エッセイ漫画『そうです、私が美容バカです。』が大ブレイク中の漫画家・まんきつさん。過去の作品ではアル中や赤裸々な実体験エピソードの数々を描き話題ですが、実践してきた美容法もこれまたぶっ飛んでいてインパクトたっぷり! これまでの美容遍歴をはじめ、愛用ビューティグッズ、まんきつさんにとって「美容」とは? たっぷりお伺いしました。
- 体当たりの美容漫画が大ヒット!
- どうしてそこまでやる!? 驚きの美容遍歴
- まんきつさんのマイブーム&おすすめの美容アイテム
- プチプラ好きだけど、クレ・ド・ポーの下地は絶対に譲れない
- 今は”ヒル美容”にハマってます!
- 鏡を見て「自分の顔が好き」って笑えるの、最高じゃないですか?
体当たりの美容漫画が大ヒット!
『そうです、私が美容バカです。』¥1210/マガジンハウス
ananwebで話題となった美容漫画。美容オタク歴20年以上、出来るだけ安くできる美容法にこだわりながら美肌を追求し続ける漫画家・まんきつさんが、実際に試してみて良かったことだけを描いた全16話を収録。さらに、「本気でオススメしたい」アイテムも大量描き下ろし。美容マニアも唸る目からうろこの美容法が多数。
なぜ美容にフォーカスした作品を描こうと思ったのですか?
一昨年、美容のトークイベントをすることになったのですが、Xで告知をしたところ、マガジンハウスの柳川さん(担当編集)から「美容をテーマに漫画を描きませんか?」と、お話をいただいたのがきっかけです。仕事はサボっても美容は欠かさずやってきて、こんなにも長年、お金も時間も捧げてきたことを仕事につなげられたらと思っていたので、即答で「やります!」と。あと、美容って一人で黙々とやるので、孤独でもあるじゃないですか。こんな失敗しちゃったとか、こんなすごい美容法見つけた! とか、人と共有できた方が楽しいなという気持ちもあって『そうです、私が美容バカです。』が生まれました。
まんきつさんが美容に目覚めたきっかけを教えてください。
25歳のときに大失恋をしまして。別れるのが嫌すぎて過呼吸になっちゃうくらい大好きな彼だったんです。その頃、PMSがひどくて喧嘩のたびに感情のコントロールができなくなってしまっていて。そういうのもあって振られちゃったんでしょうね。けれど、当時の私は性格上の難は無視して“きれいだったら振られなかったかもしれない”と、顔のせいにして美容に走りました。
どうしてそこまでやる!? 驚きの美容遍歴
今までにチャレンジした美容は?
まず、25~6歳の頃に顔の脱毛をしたら、化粧ノリが明らかに良くなって、こんなにも違うのか! と衝撃を受けて。それまでの私って、眉が繋がっちゃうくらい毛深くて、顔の産毛もお化粧をするたびに剃っていたんです。30歳の頃は美容グッズの個人輸入にハマってあれこれ試しました。
ブラウス¥59400/カオス(カオス新宿) パンツ¥24200/ケッシュ ル エッセンシャル(ケッシュ ル エッセンシャル) サンダル¥37400/ファビオ ルスコーニ(ファビオ ルスコーニ ルミネ有楽町店) ピアス¥110000、ネックレス¥83600、薬指に付けたリング¥81400、小指に付けたリング¥35200〜/すべてマリハ
40代になってからはどんな美容を試したんですか?
40歳になって、初めて美容クリニックでほうれい線にヒアルロン酸を、眉間とエラにボトックスを打ったんです。でも、合わなかったんですよね。眉間は良かったけど、エラは打つとめちゃたるむ気がして。効果も三ヶ月くらいでなくなっちゃうのに大金をちょこちょこ使うのはもったいないなと思って、そこから美顔器に目覚めたんです。手頃な価格のものから、15万円くらいのものまで。ただ、EMSをやりすぎてしまったのか、頬がこけてしまって結構たるむなと思いはじめ……。同じくらいの時期からサーマクールやハイフも。それでもたるみが気になるので、45歳の頃に二重顎の脂肪吸引をして、それは結構良かった。さらに、糸を入れようかとかいろいろ考えて、47歳で切開リフト(皮膚を切開し、たるんだ皮膚を引き上げる施術)をしました。これがすっごく良くて! 手術が終わって鏡を見たときに、ヒアルロン酸やハイフのお金を返してくれって思ったくらい!
