新しい美容のカタチが見えてきた2020年下半期。「MAQUIA」1月号では、いま知るべきビューティキーワードとともに、美容の最前線にいる3人が語り合いました!
安倍佐和子、鈴木えみ、小田ユイコが語る
私たちは今、美のターニングポイントにいる
先行きが見えない不安はあるものの、新しい美容のカタチが見えてきた2020年下半期。いま知るべきキーワードとともに、美容の最前線にいる3人が語り合いました。
(右)
YUIKO ODA
あくなき美容への探求心で、最新のスキンケアをはじめ、さまざまな美容情報を取材。自ら積極的に体験して、発信し続けている。
「近年まれに見るディープケアが豊作。
まさにお宝の山!」
(中)
EMI SUZUKI
マキアミューズとしてもおなじみ、自分らしく輝くための美容法に多くのファンが注目。ファッションデザイナーとしても活躍中。
「固定観念がなくなり、
もっと自由に美容を楽しめるように」
(左)
SAWAKO ABE
美容に関する、あらゆる分野に精通。読者の目線に立ち、豊富な知識を生かしながら、読者に寄り添う説得力のある語り口が人気。
「気持ちを前向きに引き上げる
コスメの力を再確認」
価値観が激変した今期、
美容意識にも変化が
安倍 生活環境などがガラリと変わった2020年。美容においても、これまでは人のため、見てもらうため、コミュニケーションのためだったものが、自分は何のためにキレイになりたいのかを本質的に考えさせられる年になったと思います。それを見越したかのようにスキンケアに良作が数多く登場しました。
えみ 自粛期間で自分を見つめ直し、スキンケアに時間を割く人が増えましたよね。
小田 そうね。たるみケアに新しいサイエンスが投入されるなど、今年は近年まれに見るディープエイジングケア豊作の年。そもそも2020年はオリンピックもあり、記念すべき年になる予定だったからこそ、ここに渾身作をぶつけてきた感じ。
安倍 心躍るスキンケアの登場は、ある意味精神的な支えになりましたよね。そしてそれは、メイクも同じ。沈んだ心を引き上げてくれるような華やかなものに目が行きました。
えみ リップが主役だった人が、アイメイクにシフトしたりも。
小田 美容が癒やしになった印象ですね。美容って大切です。
ニューノーマル美容
小田 マスク装着が当たり前となり、新たな美容課題が勃発。
えみ マスクによる肌荒れですね。ムレてポツポツが出たり。
安倍 リモートワークが増え、極端にしゃべらなくなったからか、はたまた緊張感の低下からか、下半顔のたるみが顕著になったという人も多いよう。
小田 でも、今期は幸いにも、たるみケアが豊作だし、ゆらぎやストレス肌に対応するアイテムもあったので救われましたね。
えみ それに加え、“マスク映え”という言葉が生まれたように、個人的にもアイメイクの楽しさを再発見。自分のメイクを見直すきっかけになりました。
安倍 赤み系アイメイクが人気になりましたね。マスクを見越したトレンドカラーというわけではなかったはずですが、血色感を演出できるのが目元しかなかったので、ブームは必然。
小田 それだけで女らしさや優しさがアピールできるし。
えみ 血色感といえば、オンラインでは赤みのリップが絶対。これだけで顔が映えます。リップはマスクにつくからと敬遠されがちでしたが、画面上では絶大な効果を発揮してくれます。
安倍 この流れは今後もまだまだ続きそうですね。
自分軸
小田 ステイホームにより、自分と向き合う時間が増えましたよね。
安倍 おこもり美容に目覚めた人も多く、ボディケアやヘアアイテム、美容ギアにも注目が集まりました。
小田 オンライン画面で、普段見ることがない“動く自分”を目の当たりにすることで、今まで気づかなかった口角の下がりやたるみに衝撃を受ける人も。それをきっかけに美容に目覚め、マッサージや美容ギアを真剣に取り入れた人も多いと思います。
えみ 私も時間的に余裕ができたので、その日の気分に合わせてアロマキャンドルを焚くようになりました。
安倍 これまでの香り選びは他人からどう見られるか、が基準でしたが、今回のことで意識が変わり、“心地よさ”が新たな選びの基準になりましたね。
次世代エイジングケア
小田 遺伝子やDNA研究における近年の進化は目覚ましいものがあるけれど、今期はそれが飛躍的だった印象。
安倍 ファンケルやクレ・ド・ポー ボーテなどの新知見は言うに及ばず、美容業界で話題になったのは、ポーラB.Aの「ジャンクDNA」からの発見。
小田 これまで見向きもされず、ガラクタとまでいわれていた領域にアプローチするだなんて。98%も眠っている美の可能性を目覚めさせるということに、もうワクワクしちゃいます。
安倍 常に先進サイエンスを牽引しているエスティ ローダーの「ナイト リペア」も、遺伝子研究の新しい側面を教えてくれ、次の世代に繋げました。
えみ まさに次世代エイジングケアの幕開けって感じなんですね。
免疫
小田 マスクや環境の変化によって肌荒れを起こすなど、誰もが自分の肌力が落ちていることを実感。だからこそ、肌本来の力を高めるスキンケアに視線が集中。コロナ予防も肌荒れ防止も、大切なのは自分の力、“免疫力”!
安倍 折しも今期発売されたコスメは、“免疫”とは直接謳っていなくても、擬似皮膚や肌フローラ、発酵系など「自らの力で外的要因から守る」がコンセプトなものが多かったですよね。
えみ 今までの生活リズムが変わることによる心のストレスで、肌が敏感になる人も増えた印象です。
安倍 ストレスによる肌荒れは多くの人が経験していますからね。だからこそ、“心の免疫”も同時に高め、自分の力を上げていくお手入れが必要に。
クリーンビューティ
安倍 聞いたことはあるけれど、自分ゴトにできていなかったサスティナビリティやSDGs問題。これがコロナをきっかけに認知されるように。
小田 今やほとんどの美容メーカーが取り組んでいますね。
えみ モノが溢れている現代だからこそ、製品を選ぶ基準の1つになっていると思う。
安倍 特に美容は毎日行うからこそ、化粧品メーカーが積極的に啓蒙することで、サスティナブルの意識が一気に浸透。
えみ これが当たり前になれば、当然地球にもいいですよね。
小田 化粧品って使って楽しいものだけれども、それによって環境に負荷がかかったり、作り手が疲弊するのはよくない。今後はここにも意識したコスメが選ばれるようになりますね。
MAQUIA 1月号
撮影/藤澤由加 ヘア&メイク/甲斐美穂〈ROI〉 スタイリスト/西野メンコ(鈴木えみ分) 取材・文/藤井優美〈dis-moi〉 構成/吉田百合(MAQUIA)
最終更新日: