シャンプーしたら髪の毛が排水溝にごっそり…。朝起きたら枕元に抜け毛がいっぱい…。肌と同様に、年齢を重ねるにつれて抜け毛・薄毛・細毛といった髪の毛のエイジングサインも現れると言われていますが、20代や30代でも悩んでいる人が増えているのだとか。そこで、女性の髪にまつわるお悩みと対策法をプロに聞きました。
ウォブクリニック中目黒総院長 皮膚科医
髙瀬聡子先生
丁寧でわかりやすいカウンセリングと、一人ひとりのコンディションにあわせた美容医療に定評がある。美容界にも支持者多数。
髪の抜け毛・薄毛・細毛悩みにプロが回答!
Q 抜け毛・薄毛・細毛の主な原因は?
A ヘアサイクルの乱れやストレスなどさまざまな要因があります
加齢によるヘアサイクルの乱れ、ストレス、栄養不足、血行不良のほか、洗いすぎによる頭皮の乾燥、間違ったヘアケア、摩擦、ホルモンの乱れなどが考えられます。そのほかにも、パーマ、カラー、いつも同じ部分で結ぶといった刺激や、遺伝的要素、食生活の悪化、タバコ、飲酒、ストレスなど、さまざまな原因があります。
Q 更年期になると髪の毛が薄くなりやすいって本当?
A 本当です
女性ホルモン(エストロゲン)の低下により、薄毛が悪化します。エストロゲンには髪の毛(頭頂部中心)を成長させる働きがあるため、更年期になると毛が細く、伸びにくくなります。
Q 紫外線は髪に悪影響?
A 炎症や頭皮のかゆみを引き起こすことがあります
紫外線を浴び続けると乾燥が進み、頭皮のバリア機能が低下し、炎症→頭皮のかゆみなどを引き起こすことがあります。
Q 長引く自粛生活で、抜け毛などに悩む女性は増えていますか?
A 増えています
はい。ストレスや運動不足、生活習慣の乱れが要因だと考えられます。
Q 1日2回のシャンプーはやりすぎ?
A 頭皮の炎症や乾燥に注意!
皮脂をとりすぎることは、乾燥を進ませ、頭皮に炎症が起こりやすくなるので気をつけましょう。
Q どんなシャンプーを選べばいい?
A アミノ酸系の洗浄剤配合のものがおすすめ
頭皮ケアをうたっているヘアケア製品や、アミノ酸系の洗浄剤配合のものがおすすめです。
Q 過度なカラーリングは避けたほうがいい?
A パーマや過度なカラーリングはNG
パーマや過度なカラーリングは熱によってタンパク質の変性が起こり、髪の毛のキューティクルが剥がれて色抜けなどが起こりやすくなり、頭皮の乾燥を招くことがあります。
Q 薄毛・抜け毛・細毛になりやすい頭皮のサインは?
A 頭皮の赤み、かゆみ、フケが多い人は要注意!
頭皮の赤みやかゆみ、フケが多い人は注意して。髪が成長しきっていなかったり、切れ毛が多いことなどもヘアサイクルが乱れているサインです。
健康な髪をキープするための7つのポイント
Q 抜け毛・薄毛・細毛対策として、どのようなことをすればいい?
1 血行促進
頭皮をマッサージして血流をアップ。
2 頭皮を乾燥させない
頭皮を洗いすぎず、頭皮の保湿を心がける。
3 頭皮に炎症を与えない
ゴシゴシ摩擦を与えるようなマッサージやシャンプーにならないように気をつけて、頭皮ケアを行いましょう。
4 十分な睡眠
就寝中に古い細胞から新しい細胞へと再生が促されます。
5 適度な運動&入浴
全身の血流を促し、頭皮や髪に栄養を届けるため新陳代謝が促進されます。
6 バランスのとれた食生活
毛髪はケラチンというタンパク質から出来ているので、タンパク質が豊富な食品を摂りましょう。また、髪の成長を促すにはビタミンやミネラル(鉄、亜鉛、銅)を多く含む食品や、カルシウムやカロチンなどを摂ることをおすすめします。
7 ストレスをためすぎない
ストレスが溜まると自律神経を刺激し、ホルモンバランスを乱し、毛細血管を収縮させてしまいます。
ストレスを溜めすぎないように
自分の時間やリラックスタイムを満喫して
「女性の社会進出が進み、薄毛や抜け毛などで悩む現代女性が増えてきました。原因はさまざまですが、ストレスを溜めすぎないように自分の時間やリラックスタイムを作るよう心がけましょう。また、『皮脂が気になる』という理由で洗いすぎによる頭皮トラブルも多いですね。顔と同様、頭皮も正常なバリア機能を維持することが大切なので、乾燥させないように注意しましょう。血行不良も頭皮には悪影響です。ゆっくりお風呂につかって頭皮マッサージをするのもよいでしょう」(髙瀬先生)
イラスト/きくちりえ 取材・文/中村千夏(MAQUIA ONLINE)