美しい男女の情熱的なラブストーリーは鑑賞物として完璧でも、リアリティは限りなく薄いもの。今回はきれいごと一切ナシ! ダサくてかっこわるくてダメダメなヒロインに共感する、リアルなラブストーリーをご紹介します。
リアルな恋を描いた
人気コミックを
豪華キャストで映画化!
★今回のおすすめ新作映画★
『ピースオブケイク』
監督/田口トモロヲ 出演/多部未華子、綾野剛、松坂桃李、木村文乃、光宗薫、菅田将暉、柄本祐、峯田和伸 公開/9月5日(土)より新宿バルト9ほか、全国ロードショー ©2015 ジョージ朝倉/祥伝社/「ピース オブ ケイク」製作委員会
〈ストーリー〉
彼氏に浮気がバレてフラれてしまった梅宮志乃(多部)は、新しく引っ越したアパートの隣人とベランダ越しに出会い、その笑顔に心が動く。翌日友人の紹介でレンタルビデオ店にバイトの面接に行くと、なんと店長は隣人の京志郎(綾野)だった。
恋愛あるあるや
男女の違いが痛々しい
ほど描かれる!
【松山 梢の女子ツボPOINT!】
ジョージ朝倉の人気コミックを映画化した本作。流されやすいヒロインの志乃と優柔不断な京志郎の恋愛模様は、誰もが一度は経験したことのあるエピソードが満載です! 恋が始まったばかりの隠しきれないワクワク感や、相手の浮気を疑って勝手に妄想し、自家中毒になってしまう女の愚かさ、やましいことがあればあるほど、それをごまかすためにやたらと甘えてくる男の間抜けさなど、恋愛あるあるや男女の違いがリアルすぎて、カップルで見るとケンカになってしまう可能性も!? 恋愛の美しさや楽しさではなく、傷つけられたときの苦しさや理性を失う痛々しさは、見ていて辛くなるけど見ずにはいられない、クセになる映画です。
ヒロインの救いようの
ないダメっぷりに
思わず説教したくなる!?
特に注目は、ヒロインの志乃。浮気がバレたことで元カレにフラれ、気になる男に彼女がいると知っていながら「好き」と気持ちをだだ漏れさせ、バイト先の男に言いよられるままにカラダを許す始末。失敗するたびに反省するのに、また同じ失敗を繰り返してしまう、救いようのないダメっぷりです。
そのダメさに共感する女子もいるかもしれませんが、私は正直まったくできないし、なんなら「ちゃんと頭使ってる?」と説教したくなるほどでした。ただしヒロインの友人のオカマの天ちゃんが言う「恋愛でカッコつけてどーすんのよ」という台詞を聞いて、ふと目が覚めました。
傷つくことを
いとわない実は
最強の女子だった!
本来恋愛はダサくてイタくて寒いもの。自分を自分以上に見せるための鎧を着ることなく、頭をフル回転させて主導権を握ることもなく、「好き」という純粋な心の揺らぎに素直でいられる志乃は、傷つくこともいとわない、流される強さを持っている最強の女子だったのです。
相手を条件で測ったり、自分の中で勝手にルールを作ったり、周囲からどう思われるかばかり気にしたりと、大人になると素直な恋愛から遠ざかってしまいがち。不格好でも傷ついても真正面からぶつかる志乃の姿に「こんな恋がしたい!」と思わされます。恋愛スイッチがオフになっている人、必見です!
★次回は……
ダメダメなヒロイン映画パート2!
人気コミックを映画化した爆笑コメディをご紹介します。
〈映画ライター/松山 梢〉
映画のヒロインに感情移入することでかろうじて「女」であることを維持している、三十路まっただ中のライター松山 梢です。自分に足りない女っぷりを向上すべく、そして美意識の高いマキアオンライン読者の女っぷりをさらにアップさせるべく、愛すべき女子向け映画&ドラマを紹介していきます!
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