現状はいかがですか?
個人的には切開リフトはすごく良かったんですけど、今、体重が落ちたこともあってフェイスラインのたるみが戻ってきちゃったんです。だからもう1回できたらやりたいな。切開リフトは私の場合は100万円しましたけど、結局いちばん経済的な気がしていて。でも、ダウンタイムは皮膚がボコボコになって壮絶なので、お金がある方は糸リフトを頻繁にやるほうがいいかもしれません。
切開リフトでキュッとVラインになった輪郭はお気に入りのパーツ。「昔は弁当箱って言われるほど真四角な輪郭だったんです」。
痛い思いや辛口な意見を浴びせられても美容をつきつめようと思う原動力は?
ケアしすぎてビニール肌をこじらせて8年くらいあごのカサカサが治らないんですけど、本当に合うものを使うとそこが落ち着くんです。翌朝の肌の毛穴が少し小さくなっていたり、そういうのを目安にしながらいろんなものを試たりするのがやっぱりすごく楽しいんですよね。漫画を描くのは1ヶ月かかるけど、美容は3日で結果がわかるのが気持ちいいんです。
現在49歳でいらっしゃいますが、年齢を意識することはありますか?
めちゃめちゃ意識しています。どれだけ顔をケアしていても四十肩で肩が上がらないし、膝も痛い。そういう物理的な痛みや疲れやすさで歳をすっごく感じます。気持ちは若いままですけど、体が追いついていかないというか(笑)。睡眠だけはちゃんととるようにしています。眠いときは15分だけでもいいから仮眠をとる。睡眠不足は美の大敵ですし、1日10時間くらい寝ないと頭が回らなくて作業できないんです。とはいえ仕事がある日は10時間もまとめて寝る時間はなかなか取れないので、休める時に小一時間だけ寝たり、何回かに分けてできるだけ睡眠の時間を確保するようにしています。
美をつきつめていくとどうしてもコストがかかってくると思うのですが、そのあたりの基準は設けていますか?
化粧品は基本プチプラなんですよ。キュレルの潤浸保湿 モイストリペアシートマスクとか、かなり良くて大好き。あごのカサカサも治るしいちばん好きかもしれない。
まんきつさんのマイブーム&おすすめの美容アイテム
A_落ち込むくらい肌のアラが見えてしまう10倍ミラーをどんなときも愛用。これを見ながら毛穴がひとつも見えない状態になるまでメイクをするんですけど、いつも1時間くらいかかっちゃう。正直、この鏡から開放されたいっていう願望もあるんですよ。でも、毛穴が見えなくなると気分がアガるし、すごく落ち込んだときでも、“49歳にしては肌きれいだし”、みたいな思いが結局は心の支えになるんですよね。Amazonで購入しました。
B_計算し尽くされているリリミュウのテクニカルリップブラシが最高。鼻の下が長いのが悩みなので、それをカバーするために上唇をオーバーリップするんですけど、 “リップ、はみ出てるよ?”ってこれまで何人に言われてきたことか。でも、このブラシでぼかすように描くとものすごく自然な仕上がり! ポイントはマットなリップを使うことで、私はメイベリン ニューヨークのSP ステイ マットインクが好きです。メイクが苦手な方にも是非オススメしたい!
C_あずきのチカラ 首肩用。レンジで温めてから肩にのせるだけなんですけど、冬は特にこれなしの生活は考えられない。最低でも朝と夜、1日2回は使っています。ちょうといい重みが心地いいし、血行が良くなることで肩こりも軽減。仕事中に使うとこころなしか頭の回転も早くなるような。それにあずきって、一説によると魔除けになるらしいんですよ(笑)。絶対に買ったほうがいいです。これは。
プチプラ好きだけど、クレ・ド・ポーの下地は絶対に譲れない
ヴォワールルミヌ(医薬部外品)30ml SPF38・PA+++ ¥7700/クレ・ド・ポー ボーテ
これだけは欠かせないというメイクアップアイテムは?
私はコスメはプチプラが基本は好きなのですが、下地だけは絶対にクレ・ド・ポー ボーテのヴォワールルミヌ。これだけは譲れない。ファンデーションを使っていたときはカバーしたはずの毛穴が目立ったり、むしろ肌が汚く見える気がしていたんですけど、下地に粉をちょっとのせるくらいにしたら毛穴がぼけていい感じの肌に見えるということに40過ぎてから気づいたんです。SNSでもバズっているヴォワールコレクチュールnと混ぜて使うこともあります。ほんと、私のビニール肌をうまくごまかせているのは、この下地のおかげといっても過言ではありません。
今は”ヒル美容”にハマってます!
