周囲に流されることなく常に自分らしく健やかな生き方を貫いている桐谷美玲さん。母として、一人の女性として。彼女が語る、自身にとっての心地よいバランスを見出す秘訣とは?
桐谷美玲
私のバランスの見つけ方
バランス上手な友人たちとは“好き”を貫く生き方が共通点に。
自分の周りを見渡してみると、バランスを取るのが上手だなと思う人がたくさんいます。例えば、(大政)絢。彼女は仕事とプライベート、運動と食事、美容と健康など、あらゆる面での調和が見事に取れていて本当に尊敬するし、(河北)麻友子はどんなに仕事が忙しくても楽しむことを絶対に忘れないところがすごい。ドイツに住んでいる佐藤ありさも、海外生活をしながら自分らしいバランスを見出している点が素晴らしいなって。もちろん、それぞれ大変なことだってあると思うけれど、一緒にいる人にはそれを感じさせないんですよ。みんな自分の“好き”という気持ちに従って生きているからすごくポジティブで、ハッピーなオーラでキラキラしているんです。彼女たちとは10代の頃から一緒に仕事をしてきたけれど、今はお互いライフステージが変わって家族同士でも集まるように。昔からよくみんなで話していた「おばあちゃんになっても仲良しでいようね」という約束を、着々と果たしつつあるのがすごく嬉しいですね(笑)。
その時々のライフステージに合わせた心地いいバランスを探していきたい。
私自身は、特にバランス上手だとは思っていないんです。ただ、頑固な性格なので、世間を気にせず自分なりの心地いいバランスを探すようにはしているかもしれません。と言っても、子供の頃はすごく周りの声を意識していたし、打たれ弱かったんですよ。この仕事を始めていろんな経験を重ねる中で、徐々にブレないマインドが身についていった気がします。それこそ若い頃はいろんなことでいっぱいいっぱいになって心のバランスが乱れて、肌がすごく荒れてしまった時期もありました。コスメをはじめ、効くと言われたものはなんでも試したけれど全く改善せず、“どうしたらいいの?”と途方に暮れて……。でも、少し仕事が落ち着いて心にゆとりができてきたタイミングで、肌荒れの症状がスッと治まったんです。その時に感じたのが、自分の気持ちにフォーカスすることの大切さ。何事にも言えることですが、バランスがうまく取れない時は、まずは自分が今どう感じているのかを見つめてみる。そうすることで、何を優先するべきかの取捨選択がクリアになっていくと思います。
私の中の心地よいバランスは、わりと流動的なもの。“常に正しいバランスの生活をしなきゃ”と固執するつもりはないし、食事もたまにジャンクなものが食べたくなることがあります。すごく疲れた日や今日はカロリーを使ったなっていう日は味が濃いものを体が欲して、夫と「今日のお昼、韓国の辛いラーメンにしない!? 具とかチーズもいっぱい入れちゃおうよ~」と計画。ジャンクな食事を楽しんだ翌日はちょっとだけ野菜の量を増やしたりして、ほんの気持ち程度に調整します(笑)。夜更かしはあまりしないけれど、友達とホームパーティをした時は楽しくて24時を越えることも。といっても、みんな子供がいるので「6時に起きればお弁当作りに間に合うから……まだ行ける!」と翌日のことを考えながらのはっちゃけですが、そうやってたまにハメを外す日があることで、日々がいっそう彩り豊かになる気が。今後のバランスに関しては、しばらくは現状維持でいいかな。子供が大きくなって手が離れていく中で、家族と相談しながら少しずつ仕事の比率を変えていくかもしれないですね。その日の気分でメイクやファッションのバランスを変えるように、生き方のバランスもその時々のライフステージに合わせながら、自分の心地よいところを探していくつもりです。
MAQUIA9月号
撮影/酒井貴生〈aosora〉 ヘア&メイク/paku☆chan〈Three PEACE〉 スタイリスト/黒崎 彩〈Linx〉 取材・文/真島絵麻里 構成/木下理恵(MAQUIA)