仕事、恋愛、結婚、人間関係……など、アラサー女を取り巻く様々な問題は、時に思いもよらないタイミングで降り掛かかるもの。立ち直れないほど落ち込んだときは、女性必見の映画で癒されて!


母の死と離婚で

ボロボロになった

ヒロインの荒療治

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★今回のおすすめ新作映画★

『わたしに会うまでの1600キロ』

監督/ジャン=マルク・ヴァレ 出演/リース・ウィザースプーン、ローラ・ダーン、トーマス・サドスキー、ミキール・ハースマン 公開/8月28日(金)よりTOHOシネマズ シャンテほか全国ロードショー 配給/20世紀フォックス映画 © 2014 Twentieth Century Fox. All Rights Reserved.

〈ストーリー〉

辛い境遇でもいつも人生を楽しんでいた母親(ローラ・ダーン)の死に耐えられず、優しい夫を裏切ってドラッグと男に溺れていたシェリル・ストレイド(リース・ウィザースプーン)は、ふと目に留まったアメリカ西海岸を南北に縦断する1600キロの自然歩道、パシフィック・クレスト・トレイルのガイドブックを見て、1人で踏破することを決意する。


思いがけないタライが

降ってきたときの

あなたの対処法は!?

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【松山 梢の女子ツボPOINT!】

大人になると、思いがけないタイミングで思いがけない大きさのタライが空から降ってくるもの。彼氏の浮気が発覚したり、仕事で上司に手柄を横取りされたり、元カレからドヤ顔で結婚の報告を受けたりと内容は人それぞれですが、その衝撃と耳鳴りが収まるまでは、女ともだちにひたすら愚痴ったり、酒をあおったり、深夜のネットショッピングで爆買いしたり、自分を癒す方法もまた人それぞれです。この映画でヒロインの頭の上に降ってきたタライは、最愛の母の死と離婚。



娘にとっての

母親の存在の

大きさに共感!

Image title飲んだくれの父親から暴力を受け、ずっと貧乏暮らしだったにもかかわらず「あなたを授かったからよかった」と常に笑顔を絶やさなかった太陽のような母を失い、自暴自棄になって見事な転落の道をたどります。最近は娘に対して価値観を押し付ける毒母が話題ですが、この場合は真逆。

常に「最高の人生の見つけ方」を身をもって示してくれていた尊敬する母親を失ったことの喪失感が、ヒロインの心を押しつぶしてしまうのです。辛い現状から逃げるようにドラッグと男に溺れたヒロインは、ある意味お酒や買い物に走る私たちと変わりがありません。一瞬痛みを忘れられたとしても、我に返ったときにはそれ以上の後悔と自己嫌悪に苛まれる。よくありますね……。


自分自身と向き合う

ことでしか

壁は乗り越えられない

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映画では山歩きすらしたことがない非力な女性が過酷なトレイルに挑戦する様子を描きながら、これまでの人生を様々なタイミングで回想する様子が描かれます。そう、この映画は何も1600キロ歩いたことで救われた女性の話ではなく、広大な自然の中で猛烈な孤独に襲われたヒロインが、初めて自分自身と真正面から真摯に向き合ったことで救われていくお話。

思考停止することではなく、なぜ自分は傷つき、悲しんでいるか、その原因と向き合うことでのみ人は壁を乗り越えられるということを教えてくれます。ヒロインの荒療治は見ているだけでも苦しいけれど、じっくり、ひとりで鑑賞するのがおすすめ。映画館から出たときに、見える景色が変わっているはずです。



★次回、人生サプリ映画パート2は…

ダメ男好き必見!

タナダユキ監督の最新映画をご紹介します。



〈映画ライター/松山 梢〉

映画のヒロインに感情移入することでかろうじて「女」であることを維持している、三十路まっただ中のライター松山 梢です。自分に足りない女っぷりを向上すべく、そして美意識の高いマキアオンライン読者の女っぷりをさらにアップさせるべく、愛すべき女子向け映画&ドラマを紹介していきます!



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