SCENE:トレンチコートを着る日
女らしさと肌映えを叶える、コーラルリップメイク
凜とした美しさに惹かれる。機能性と永遠とも断言できるデザインの調和が生み出すその美しさ。トレンチコートへの憧れは、その季節がくるたびに飽きることなく繰り返される。なぜここまで私たちの心を奪うのか? それは先に書いた理由に加え、このコートに袖をとおした瞬間からかっこよさ、品、しなやかさ、という魅力をさらにドラマティックという空気で包んだ、特別な美しさが叶うからかもしれない。
長年、記憶に刻まれているシネマのワンシーンも、思わずめくる手を止めてしまうページも、トレンチを纏った美しいひとのもの。日常でも、トレンチを自分の体と調和させ着こなしているひとをみると、そのかっこよさに視線が動かせなくなる。シンプルなデザインとベーシックな色で仕上がるこの1着には、だれもの心をつかむ魅力がある。ただ、だれもかれもがこの魅力にあやかれるわけではない。美しい1着を美しく着る。そうでなければただ機能性のある上着を羽織っているだけ。
今回はこのトレンチで美しいひとになるコツをお話ししたい。まず重要なのは色だ。形はベーシックであるものがいいのはわかりやすい基準だが、意外にも見過ごしてしまうのが色。これは肌がキレイに見える色というのが譲れない条件。トレンチといえばベージュが基本だが、この色が難しい。肌の色をくすませることも多くあるこの色だからこそ、自分の肌を明るくし、透明感を引き出すものを選ぶことが大事だ。
次に着こなし。腕をまくったり、背中を抜いたり、胸元のあき具合やベルトの締め具合までも鏡の前で調整し、自分の体や顔がいちばん美しく見えるバランスで仕上げること。
そしてもうひとつ、1着のトレンチを即座にドラマティックにするのが鮮やかなリップだ。目がさめるほど鮮明な色を大胆に1点差し込む。この組み合わせが生み出す美しさは唯一無二。目が離せない特別な雰囲気が出せる。合わせる肌には透けるような軽やかさとみずみずしいツヤが必要。
記憶に刻まれるワンシーンのような美しいひとになりたい。
ドレス感覚で楽しむ
神崎流のトレンチのこだわり
トレンチコートをドレスのように着る……実はわたしがいちばん好きなトレンチの着方。前を締め、大きめのネックレスをつけ、華奢な靴を合わせる。コートをドレスのように着る、なかなか難易度は高いかもしれないけれど、この着方でしか味わえない特別感がある。
今回のように、ラップワンピに合わせるのも定番の着こなし。規則的な小さな柄でデコルテが三角にあいたワンピース、そこにトレンチをさらっと重ねる。クラッチを片手に鮮明なリップを合わせる。
髪はゆるっとダウンやまとめ髪。どちらにしても決めすぎず、さりげなさをだすのがポイント。シンプルな中に自分らしさとちょっとのインパクト。このさじ加減が大事。
神崎流・美人レシピ
男性も袖をとおすトレンチコートは、女性が着ることで色気を感じるアイテムになるそう。手首を出したり、ウエストを強調しながら、自分の体が美しく見える着こなしをマスターして。
ハンサム要素のあるベージュのトレンチコートは、存在感のある色もすんなり許容してくれる。マットなテクスチャーで、発色の良いレディな口紅を合わせて、メイクを楽しみたい。
a カバー力はありながら、美容液感覚で究極のツヤ肌を叶えるリキッドファンデーション。サブリマージュ レサンス ドゥ タン 全6色 各¥19250/シャネル b 程よく光を纏った、マットな質感が美しいリップスティック。唇をふっくらと、肌トーンも明るく見せてくれる。ルージュアレーブル マット 116 ¥6600/クレ・ド・ポー ボーテ
髪全体に軽さが出るようにミックス巻きに。さらに、スタイリングオイルをなじませながら、束感をつくっていく。ふんわり感とツヤをキープしながら、襟足でひとまとめにすれば完成。
MAQUIA 10月号
モデル・メイク・文/神崎 恵 撮影/天日恵美子 ヘア/津村佳奈〈Un ami omotesando〉 スタイリスト/松島 茜〈io〉 構成・文/若菜遊子(MAQUIA)
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