今年デビュー20周年を迎える北川景子さん。子育てに奮闘するようになった現在も、凜とした美しさを輝かせながら仕事にも邁進中。進化し続ける彼女がこれまで重ねてきた決断とそのタイミングを伺いました。

北川景子 インタビュー

いろんな決断が、今の私を作ってきた

北川景子が選びとったもの。

数々の選択を経て、辿りついた今。
そんな私の、この春のチャレンジ

1月にスタートした月9ドラマ『女神(テミス)の教室~リーガル青春白書~』では、ロースクールの新米教師を熱演中。法だけでなく人を学ぶ授業を展開するというストーリーが話題に。「月9に出るのはかなり久しぶり。若い頃から『太陽と海の教室』、『ブザー・ビート~崖っぷちのヒーロー~』、『HERO』などに出演させていただいてなじみのある枠だけに、嬉し懐かしい感じです。今回、月9での単独主演は初めてですが、プレッシャーというより、ホームに帰ってきた安心感に包まれている感じ。伝統ある枠で主演をやらせていただけるようになったんだということが何よりの喜びで、これまで頑張ってきて良かったなと思います。ひとつプレッシャーがあるとしたら、オリジナルストーリーなので原作に頼れない点。自分たちにもアイデアがないと。産みの苦しみというものです。
私が演じる柊木雫は、常に一生懸命で非効率的な女性。残念で頼りないところもあるけど、とことん前のめりに人と向き合っていくというキャラクターです。私自身も、自分の気持ちをきちんと伝えながら仕事をしていきたい。深いところまで話して接したいと思っているので、共感できるところが多いです。若い頃はむしろ効率がいいこと、例えば、撮影が押さないとか、締切までに間に合わせる、といったことを重視していたんですけど、30歳を過ぎたくらいから変わったかな。今は多少手間や時間がかかっても内容を充実させたいし、柊木雫の仕事への向き合い方は今の自分とリンクする部分が多いかも」

手間をかけても、目の前のことにじっくり向き合いたい

手間をかけても、目の前のことにじっくり向き合いたい

私が選んできた道、これから進む道

北川景子さん

<仕事の選択>

一生懸命働けば、それを喜んで
くれる人がいる。自分なりの
歩幅で頑張れる自分でいたい

「10周年を迎えた27歳の頃、初めて写真集を出しました。10年続いたことがまず自信になったかな。30歳になったときは、ちゃんと30年生きられたんだと思ったし、人生の後半は東京で頑張ってこられたなって。それからは焦らず、自分のペースでやっていければいいかなと思えるように。結婚したということもあって、今まで通り年に5~6本作品に出るというより、準備期間を設けてゆっくりやってもいいのかなって、この2~3年は特に思うようになりました。
今回の月9しかり、以前ご一緒したプロデューサーや監督から声をかけていただくことも多いのですが、正直、皆さんが物好きでありがたいって思ってます(笑)。だって私は自分の延長でできることだけしかできない。以前は現場の方にも人見知りをしていました。でも今は、信頼できるスタッフ、相談できる人も増えてきたし、年齢を重ねたこともあって前ほど鎧を着なくなったのかも。器用な人が羨ましいとずっと思いつつ、でも、無理にそういう人にはなれないから、自分なりの歩幅で。裏も表もないのが私です。
仕事はまだまだしがみついてやっていきたい。芸能界って基本的に若い人たちのものだと思うので、ポジションは変わっていくだろうけど、以前の自分のイメージでの働き方を求めず、できることをみつけていけたら。手放せるものは手放して、うまく年老いていけたら居場所はあるはずと思っています。だって私、仕事が好きでしょうがないんです。この仕事じゃなくても仕事が好き。働いてお金をいただいて食べて。それってすごく自然ですよね。家族を養うことだってできて、働くからこそ生産的な生活ができる。働いて認められるとそれが自信にもなるし。あとこの仕事のいいところは 『Seventeen』の頃から応援してくれている皆さんとも一緒に成長できること。自分も、20代の生き方、30代の苦しみや悩みなど、わりと正直に包み隠さずお話ししてきて、みんなから励みになるといっていただけると本当に嬉しい。私が一生懸命働くことで喜んでくれる人がいるということが嬉しいんです。こんな私でも生きてきて良かったなって思えるから」

Keiko Kitagawa

北川景子

1986年8月22日生まれ、兵庫県出身。2003年、雑誌『Seventeen』でモデルデビュー。同年、ドラマ『美少女戦士セーラームーン』にて女優としてもデビュー。「女性が選ぶ“なりたい顔”ランキング」に選出されるなどタイムレスな美貌は常に話題。現在放送中のドラマ『女神の教室~リーガル青春白書~』(フジテレビ)にも注目が集まる。

MAQUIA 3月号
撮影/酒井貴生〈aosora〉 ヘア&メイク/板倉タクマ〈nude.〉 スタイリスト/多木成美 取材・文/通山奈津子 構成/木下理恵(MAQUIA)

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