今ハマっている美容法はありますか?
ヒルに血を吸わせています。献血をすると肌がきれいになるという説があるんですが、私は血圧が低すぎてできないんですよ。どうやって血を採るかという方法を探った結果ヒル美容に行き着き、“ネッタイチスイビル”を3匹、ネット経由で手に入れました(笑)。民間療法としては古くからメジャーな方法で、おじいちゃん世代は肩の血をヒルに吸わせてコリを解消したり、ロシアだと腰の血をヒルに吸わせる療法が今もあるみたいです。ネットからの情報ですが、ミランダ・カーもヒル美容をしているとか。
どうやって血を吸わせるんですか?
ヒルのお腹がすいていると、置いた瞬間に吸い出しちゃうんですよ。だからピンポイントで狙って置かないと。3匹ともうちに来たばかりの頃は小さかったのに、血を吸わせるたびに大きくなるので、なんだか母乳をあげてるような愛おしい気持ちに(笑)。ちなみに、美肌効果はまだわからず……お試し中という感じです。1年後に漫画にしようかな。
最近のスキンケアステップは?
夜は、肌ラボ 白潤のローションのあと、KISOCAREのヒト幹細胞とかハイドロキノン、アゼラインなどを気分や肌状態に合わせて。そのあとはIHADAの薬用ナイトパックか、薬用バームを。朝は、キュレルの潤浸保湿 モイストリペアシートマスクのみ。肌がやばいなっていうときは、1〜2年に1回、美容クリニックでフラクショナルレーザーを当てます。ネットでバズっているコスメも買いますし、クレ・ド・ポー ボーテのラ・クレームなんかも大好きです。でも、高級クリームを毎日使うよりも、普段はプチプラ、間にバシっと美容医療をするほうがコスパ的にいいなっていう結果に落ち着きました。この間も手の甲のシミが気になって、フラクショナルレーザーを当てたばかりです。先生に「手に当てる人、初めてです」と言われました。
鏡を見て「自分の顔が好き」って笑えるの、最高じゃないですか?
美の情報はどこから得ることが多いですか?
以前は5ちゃんねるだったけど、今は断然Xが早い。“この化粧品、良さそう”と思ったら、すぐにXで検索して、アットコスメも他の口コミサイトも見て、全部調べてから買う。中でも信頼しているのが美容に詳しい知人友人がオススメするアイテム。今のSNSはPRや忖度が多く本当に良いものを見極めるのが難しくなっていると感じています。実際に使ってよかったアイテムを率直な感想とともに教えてくれる美容好きの知人友人の情報がとても頼りになります。
まんきつさんが目指す今後の美についてお聞かせください。
ある年齢になったら、ぱったり美容を止めてみようと実は思っていて。美容を手放して年を重ねるのもなんだか楽しそうだなと思うんです。過去の注入もそうですけど、実験が大好きなんです(笑)。何歳を止め時にしようか今見極めているところです。将来的に憧れているのは、『魔女の宅急便』の作家・角野栄子さん。いつもカラフルなお洋服やメガネですごく素敵。黒ばかり着ている私ですが、いつかはあんな素敵な女性になれたらと思います。
まんきつさんにとって美容がもたらしてくれるものとは?
美容をやっているほうがメンタルが安定すると思います。自分の顔が好きって思えるのってすごく幸せだし、自信がつきますよね。20歳のとき、ある漫画家さんのアシスタントをしていたんですが、忙しくてお風呂も入れずボロボロの状態で一人で井の頭公園のボートに乗っていたら、知らない人に笑われたことがあって……(笑)。でも、きれいにしていたら一人でボートに乗っていてもかっこいいじゃないですか。基本的に一人行動が多いので、美容でモチベーションを高めていれば、自分ひとりでいても堂々としていられる気がするんです。「私です!」って。
※記事中で紹介した美容法・施術の効果はまんきつさんの感想によるものです
※本記事掲載商品の価格は、税込みで表示しております。
撮影/田形千紘 ヘア/佐々木七海(cheek one) スタイリング/柿原陽子 取材・文/通山奈津子 企画/佐藤 陽(MAQUIA ONLINE)
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